2026年6月3日に開かれた斎藤元彦兵庫県知事の定例記者会見をめぐり、公開されていた動画が見られなくなったとして、SNS上で疑問の声が広がりました。
政経プラスチャンネルでも6月5日、兵庫県の公式YouTubeチャンネル「ひょうごチャンネル」から6月3日の会見動画が確認できない状況を取り上げました。
現在の兵庫県公式ページには説明が掲載され、会見内容を一部編集した動画が公開されています。
県の説明によると、会見には不適切な表現が含まれていたため、動画と議事録の該当箇所を削除したということです。
これにより、「なぜ動画が見られなくなったのか」という疑問には、一定の公式回答が示されました。
一方、どの発言を、誰の判断で、どの基準に基づいて削除したのか。編集前の動画は行政内部で保存されているのか。公式ページだけでは分からない点も残っています。
この記事では、批判的なコメントを消すためだったと決めつけるのではなく、現在確認できる公式記録と元動画を分けて整理します。
▶ 元動画はこちら
【兵庫県知事問題】会見動画が突然の削除・非公開に?批判コメントから逃げる行政の姿勢と、再び動き出した「特定の言説」を巡る違和感
※元動画は2026年6月5日公開、17分27秒です。
※本記事は2026年7月18日までに確認できた情報を基にしています。
結論|削除理由は示されたが編集経緯は分からない
今回、公式資料から確認できたのは次の事実です。
- 2026年6月3日に斎藤知事の定例記者会見が開かれた
- 元動画は6月5日時点で、公式会見動画が見られない状況を報告した
- 兵庫県は公式ページで、会見に不適切な表現が含まれていたと説明している
- 県は動画だけでなく、議事録についても該当箇所を削除したと明記している
- 現在の公式ページは、6月8日にYouTubeで公開された会見動画へリンクしている
- 現在公開中の動画は1時間23分45秒ある
一方、次の点は公式ページから確認できません。
- 最初に公開された動画のURLと公開時刻
- 動画が見られなくなった正確な日時
- 非公開、削除、差し替えのどの処理が行われたのか
- 削除された発言の正確な範囲
- 編集を決めた部署と決裁者
- 判断に用いた基準
- 編集前の動画と議事録が保存されているか
- 動画についたコメントが保存または引き継がれたか
したがって、「批判コメントから逃げるために動画を消した」とまでは断定できません。
しかし、行政が公式会見の映像と議事録を編集したことは、県自身の説明によって確認できる状態になりました。
論点は、削除したこと自体の賛否だけではありません。編集前後の記録と判断過程を、県民が後から検証できる形で残しているかです。
6月3日の会見動画をめぐる時系列
確認できる範囲で時系列を整理します。
| 日付 | 確認できる出来事 | 情報源 |
|---|---|---|
| 2026年6月3日 | 斎藤知事の定例記者会見を開催 | 兵庫県公式ページ |
| 2026年6月5日 | 政経プラスチャンネルが公式動画を確認できない状況を報告 | 元動画 |
| 2026年6月8日 | 現在公開中の会見動画が「ひょうごチャンネル」に公開 | YouTube公開ページ |
| 2026年7月18日確認 | 県公式ページに、動画と議事録の該当箇所を削除したとの説明が掲載 | 兵庫県公式ページ |
兵庫県の会見ページ上部には、現在も「更新日:2026年6月3日」と表示されています。
一方、現在リンクされているYouTube動画の公開日は6月8日です。
この表示だけでは、公式ページに削除理由がいつ追記されたのか、動画リンクがいつ差し替えられたのかまでは分かりません。
ページの更新履歴があれば、6月3日から6月8日までの間に何が変わったのかを確認しやすくなります。
元動画が確認したこと
元動画では、兵庫県の公式YouTubeチャンネルを確認したところ、6月3日の会見動画が一覧から見つからず、それ以前の動画に視聴者から質問が書き込まれている状況を紹介しました。
紹介されたコメントには、6月3日の動画がどこへ行ったのか、批判的なコメントがあったことと関係するのかを尋ねる内容が含まれていました。
ただし、コメントは視聴者の疑問や推測です。
