選挙ウォッチャーちだい氏の控訴審勝訴を、政経プラスは強く支持します。根拠を持つ批判が守られた意義と、訴えられる側の時間・費用・心理的負担を併せて考える必要があります。板野友美氏をめぐる削除要請と、それを擁護する福永活也弁護士の説明も、公開資料に基づいて検討します。
▼動画で見たい方はこちら:政経プラスによる今回の勝訴の解説
ちだい氏の控訴審勝訴が持つ意義
弁護士ドットコムの報道によると、東京高裁は2026年9月8日、フリージャーナリストの選挙ウォッチャーちだい氏(石渡智大氏)の投稿をめぐる福永活也弁護士の控訴を棄却しました。「スラップ裁判」などの表現を意見・論評と捉え、その前提事実の重要な部分に真実性を認め、違法性を否定したとされています。判決報道
スラップとは、一般に、批判や社会的な発言を萎縮させるための訴訟を指す言葉です。本稿では、具体的な投稿への判断と、個々の提訴行為への法的評価を区別します。
裁判を起こされた側にも、その裁判のあり方を批判する言葉が必要です。訴訟による負担や不当さを訴えた発言が、さらに訴訟の対象となる場面では、批判する側の言葉という手段が塞がれる懸念があります。
今回、ちだい氏の批判は控訴審でも損害賠償責任を負うものとはされませんでした。発信する立場から、この結果を心から歓迎します。ちだい氏と代理人の石森雄一郎弁護士の尽力に、敬意を表します。
「お気持ち」という説明だけでは捉えきれない

福永氏は同じ報道への回答で、判決未受領としたうえで、意見・論評を「お気持ちの表明」と表現し、自身の提訴の違法性が認められたわけではないとの見解を示しました。上告の予定はないとも回答しています。福永氏の取材回答
投稿の適法性と、提訴行為そのものの違法性は別の問題です。その区別は必要ですが、それによってちだい氏の勝訴の価値が小さくなるわけではありません。批判を支える事実が検討されたという判決の重みを、「お気持ち」という説明だけで捉えることには賛同できません。
本稿では高裁判決全文と正式な確定状況を直接確認していません。福永氏の過去の提訴全般が違法と認定されたとも、別の投稿まで一律に適法になるとも結論づけていません。
勝訴しても、訴えられる側の負担は残る
勝訴を評価するとともに、結論が出るまでに当事者が引き受ける負担にも目を向ける必要があります。資料収集や相談、書面の確認には時間がかかります。弁護士費用などの金銭負担も生じ得ます。結果を待つ間の不安や、本来の仕事に充てられた時間は、勝訴によって自動的に取り戻せるものではありません。
これは、ちだい氏が実際に支払った額や費やした時間を示すものではありません。個別の明細は未確認です。しかし、争う費用や時間を確保できるかどうかが、発信を続けられるかという判断に影響する問題は考えられます。
Xに意見を書く人も、YouTubeで解説する人も、誰もが裁判を続けられるわけではありません。根拠があっても生活への影響を懸念し、批判を控える人が出るおそれがあります。正当な批判が残るかどうかを、争う余裕の有無で決める社会であってほしくありません。
板野友美氏をめぐる削除要請と、説明を求める余地
タレント・実業家の板野友美氏の動画をめぐっては、代理人弁護士を名乗るアカウントから、24時間以内の削除と法的措置への移行を告げられたと受信者が公表しています。政経プラスは既稿で、短い期限と法的措置の予告が、疑問を述べる人に与える圧力を批判しました。削除要請を検討した既稿
確認できた削除要請と、実際の提訴・裁判所の判断は別です。板野氏がスラップ訴訟を起こしたと認定された、という説明はしていません。
また、週刊女性PRIMEの9月8日の続報では、ホテル側が撮影範囲の案内不足を認め、撮影は営業時間外で、他の利用客が利用する状況ではなかったと説明しています。こうした事情を踏まえ、板野氏だけに責任を決めつけることには慎重であるべきです。ホテル側の追加回答
公開された動画や説明への疑問と、本人や家族に対する中傷は、丁寧に区別する必要があります。確認すべき点があるなら、その確認に答えることは批判を解消する道にもなります。削除を求める際も、対象のどの記述が問題で、なぜ削除が必要なのかを説明する余地が重要です。
福永氏の「副次的な効果」という見解への批判
福永氏は9月9日のX投稿で、削除要請自体は違法ではないという立場から、相手が萎縮してもそれは「副次的な効果に過ぎない」と述べました。また、相手から応答があっても再応答する法的義務はないと説明しています。福永氏の投稿全文
これは「違法なスラップを支持する」と本人が述べたという意味ではありません。福永氏は、自身が違法ではないと考える対応を擁護しています。その説明を踏まえても、発言する側の萎縮を軽く扱いすぎているというのが、本稿の評価です。
法律の専門家から短い期限と法的措置を示され、質問しても答えを得られない場面を考えると、再回答する法的義務がないという説明だけでは、受け手の不安は解消しません。違法性の有無とは別に、相手が判断できる説明を尽くしたかという問題があります。
要求する側には副次的でも、受け取る側には仕事や生活、今後の発信を左右する問題になり得ます。投稿が削除されても、誤りを認めた結果なのか、争う負担に耐えられなかった結果なのかは分かりません。
法律の専門知識を持つ人には、その違いに敏感であってほしいと考えます。法的措置を持ち出せる側の説明だけで、批判する側の不安を片づけることには、強く反対します。
正当に批判する自由を、争える人だけのものにしない
今回の勝訴を喜ぶ理由は、批判した側が裁判で争い、その言葉が守られた点にあります。訴訟に対応しながら結果を示したちだい氏と石森弁護士の尽力は、発信する一人として励みになります。
政経プラス自身も、事実を確かめ、誤りがあれば訂正します。人格や家族への攻撃に流れず、公開された発言や対応のどこに問題があるのかを示します。そのうえで、疑問を述べ、批判を続けます。
正当な批判をするために、誰もが裁判を続ける覚悟まで求められる社会であってほしくありません。今回の勝訴を、批判する自由を支える結果として、心から歓迎します。
よくある質問
勝訴は、判決が確定したという意味ですか?
本稿でいう勝訴は、今回の控訴審の結果を指します。上告予定がないとの回答だけで、正式な確定状況まで確認したことにはなりません。
強い言葉なら何でも許されるのですか?
今回報じられた特定の投稿についての判断です。異なる根拠や文脈を持つ投稿にも、同じ結論が当然に当てはまるわけではありません。
板野氏の件も、この高裁判決で判断されたのですか?
別件です。本稿では、削除要請が発言に与える影響という観点から論評しています。今回の高裁判決が、板野氏の件を認定したとは扱っていません。
関連動画:今回の勝訴の解説をYouTubeで見る / 全編動画をTikTokで見る
政経プラスチャンネルでは、ニュースと公開資料を読み解いています。勝訴を喜ぶ思いと発信者の負担については、note「ちだい氏の勝訴を心から喜ぶ」にもまとめています。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(GPT-6)
「私とAIで読み解く」。2026年9月9日時点の報道と公開投稿に基づく論評です。判決全文・正式な確定状況・個別の費用明細は未確認です。AIは構成・出典確認を補助し、最終編集・公開判断はカネさんが行います。
9月9日更新:勝訴を支持する理由、板野氏をめぐる削除要請、福永氏の公開投稿への論評を加え、本文を再構成しました。


