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下水道が黒字なのに値上げするのはなぜ?経常収支比率と経費回収率の違い

情報確認日:2026年10月14日

下水道事業が黒字でも、使用料だけで汚水処理の費用を賄えているとは限りません。 一般会計からの繰入れなどを含めた収支と、使用料で回収する割合は違います。値上げの理由を読むときは経費回収率、一般会計の負担、施設更新計画、家庭ごとの料金表を確認してください。

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経常収支比率と経費回収率は、違う収入を比べる

公営企業の経常収支比率は、経常的な収益が経常的な費用をどれだけ賄ったかを示す指標です。一般会計からの繰入れなどが収益に含まれる場合があります。

下水道の経費回収率は、汚水処理に要する費用のうち、使用料でどの程度を賄っているかを表します。日光市の説明には、「下水道使用料÷汚水処理費×100」の算式が示されています。

指標 知りたいこと 一般会計の負担との関係
経常収支比率 経常収益全体で経常費用を賄うか 繰入金などの影響を受ける
経費回収率 使用料で汚水処理費を賄うか 100%未満なら他の財源との関係を確認

経常収支比率が100%を超え、経費回収率が100%を下回ることは両立します。「黒字だから料金が十分」という結論にはなりません。指標の分子・分母を読むと、費用を誰が負担しているかが分かります。

香芝市は、経常収支100%以上と経費回収85%以上を別に設定

香芝市の下水道事業経営戦略の説明では、令和11年度の目標として経常収支比率100%以上、経費回収率85%以上を示しています。令和16年度の経費回収率は90%以上です。これは将来の計画目標で、達成済みの実績ではありません。

同市は、現行の使用料単価を維持した場合、令和11年度の経費回収率は81%と見込んでいると説明しています。普及率の向上、費用削減、使用料の改定を組み合わせて改善する計画です。確認日2026年10月14日。

この例から分かるのは、経常収支を維持することと、使用料で負担する割合を高めることが、計画上も別の目標だという点です。他の自治体へ同じ目標を当てはめることはできません。

日高市の決算では、回収率低下と追加の一般会計負担が掲載されている

日高市の2025年1月の説明では、令和3年度の経費回収率110.55%が、令和5年度には93.52%へ低下したと公表されています。基準外繰入金のうち収益的収入分は、同じ年度で1,380万円から2億3,276万6,000円へ増えています。原表の単位は千円です。

市は、節水型機器や人口減少による使用料収入の減少、物価・電気代の上昇による処理費の増加を背景として説明しています。これは市の公表説明です。全国すべての下水道が同じ原因・金額だという話ではありません。

「基準内繰入金」は国の基準に基づく一般会計負担、「基準外」はその基準によらない繰入れです。一般会計からの負担を一括して経営失敗と呼ぶのではなく、目的と額を確認します。一方、追加負担が続くなら、その理由と改善の進み方も住民に関わる情報です。

雨水の対策と、家庭の汚水処理は負担の考え方が違う

下水道には、生活排水などの汚水を処理する役割と、雨水を排除する役割があります。一般に「雨水公費・汚水私費」という負担の考え方が用いられます。雨水排除は地域全体の利益に関わり、汚水処理は使用料で賄うことが基本になるという考え方です。

実際の負担区分には、国の繰出基準などに基づく項目もあります。経費回収率の分母が、事業の支出すべてをそのまま合計した額とは限らないため、資料の定義を読んでください。道路の冠水対策と家庭から出る排水の費用を、理由なく同じ料金原価として数えるべきではありません。

人口が減っても、管路や処理場はすぐ小さくできません。使用量が減る一方で維持管理費が残り、老朽化した施設の更新費も発生します。現時点の損益だけでは、次の10年に必要な工事の財源は分かりません。

値上げ幅は、平均改定率ではなく自分の使用量で確かめる

自治体の「平均○%改定」は、すべての家庭の請求額が一律に同じ率だけ増えるという意味とは限りません。基本料金、使用量に応じた区分、最低料金、減免の制度によって負担は変わります。

請求書や検針票で、計算対象の月数、使用量、上下水道それぞれの額を確認し、新旧料金表の同じ使用量の欄で比べます。消費税を含むか、改定日の前後をまたぐ使用量をどう扱うかも自治体の案内を読みます。

料金改定の資料では、適用日、対象使用量、新旧料金の比較、低所得世帯などへの減免、更新工事の規模、一般会計負担、費用削減の内容を確かめられます。不明な場合は、自治体の下水道担当へ検針票の使用量と請求期間を伝えると、影響額を具体的に確認できます。

下水道の経営戦略と決算資料は通常無料で公開されています。「黒字なのに値上げ」という疑問には、どの収入を含む黒字か、料金でどこまで回収できるか、更新費をどう確保するかを示すことが答えになります。将来目標と決算実績を区別し、自分の料金表まで確認することで、改定の妥当性を具体的に検討できます。

参照資料

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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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