動画が見られなくなった目的が、批判コメントの削除だったことを証明するものではありません。
元動画から確認できるのは、6月5日の時点で会見動画へアクセスできない状況があり、その理由が視聴者に十分伝わっていなかったという点までです。
兵庫県が公式ページに示した説明
現在の兵庫県公式ページには、発言内容に「不適切な表現」が含まれていたため、動画と議事録の該当箇所を削除したという注意書きがあります。
この説明から、少なくとも次の点が確認できます。
- 技術的な不具合だけが理由ではなかった
- 問題とされたのは会見中の発言内容だった
- 動画だけでなく文字による議事録も編集対象になった
- 編集後の動画と議事録を公式記録として公開している
動画が一時的に見られなかったことについて、県がまったく説明していない状態ではありません。
不適切な表現を含む部分を削除したと明記したことは、編集の存在を隠さず示したという点では重要です。
一方、「該当箇所」という表現だけでは、どこをどれだけ編集したのかは分かりません。
現在公開中の公式動画
兵庫県の公式ページは現在、YouTubeの「ひょうごチャンネル」にある次の動画へリンクしています。
YouTube上の公開日は2026年6月8日、再生時間は1時間23分45秒です。
会見開催日から5日後、元動画の公開から3日後に、現在の動画が公開されたことになります。
ここで慎重に区別すべきなのは、現在の動画が公開されていることと、最初の動画がどのように扱われたかは別の問題だということです。
公開ページと現在の動画だけでは、最初の動画が削除されたのか、非公開設定にされたのか、編集作業中だけ一時的に取り下げられたのかを確定できません。
正確には、次のように表現する必要があります。
6月5日時点で元動画が公式会見動画を確認できない状況を報告し、その後、兵庫県は一部を削除した動画と議事録を公開した。
動画と議事録を同時に編集した意味
今回の対応では、映像だけでなく議事録からも該当箇所が削除されました。
動画に不適切な発言が残れば、その部分だけが切り抜かれ、本人や関係者への中傷が繰り返される可能性があります。プライバシーや人格権への配慮から、一般公開版を編集する判断には一定の合理性があります。
しかし、映像と文字の両方から発言が消えると、県民は何が問題だったのかを公開資料から確認できなくなります。
ここでは、次の二つを両立させる必要があります。
- 不適切な発言による二次被害を防ぐこと
- 公的な会見で何が起き、行政がどう対応したかを記録すること
一般公開用の動画を編集することと、編集前の原版を行政内部で保存することは両立できます。
議事録についても、発言そのものを再掲できない事情があるなら、「この時間帯に不適切発言があり、公開版では削除した」など、編集位置と判断理由を残す方法があります。
「不適切な表現」は誰の何を指すのか
公式ページの注意書きは、誰の発言だったのかを明記していません。
会見では知事だけでなく、記者も発言します。したがって、注意書きだけを読んで、知事の発言が削除された、または特定の記者の発言が削除されたと決めつけることはできません。
元動画や当時の報道、SNS上の投稿から推測することはできますが、推測と県が公式に説明した事実は分ける必要があります。
県が公開できる範囲で、発言者の区分、削除した時間帯、削除理由の類型を示せば、不要な憶測を減らせます。
「批判コメントから逃げた」とは断定できない
元動画のタイトルには「批判コメントから逃げる行政の姿勢」という評価が含まれています。
動画が見られなくなれば、そこに付いていたコメントも通常の視聴画面から確認できなくなります。そのため、視聴者がコメントごと消されたと受け止めたことには理由があります。
しかし、現在確認できる公式説明は、会見中の不適切な表現への対応です。
批判コメントを消すことが目的だったと示す資料は、今回確認した公開情報にはありません。
私は、ここを断定するよりも、次の事実を問題として扱うべきだと考えます。
- 動画が見られない期間に、県から分かりやすい案内があったのか
- 元の動画についたコメントはどう扱われたのか
- 編集版を公開するまでの経緯が記録されているか
- 編集前の原版が保存されているか
目的を推測するより、行政が説明できる記録を残しているかを確認する方が、検証可能性は高くなります。
