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兵庫県職員の採用辞退58.9%|応募増でも残る人材確保の課題

兵庫県政

記事タイプ:論評・兵庫県職員採用辞退率58.9%と人材確保

2026年4月入庁向けの兵庫県の大卒程度・総合事務職では、最終合格者209人のうち123人が辞退しました。入庁したのは86人で、辞退率は58.9%です。前年の46.0%より12.9ポイント上がりました。

一方、2027年4月入庁向けの早期SPI枠では、総合事務職の申込者が991人から1099人へ108人増えています。SPIは、民間企業でも使われる適性検査です。県は、試験制度の見直しや退職者の再採用制度も始めました。

申込者が増えたことと、合格後に県庁を選ぶことは、採用の別の段階です。この記事は2026年7月17日までに確認した資料に基づき、応募の増加と、辞退・定着の課題を検証します。

兵庫県職員の採用辞退率58.9%と知事会見を検証する政経プラスのYouTube動画

4月時点の会見と辞退率を動画で確認する

動画:14分13秒
2026年4月9日の会見をもとに、兵庫県58.9%・大阪府30.3%・京都府45.5%を比較し、斎藤知事の説明と残る疑問を整理しています。

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辞退率58.9%と、次年度向けの申込者増

確認項目4月時点の結果7月17日時点の更新
2026年4月入庁合格209人、入庁86人辞退123人、辞退率58.9%
早期SPI枠の申込者2025年度は総合事務職991人2026年度は1099人、108人増
採用制度早期SPI枠と通常枠を実施防災コースや再採用制度を新設
現時点で不明な点次年度の合格者数2027年4月の実際の入庁者数と辞退率

2026年度の早期SPI枠は、2027年4月入庁向けの試験です。総合事務職の採用予定45人程度に対し1099人が申し込み、申込倍率は24.4倍でした。

1099人は受験の申込者数です。前年の早期SPI枠でも991人が申し込みましたが、最終合格者123人のうち81人は辞退しました。応募を増やす広報と、合格者に県庁を選んでもらう取組は、別々に成果を示す必要があります。

58.9%の分母は、早期枠と通常枠を合わせた最終合格者209人

2026年4月入庁向けに行った試験の総合事務職では、早期SPI枠と通常枠を合わせ、次の結果となりました。

区分最終合格者辞退者
早期SPI枠123人81人
通常枠86人42人
合計209人123人

辞退率は「辞退者123人÷最終合格者209人」で、58.9%です。最終的に入庁したのは86人でした。

知事は、辞退を見込んで採用予定より多くの最終合格者を出したと説明しています。辞退者123人を、そのまま欠員123人と読むことはできません。

県に求めたいのは、採用予定を確保できたかと、合格後に辞退した理由の分析です。必要な職種に採用・配置できたかも示すべきです。

兵庫の辞退率は、大阪30.3%・京都45.5%を上回る

4月9日の知事記者会見で関西テレビの記者が示した近隣府県の数字は、大阪府30.3%、京都府45.5%でした。兵庫県の58.9%は、いずれも上回ります。

自治体最終合格者辞退者辞退率
兵庫県209人123人58.9%
大阪府175人53人30.3%
京都府156人71人45.5%

会見の説明では、大阪府は通常枠のみ、京都府はSPI枠と通常枠を合算した数字です。試験方式や併願の可否、合格発表の時期にも違いがあります。

それでも、兵庫県は前年より12.9ポイント上がり、近隣府県より高い辞退率でした。県が詳しい理由を調べるべき警告材料です。

知事は併願のしやすさを説明、個々の辞退理由は未確認

知事は、SPIによって複数の試験を受けやすくなったことなどを、辞退増の要因に挙げました。職場を選ぶ際は、勤務地や待遇、組織への印象も判断材料になり得ます。

考えられる要因には、次のようなものがあります。

  • SPI方式で民間企業や他自治体と併願しやすい
  • 兵庫県では早期SPI枠と通常枠を併願できる
  • 売り手市場の中で就職先の選択肢が増えている
  • 広い県域での異動、勤務地、仕事の内容を比較している
  • 給与や働き方、組織風土、将来性への評価が影響する
  • 県政をめぐる報道や組織への印象が判断材料になる可能性がある

斎藤知事は、辞退を見込んで多めに合格者を出した影響も挙げています。早期SPI枠で81人、通常枠で42人が辞退したため、それぞれの辞退理由を調べ、制度の影響と職場への評価を検証する必要があります。

「親にやめておけ」は、大学生協の取材で報告された事例

同じ会見では、県内の大学生協への取材として、兵庫県への入庁に不安を訴える学生や、親から「やめておけ」「他のところにしておけ」と説得された例が紹介されました。

これは大学生協の担当者が取材で紹介した事例で、県全体の学生や保護者を調べた統計ではありません。採用現場で不安の声が報告されたこととして受け止める必要があります。

家族も就職先の情報を集めるため、県庁への評価が判断に影響する可能性はあります。県が辞退者に匿名で尋ね、他自治体や民間への就職、勤務地、待遇、組織風土などの理由を公表すれば、その影響を具体的に考えられます。

2027年入庁向けの早期枠は、申込者が108人増えた

2026年度の早期SPI枠では、総合事務職の申込者が前年の991人から1099人へ108人増えました。警察事務、教育事務、小中学校事務を含めた全体では、採用予定70人程度に対して1325人が申し込んでいます。

