「自分の県は、全国で何位?」「今月から時給は上がるの?」
最低賃金のニュースを読むとき、この二つは分けて確認したいところです。2026年度の改定額で比べると、最高は東京都の1,280円、最低は宮崎県の1,085円。差は1時間195円です。
ただし、47都道府県が同じ日に切り替わるわけではありません。10月1日時点では新旧の金額が混在しています。この特集では、改定額のランキングと、実際に適用される日を一緒に整理します。
情報確認:2026年10月1日。対象は地域別最低賃金の時間額です。順位は2026年度改定額で作成し、同額は同順位、次の順位は人数分だけ飛ばしています。全国平均や実際の給与のランキングとは異なります。
最低賃金・徹底特集
2026年度は全国加重平均1,177円。全員の最低時給が同じになるわけではない
厚生労働省が9月3日にまとめた答申では、2026年度の全国加重平均は1,177円。前年度の1,121円から56円、約5.0%の引上げです。都道府県別の引上げ額は54〜65円でした。
「加重平均」は、各都道府県の対象となる労働者数を反映した平均です。47の金額を単純に足して47で割った数字ではありません。
全国平均1,177円は、自分の給与にそのまま使う基準ではありません。確認するのは、自分に適用される都道府県の金額と、その発効日です。
出典:厚生労働省「令和8年度最低賃金額答申」。全国加重平均は年度の改定額による集計で、10月1日に全国すべてで適用済みという意味ではありません。
47都道府県ランキング。改定額と10月1日の適用額を並べて確認
表の「改定額」が順位の基準です。「10/1適用額」は2026年10月1日のスナップショットなので、後日読む場合は「新額開始日」と合わせてご覧ください。その日より前は旧額、その日以降は新額が適用されます。
表の金額はすべて1時間当たり、単位は円です。スマートフォンで表の右端が隠れる場合は、表の中を横に動かせます。
| 改定額順位 | 都道府県 | 10/1適用額 | 2026改定額 | 新額開始日 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 1,280 | 1,280 | 2026/10/1 |
| 2位 | 神奈川県 | 1,279 | 1,279 | 2026/10/1 |
| 3位 | 大阪府 | 1,231 | 1,231 | 2026/10/1 |
| 4位 | 埼玉県 | 1,196 | 1,196 | 2026/10/1 |
| 5位 | 千葉県 | 1,195 | 1,195 | 2026/10/1 |
| 5位 | 愛知県 | 1,195 | 1,195 | 2026/10/1 |
| 7位 | 京都府 | 1,122 | 1,180 | 2026/11/16 |
| 8位 | 兵庫県 | 1,172 | 1,172 | 2026/10/1 |
| 9位 | 静岡県 | 1,097 | 1,154 | 2026/10/15 |
| 10位 | 三重県 | 1,143 | 1,143 | 2026/10/1 |
| 11位 | 広島県 | 1,085 | 1,141 | 2026/10/11 |
| 12位 | 茨城県 | 1,074 | 1,136 | 2026/10/18 |
| 12位 | 滋賀県 | 1,080 | 1,136 | 2026/10/3 |
| 14位 | 北海道 | 1,131 | 1,131 | 2026/10/1 |
| 15位 | 栃木県 | 1,125 | 1,125 | 2026/10/1 |
| 16位 | 岐阜県 | 1,121 | 1,121 | 2026/10/1 |
| 17位 | 群馬県 | 1,063 | 1,120 | 2026/10/3 |
| 18位 | 富山県 | 1,119 | 1,119 | 2026/10/1 |
| 19位 | 長野県 | 1,061 | 1,117 | 2026/10/2 |
| 20位 | 福岡県 | 1,057 | 1,114 | 2026/10/4 |
| 21位 | 石川県 | 1,054 | 1,113 | 2026/10/3 |
| 21位 | 山梨県 | 1,052 | 1,113 | 2026/11/1 |
| 23位 | 福井県 | 1,053 | 1,112 | 2026/10/4 |
| 24位 | 新潟県 | 1,108 | 1,108 | 2026/10/1 |
| 25位 | 奈良県 | 1,051 | 1,107 | 2026/10/4 |
| 26位 | 岡山県 | 1,047 | 1,104 | 2026/10/2 |
| 27位 | 徳島県 | 1,046 | 1,103 | 2026/11/1 |
| 28位 | 和歌山県 | 1,045 | 1,101 | 2026/10/3 |
| 28位 | 山口県 | 1,043 | 1,101 | 2026/10/8 |
| 30位 | 宮城県 | 1,098 | 1,098 | 2026/10/1 |
| 31位 | 大分県 | 1,035 | 1,096 | 2026/11/1 |
| 32位 | 佐賀県 | 1,030 | 1,095 | 2026/11/15 |
| 33位 | 福島県 | 1,033 | 1,094 | 2026/10/16 |
| 34位 | 愛媛県 | 1,033 | 1,093 | 2026/11/1 |
| 35位 | 山形県 | 1,032 | 1,092 | 2026/10/30 |
| 35位 | 島根県 | 1,033 | 1,092 | 2026/10/10 |
| 35位 | 香川県 | 1,092 | 1,092 | 2026/10/1 |
| 35位 | 熊本県 | 1,034 | 1,092 | 2026/12/1 |
| 39位 | 青森県 | 1,029 | 1,090 | 2026/10/29 |