公開記録として確認したい5項目
1|最初の動画の公開履歴
最初に公開された動画のURL、公開日時、非公開または削除した日時を明らかにできるか。
2|削除範囲
動画の何分何秒から何分何秒までを削除したのか。議事録ではどの質疑に当たるのか。
3|判断基準と決裁者
どの部署が不適切と判断し、誰が公開版の編集を決めたのか。会見動画に共通する編集基準があるのか。
4|編集前原版の保存
編集前の映像、音声、議事録を行政文書または業務記録として保存しているか。保存期間はどうなっているか。
5|ページの更新履歴
注意書きと新しい動画リンクをいつ追加したのか。公式ページ上の更新日が会見当日のままでよいのか。
この5項目が分かれば、不適切発言への配慮と行政記録の透明性を分けて評価できます。
行政に必要なのは無編集公開だけではない
すべての映像を無条件で公開し続ければよい、という単純な話ではありません。
会見中に個人情報、差別的表現、名誉を傷つける発言などが含まれた場合、一般公開版を編集する必要が生じることがあります。
重要なのは、編集した事実と理由を明示し、原版を適切に保存し、必要な検証ができる状態にすることです。
今回、兵庫県は動画と議事録を編集したこと自体は公式ページに明記しました。
次に必要なのは、どのようなルールで編集し、原版と変更履歴をどう管理したのかという説明です。
問題のある発言を拡散しないことと、行政にとって都合の悪い出来事まで記録から消さないこと。その境界を明確にする必要があります。
よくある質問
6月3日の会見動画は現在見られる?
見られます。兵庫県公式ページから、ひょうごチャンネルにある1時間23分45秒の動画へ移動できます。YouTube上の公開日は6月8日です。
兵庫県は動画を削除したと認めている?
公式ページは、不適切な表現が含まれていたため、動画と議事録の該当箇所を削除したと説明しています。ただし、最初の動画そのものを削除したのか、一時的に非公開にしたのかは明記していません。
何が削除された?
公式ページには具体的な発言内容、発言者、時間帯が記載されていません。公開資料だけで削除範囲を特定することはできません。
批判コメントを消すためだった?
断定できません。元動画ではその可能性への疑問が示されましたが、現在確認できる県の説明は、会見中の不適切な表現への対応です。
編集前の動画は保存されている?
今回確認した公式ページには記載がありません。行政内部での保存状況と保存期間は、今後確認すべき項目です。
まとめ|削除の事実だけでなく変更履歴を残す
2026年6月3日の斎藤知事定例記者会見について、元動画は6月5日時点で公式動画を確認できない状況を取り上げました。
その後、兵庫県は公式ページで、発言内容に不適切な表現が含まれていたため、動画と議事録の該当箇所を削除したと説明しました。現在は6月8日公開の会見動画を見ることができます。
ここから確認できるのは、次の点です。
- 動画が見られない状況の後、会見内容を編集した動画と議事録が公開された
- 県は動画と議事録の両方を編集した
- 編集版の動画は現在公開されている
- 削除された具体的な範囲や判断過程は公開資料から分からない
不適切な表現による二次被害を防ぐ対応は必要です。
同時に、行政が公式会見の記録を編集する場合、変更した場所、理由、判断者、原版の保存状況を残すことも必要です。
「消したことが問題だ」と結論を急ぐのではなく、何を守るために、どのルールで編集し、後から検証できる記録を残したのかを見る。今回の更新で問われているのは、その説明です。
映像と音声での解説はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=baNC1v6Z-AU
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出典・確認資料
- 対象YouTube動画「【兵庫県知事問題】会見動画が突然の削除・非公開に?批判コメントから逃げる行政の姿勢と、再び動き出した『特定の言説』を巡る違和感」
- 兵庫県「知事記者会見(2026年6月3日(水曜日))」
- ひょうごチャンネル「2026年6月3日(水曜日)知事定例記者会見」


