兵庫県広報の公式X(旧Twitter)が、特定の個人アカウントを一時的にフォローしていた問題について、兵庫県は2025年10月23日、不明なIPアドレスからのログインと操作履歴が見つかり、不正アクセスの可能性を考えて県警に相談していると説明しました。
ただし、公開情報から確認できるのは、県がログを調べてそのように説明したことまでです。実際に誰が操作したのか、不正アクセスが捜査機関によって認定されたのか、刑事告発が行われたのか、その後にどのような結論が出たのかは確認できません。本記事は、確認済みの事実、県の説明、報道、現時点で不明な事項を分けて整理します。
結論:確認できることと、まだ確認できないこと
- 確認できること:兵庫県広報の公式Xが特定の個人アカウントを一時的にフォローし、その後フォローが外れたこと。
- 県の説明:担当職員は操作を否定し、県が調べたログには不明なIPアドレスからのログインと操作履歴があったこと。
- 県の対応:県警へ相談し、公式SNSを含む情報管理について全庁的な総点検と再発防止を指示したこと。
- 確認できないこと:操作した人物、不明なIPアドレスの利用者、刑事告発の実施、捜査結果、X側の調査結果。
したがって、「第三者による不正アクセスが確定した」「特定の人物が操作した」と断定することはできません。一方で、県が不正アクセスの疑いを公に説明し、再発防止に言及したこと自体は記録に残っています。
兵庫県広報Xの役割と運用方針
対象となったのは、兵庫県の広報公式Xアカウント「兵庫県広報」です。県の各種広報媒体一覧では、防災情報、イベント、観光情報などを発信する媒体として案内されています。
県が公開していたX運用ポリシーには、情報発信を優先するためフォロー、リプライ、ダイレクトメッセージへの対応などは行わず、基本的に他のXアカウントへのフォローやリポストは行わないという趣旨が記載されていました。また、フォローしているアカウントへの賛同や支援を示すものではないとも説明されていました。
このため、特定の個人アカウントだけがフォローされているように見える状態は、県の通常の運用と整合するのか、誰がどの権限で操作したのかという疑問を生じさせました。なお、従来のPDFのURLは現在アクセスできない状態が確認されたため、本記事では県の広報媒体一覧を案内先とします。
2025年9月末に起きたこと
2025年9月28日ごろ、兵庫県広報の公式Xが特定の個人アカウントをフォローしていることがSNS上で指摘され、その後フォローが外れたと報じられました。翌29日、担当職員は一連の操作を否定したとされています。
ここで重要なのは、画面上でフォローと解除が確認されたことと、その操作主体が判明したことは別だという点です。スクリーンショットは当時の表示を示す資料にはなりますが、それだけで操作した人物やアクセス経路を特定することはできません。
2025年10月23日に県が説明した内容
神戸新聞の2025年10月23日付報道によると、県は県議会総務常任委員会で、担当職員が操作を否定したこと、同月29日未明の記録として不明なIPアドレスからのログインと操作履歴が見つかったことを説明しました。県は不正アクセスの可能性を考え、刑事告発も視野に県警へ相談しているとされました。
これは「県がログを調査した結果として、不明なIPアドレスからの操作履歴があったと説明した」という事実です。報道時点で、捜査機関が犯罪を認定した、被疑者を特定した、刑事事件として立件したという意味ではありません。
「不明なIPアドレス」が意味する範囲
IPアドレスは、インターネット上の通信元を調べる手掛かりの一つです。しかし、IPアドレスだけで操作した個人が直ちに確定するわけではありません。組織外からのアクセスなのか、通常と異なる回線や端末を使った内部の操作なのか、VPNなどを経由したのかは、追加の記録や調査がなければ判断できません。
この件についても、ログの具体的な内容、端末情報、認証方法、アクセス元の調査結果は公開資料から確認できません。セキュリティ上、すべてを公表できない事情はあり得ますが、少なくとも県民が知る必要のある範囲で、原因と再発防止策を説明することが求められます。
県警への「相談」と刑事告発・捜査結果は別
警察への相談は、被害の可能性や今後の対応について助言を受ける段階を含みます。刑事告発は、犯罪事実を申告して処罰を求める手続です。さらに、告発が行われたこと、捜査が始まったこと、犯罪が立証されたことも、それぞれ別の段階です。
兵庫県警のサイバー犯罪の相談案内でも、アカウントへの不正アクセスが疑われる場合、ログイン情報などの証拠を保存して相談することが案内されています。本件で県が実際に刑事告発したか、警察がどのような判断をしたかは、2026年8月11日までに確認した公開資料では不明です。
県はその後、全庁的な総点検と再発防止を説明
兵庫県は、2025年12月2日の県議会での知事提案説明で、「公式SNSアカウントに対する不正なアクセスが疑われる事案など」が発生したとして、全庁的な総点検を指示する通知を出し、政策会議でも再発防止の徹底と具体策を指示したと説明しました。すべての職場で研修などを完了させる方針にも言及しています。
この説明からは、県が問題を一つのアカウントだけの出来事ではなく、組織全体の情報管理の課題として扱ったことが分かります。ただし、総点検で何件の問題が見つかったのか、対象アカウントの設定を具体的にどう改善したのか、本件の調査がどこまで進んだのかは、この説明だけでは分かりません。
現在も確認できない事項
- フォローと解除を実際に操作した人物
- 不明なIPアドレスの利用者、接続元、目的
- 県が刑事告発を行ったかどうか
- 警察の捜査の有無と結果
- Xに対する調査依頼の回答内容
- 個人アカウント側と県職員・県関係者との関係
最後の点を含め、個人の身元、通話内容、契約・資金関係、投稿の意図や組織的な世論誘導の有無について、検証できる一次資料は確認できません。本記事では、周辺情報をつなぎ合わせて不正な関係があったかのように断定しません。
なぜ公式アカウントのフォローが問題になるのか
ここからは政経プラスの編集上の評価です。自治体の公式アカウントによるフォローは、単なる閲覧上の操作であっても、外部からは対象への関心、推奨、連携の表明と受け取られる可能性があります。運用ポリシーに「賛同や支援を示すものではない」と書かれていても、特定の個人だけが表示されれば、行政の中立性や公平性に疑問が生じるのは避けにくいでしょう。
だからこそ、行政には、担当者の政治的評価ではなく、誰が操作権限を持ち、どの基準でフォローし、異常時にどう復旧・説明するかを制度として示すことが重要です。
行政に求められる説明と再発防止
再発防止では、個人の責任追及だけでなく、複数人による管理、権限の最小化、多要素認証、端末と接続元の管理、パスワード変更手順、操作ログの保存、担当者の異動・退職時の権限削除、緊急時のアカウント回復手順などを確認する必要があります。
一方、具体的な認証情報や防御方法をすべて公開すると新たなリスクになり得ます。県が説明すべきなのは、秘密情報そのものではなく、調査の範囲、原因の分類、講じた対策、外部機関への相談状況、同じ問題が起きないことを確認する仕組みです。
情報を確認するときの優先順位
本件のようにSNS上で多くの推測が飛び交う問題では、①県の運用ポリシーや公式発表、②県議会の会議録・委員会資料、③複数の報道機関による取材記事、④当時の表示を記録したスクリーンショット、⑤匿名投稿や伝聞、の順に確認することが大切です。
スクリーンショットやSNS投稿は問題の発端を知る手掛かりにはなりますが、切り取り、時刻、編集の有無、操作主体まで証明するものではありません。後から公的資料で裏づけられた部分だけを確認済みの事実として扱う必要があります。
関連記事と詳しい時系列
このページは、県広報Xのフォロー問題と不正アクセス説明に論点を絞っています。その後の経緯や関連動画を含む全体像は、親記事の「神戸の夜景(かまやみひ)」問題とは何か|兵庫県公式アカウント問題・時系列全記録【2025-2026】で整理しています。
まとめ
兵庫県広報Xのフォロー問題では、県が不明なIPアドレスからのログインと操作履歴を確認したと説明し、県警への相談、全庁的な総点検、再発防止を進めたことまでは確認できます。一方、実際の操作主体、刑事告発の有無、捜査やX側の調査の結論は不明です。
確認できない部分を推測で埋めるのではなく、県が今後公表する資料、県議会の記録、捜査機関やX側の正式な発表があれば追記します。記事内容の誤りや追加の一次資料をご存じの方は、資料の所在が分かる形でお知らせください。
確認日:2026年8月11日
主な確認先
- 兵庫県「各種広報媒体一覧」
- 神戸新聞「兵庫県広報公式Xが特定個人をフォロー、解除 不正アクセスか」(2025年10月23日)
- 兵庫県「第373回兵庫県議会 知事提案説明」(2025年12月2日)
- 兵庫県警察「サイバー犯罪防犯センター 相談事例」
動画では触れきれなかった資料の細部や、法制度の背景はnoteの「政経プラス」で継続的に整理しています。
関連動画|兵庫県広報番組の編集と説明責任
兵庫県の広報番組の編集と、知事の説明・行政広報をめぐる動画です.
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動画側の公開情報:2024年08月25日/28:32
※動画タイトル・公開日・動画時間はYouTube公開情報です。動画内の主張や評価は、一次資料・公式発表との照合が必要です。本記事の確認済み事実として追加していません。