| 39位 | 岩手県 | 1,031 | 1,090 | 2026/12/1 |
| 39位 | 秋田県 | 1,031 | 1,090 | 2026/10/14 |
| 39位 | 鳥取県 | 1,030 | 1,090 | 2026/10/3 |
| 39位 | 鹿児島県 | 1,026 | 1,090 | 2026/10/25 |
| 44位 | 長崎県 | 1,031 | 1,087 | 2026/11/2 |
| 45位 | 高知県 | 1,023 | 1,086 | 2026/10/29 |
| 45位 | 沖縄県 | 1,023 | 1,086 | 2026/12/2 |
| 47位 | 宮崎県 | 1,023 | 1,085 | 2026/10/24 |
出典:厚生労働省・地域別最低賃金全国一覧、2026年度全国一覧(PDF)を政経プラスが順位順に整理。支払いの確認では、各労働局が公表する地域別・特定最低賃金もご確認ください。
上位は東京・神奈川・大阪。福岡は改定後20位
改定後の上位3つは、東京1,280円、神奈川1,279円、大阪1,231円です。4位は埼玉1,196円、5位は千葉・愛知の1,195円で並びます。
ただし、年度の順位と、その日に使える金額は別です。たとえば京都は改定額では7位の1,180円ですが、開始は11月16日。10月1日に適用される額は1,122円です。
福岡県は、1,057円から57円上がって1,114円、改定後の順位は20位。新額の開始日は10月4日です。10月1日〜3日と4日以降を混同しないようにしましょう。
「九州だから同じ金額」という決まりもありません。勤務する県が変われば、金額や開始日も確認し直す必要があります。
上がった「金額」で見ると、佐賀・鹿児島が上位
最低賃金の高さと、今回どれだけ上がったかは、違うランキングになります。
| 県 | 引上げ額 | 改定額 |
|---|---|---|
| 佐賀県 | +65円 | 1,095円 |
| 鹿児島県 | +64円 | 1,090円 |
| 高知県 | +63円 | 1,086円 |
| 沖縄県 | +63円 | 1,086円 |
| 茨城県 | +62円 | 1,136円 |
| 宮崎県 | +62円 | 1,085円 |
佐賀は65円、鹿児島は64円の引上げです。一方、東京は54円の引上げ。それでも、改定後の金額では東京が最高になります。もともとの水準が違うためです。
引上げ率も分けて見たいところです。たとえば佐賀は1,030円から1,095円へ約6.3%、東京は1,226円から1,280円へ約4.4%。同じ「賃上げ」の話でも、金額と割合で見えるものが変わります。
東京と宮崎の差195円。月160時間なら3万1,200円の差
改定後の最高額と最低額の差は、1,280円−1,085円=195円です。
仮に両地域で最低賃金ちょうどの時給で月160時間働くと、東京は20万4,800円、宮崎は17万3,600円。差は月3万1,200円になります。同じ条件が12か月続くと仮定すれば、年37万4,400円の差です。
これは比較のための単純計算です。税・社会保険料を引く前の額で、残業代、手当、賞与は含めていません。実際の収入や、毎月の勤務時間を示す数字ではありません。
前年度の最高・最低の差は203円でした。今回は195円なので、金額の差は8円縮まりました。低い側の水準が高い側にどれだけ近づいたかを示す比率も、83.4%から84.8%へ改善しています。
ただ、家賃や交通費などは地域によって違います。時給の差だけで「どちらに住むと生活が楽か」までは決まりません。引っ越しや転職を考えるなら、働ける時間、通勤費、家賃を並べて見る方が実用的です。
なぜ県ごとに違うの?「生活費が安いから」だけでは説明できない
地域別最低賃金は、働く人の生計費、その地域の賃金、通常の事業が賃金を支払う能力を総合して決める仕組みです。
そのため、「地方は家賃が安いから低い」と一つの理由だけで説明するのは粗すぎます。地域の賃金の実態や企業の状況も、審議の対象になります。
一方で、数字が低い県に住んでいるから、日々の買い物まで同じ割合で安くなるわけではありません。全国的に売られる商品や、車の維持費などもあります。地域差の数字は、働く人の暮らしと合わせて読む必要があります。
制度の決め方:厚生労働省「最低賃金の決め方は?」
「答申」「決定」「発効」は、別の段階
最低賃金の報道には、耳慣れない言葉が出てきます。流れを押さえると、いつから自分に関係するかが見えてきます。
- 目安:中央最低賃金審議会が引上げ額の目安を示します。
- 答申:地方の審議会が地域の実情を踏まえて審議し、改定額を示します。
- 決定:異議申出の手続きを経て、都道府県労働局長が決定します。
- 発効:決められた日から、新しい金額が適用されます。
審議会は、公益代表、労働者代表、使用者代表が同数で構成されます。「目安が出た日」「答申が報道された日」が、そのまま新しい時給の開始日になるわけではありません。
ランキングを見たら、次は自分の給与を確認しよう
まず、働く事業場の都道府県と発効日を確認します。派遣やテレワークには、それぞれ確認する場所のルールがあります。
次に、自分の業種で「特定最低賃金」が適用されるかを確認。そして給与明細のうち、最低賃金と比べる対象になる賃金を時間額に直します。
総支給額が多くても、通勤手当や固定残業代を除くと最低賃金を下回ることがあります。制度編と計算編では、このつまずきやすい点を具体例で説明します。
最低賃金・徹底特集
関連:2026年度の最低賃金は全国平均1,177円|自分に適用される額と日付の調べ方
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(GPT-6)。AIは構成・論点整理・資料確認を補助し、最終編集・公開判断はカネさんが行います。