応募の入口では、総合事務職の申込者が増えました。次に見るべきなのは、その人たちが受験し、合格後に県庁を選ぶかです。

前年の総合事務職では、991人が申し込み、782人が受験し、123人が最終合格しました。申込倍率は採用予定数との比率、競争倍率は受験者数と最終合格者数の比率で、分母が異なります。入庁までには、さらに辞退という段階もあります。

防災コースと退職者の再採用など、受験の入口を拡大

兵庫県は2026年度の採用試験で、複数の見直しを進めています。

防災コースは2027年4月に3人程度の採用を予定

大卒程度の通常枠に「総合事務職(防災コース)」を新設しました。2027年4月の採用予定は3人程度です。防災部門を軸に複数の部署を経験するジョブローテーションで、災害対応を担う人材を計画的に育てる狙いがあります。

経験者は受検会場を選べ、土木・建築は大学3年生にも門戸

経験者向けのSPI3は、指定会場に集まる方式から、都合のよい日程・会場で受けるテストセンター方式へ変更しました。総合土木職と建築職は、秋日程で大学3年生の受験を可能にしました。採用候補者名簿の有効期間を3年延長し、大学院進学後の採用も可能にしています。

Rejoin Hyogoで、退職した県職員の再採用を開始

転職、育児、介護などで兵庫県を退職した職員が再び県で働ける「Rejoin Hyogo採用制度」も新設しました。経験者を呼び戻す仕組みは、採用の入口を広げるだけでなく、すでに県の仕事を理解している人材を確保する点で意味があります。

受験しやすくする改革に加え、入庁後の働き方と組織への信頼を改善できるかが課題です。申込者や合格者が増えても、辞退が増える場合があるためです。

入庁後も、安心して働き続けられる職場か

県の人材確保は、入庁した職員が能力を発揮し、働き続けられるかまで含めて評価する必要があります。

県には、辞退理由、若手の離職、配属後の支援、超過勤務、仕事や組織への意欲、管理職への信頼を示してもらいたい。公益通報やハラスメント相談を安心して利用できるかも、実際の運用で検証すべきです。

採用難や早期離職が続けば、防災、福祉、土木、税務、許認可などの行政機能に影響するおそれがあります。この記事で県民サービスの低下が確認されたわけではありませんが、人材確保は県政を支える課題です。

同じ年度の申込・受験・合格・入庁・定着を示す

県が採用改革の成果を説明する際は、同じ年度の試験から入庁までを、次の数字で示す必要があります。

  1. 申込者数:県庁の仕事に関心を持った人の数
  2. 受験者数:申し込みから実際の受験に進んだ人の数
  3. 最終合格者数:県が採用候補として選んだ人の数
  4. 実入庁者数:最終的に兵庫県庁を選んだ人の数
  5. 定着率:入庁後1年、3年、5年で働き続けている人の割合

2026年度の早期SPI枠では、申込者数が増えました。2027年4月の実際の入庁者数と、その後の定着につながるかが、改革の成果を測る材料になります。

よくある質問

辞退率58.9%は高い数字なのか

前年の兵庫県46.0%、会見で示された大阪府30.3%、京都府45.5%を上回っています。ただし、採用区分や試験制度が異なるため、数字だけで原因や職場環境を断定することはできません。

123人分の欠員が出たのか

県は辞退を見込んで採用予定より多くの合格者を出しているため、辞退者数は欠員数と同じではありません。県が示すべきなのは、予定人数を採用できたか、必要な職種に配置できたか、入庁後も働き続けているかです。

告発文書問題が辞退増の原因なのか

県政の混乱への不安は取材で報告されています。個々の辞退原因との因果関係は、公表資料では分かりません。県が辞退者に理由を尋ね、併願や待遇、職場への印象などの影響を調べる必要があります。

申込者が1099人に増えたなら改善したのか

受験を申し込む人は増えました。合格後に県庁を選ぶ人が増えたかは、2027年4月の実入庁者数と辞退率で評価します。

Rejoin Hyogoとは何か

転職、育児、介護などを理由に県を退職した元職員が、再び兵庫県で働くための採用制度です。2026年度に新設されました。

応募増を、入庁と定着につなげられるか

  • 2026年4月入庁の大卒程度・総合事務職では、最終合格209人のうち123人が辞退した
  • 辞退率は58.9%で、前年より12.9ポイント上昇した
  • 会見で示された大阪府30.3%、京都府45.5%より高かった
  • 次年度向け早期SPI枠の総合事務職は、申込者が991人から1099人へ増えた
  • 申込者増は採用の入口の成果だが、実際の入庁と定着はまだ確認できない
  • 県は防災コース、試験方式の見直し、Rejoin Hyogoなどを始めた
  • 原因を断定するには、匿名の辞退理由調査や若手職員の定着データが必要になる

県には、応募した人が受験し、合格後に県庁を選び、入庁後も働き続けるまでの数字を示してもらいたい。辞退や離職の理由も分かれば、採用改革と職場の改善をどこに向けるべきか考えられます。

政経プラスチャンネルでは、過去の兵庫県関連動画についても、新しい資料が公表されるたびに現在地を整理していきます。

出典・確認資料

動画では触れきれなかった資料の細部や、法制度の背景はnoteの「政経プラス」で継続的に整理しています。

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動画側の公開情報:2026年04月10日/10:44

※動画タイトル・公開日・動画時間はYouTube公開情報です。動画内の主張や評価は、一次資料・公式発表との照合が必要です。本記事の確認済み事実として追加していません。

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