本文へ移動

斎藤知事「弁護士に確認して」に代理人は無回答、会見で残った疑問

「弁護士を通じて確認してほしい」。そう言われて代理人に聞いたら、「何もコメントはない」。だったら、最初から答えないと言えばよかったのではないか。10月22日の斎藤元彦・兵庫県知事の会見と、その後の関西テレビの報道を見て、まず引っかかったのはここです。

会見では、元副知事の片山安孝氏の選挙応援をめぐる質問にも、知事は「公務を優先」と答えました。片山氏が知事を支えると訴える一方で、知事はどう答えたのか。発言を追っていきます。

動画で見る:政経プラスの元動画
広告

▶ 政経プラスチャンネルの最新解説動画

チャンネル登録して、新しい解説を受け取る

知事が案内した確認先にも説明がなかった

関西テレビがFNNに配信した10月22日の記事は、知事への名誉毀損の疑いで書類送検された男性記者らをめぐるやり取りを伝えています。知事は、個人的なことなので必要なら代理人を通じて確認してほしいと説明。その代理人は取材に対し、何もコメントしないという回答でした。

弁護士に窓口を一本化すること自体を問題にしているわけではありません。知事本人から代理人に尋ねるよう案内され、そちらでも内容の説明がない。それで、会見で寄せられた疑問に何を答えたことになるのでしょうか。

元になったのは、亡くなった元県民局長の懲戒処分について、知事が本人も受け入れたという趣旨の説明をしたことです。同記事は、それに反発した記者の発言や、その後の刑事告訴を報じています。私は、亡くなった方について、異議を申し立てていないことを受け入れたという説明へ結び付ける言い方そのものが、極めて乱暴だと感じています。

公の会見で知事が行った説明をめぐり、記者とのやり取りが生じた。その経緯を聞かれると個人的なこととして代理人へ回し、代理人も答えない。公人として発言した場面から、個人としての対応へ切り替わったところで、説明が途切れてしまっています。

書類送検の見出しだけで決着した話にはならない

同じ報道によると、対象は男性記者とSNSで投稿した男性2人の計3人です。警察が捜査の結果を検察へ送ったことと、起訴や有罪が決まることは別の段階です。記事は、起訴するかどうかを検察が判断すると明記しています。

男性記者は、自分の発言は正当な論評で名誉毀損には当たらないと主張しています。これは記者側の説明です。知事側が告訴したことも、記者側が違法性を否定していることも、それだけで裁判所の結論にはなりません。

動画で私が関西テレビの書き方を評価したのは、書類送検という見出しに続けて、その先に検察の判断があることを説明していたからです。見出しの強さだけを受け取り、既に決着したかのように扱うと、実際にどこまで進んだ話なのかが見えなくなります。

私は動画で記者側に理があるという見方も述べました。それは私の評価であり、起訴や裁判の結果を示すものではありません。ここで問いたいのは、知事自身が行った説明について、なぜそう説明できるのかを確かめる道筋が閉じてしまったことです。

片山安孝氏を支えるのかと聞かれ「公務を優先」

後半では、高砂市選挙区の県議補選に立候補した片山氏への応援をめぐる質疑を取り上げました。県選挙管理委員会の公式案内によると、告示は10月16日、投票日は10月25日です。

動画内の会見映像では、ちだい氏が、知事を支えてきた片山氏の応援に入る予定がないことについて質問しています。知事はまず市長や町長との連携に言及し、片山氏について聞き直されると、公務を優先すると回答。各候補者が政策や主張を伝え、有権者が判断する機会だとも述べました。

知事が選挙応援より公務を優先するという説明自体は理解できます。ただ、片山氏は知事を支えると打ち出しているのに、その知事からは片山氏を特に応援する言葉が出てこない。この落差は随分大きいな、と思いました。

動画で紹介した「見捨てられる」という表現は、ちだい氏の記事と私の受け止めです。知事が会見で片山氏を見捨てると宣言したわけではありません。実際の回答は公務優先と、各候補者に頑張ってほしいというものでした。その回答の温度差を、私は薄情にも見えると批評しています。

同じ会見映像では、視察中の写真について、知事の公務を職員が記録用に保存しているという回答もありました。個人のSNSに載る写真であっても、撮影と記録がどう行われたかは尋ねられる。投稿先の名前だけでは、職員が担った仕事の説明は済みません。

「数ポイント差まで縮まった」の調査はどこにあるのか

選挙をめぐるSNS投稿では、両候補の差が数ポイントになったという趣旨の発信も紹介しました。私の反応は単純です。その数字の出所はどこなのか。

調査した主体、調査日、方法、対象者などが示されなければ、数字として確かめようがありません。動画に映っていたコミュニティノートも、制作時の画面確認では、提案段階で評価を待つ表示でした。表示が確定したノートや、独立した情勢調査の証明としては扱えません。

片山氏が逆転するという日程表のような予想も読みましたが、願望を書いたものと実際に調べた数字では、受け取る意味が違います。応援の気持ちが強いからといって、裏付けの見えない数字まで選挙情勢として扱うことには賛成できません。

また、知事への全面協力を掲げる県議候補をどう見るか、という話もしました。知事の政策に賛成することはあっても、議案や予算を確かめ、疑問を質問する仕事までなくなるわけではない。私は、何でも賛成するだけなら、議会の仕事はどうなるのかと疑問を示しました。これは候補者の姿勢への批評であり、違憲・違法だという認定ではありません。

知事に確認しても、代理人に確認しても説明がない。選挙情勢の数字にも調査の姿が見えない。今回見ていて繰り返し残ったのは、言葉の強さに対して、確かめられる中身がどこにあるのか、という疑問です。

背景は高砂補選の候補者と日程、これまでの経緯は兵庫県告発文書問題の時系列に掲載しています。

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(構成・出典確認の補助)。カネさんの動画での発言をもとに、AIが構成・文章整理・出典確認を補助しました。

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました