資料確認日:2026年10月25日/対象:2025年11月4日の兵庫県知事会見
2025年10月29日の知事会見中止をめぐり、記者クラブが総会で承諾したという説明を、幹事社が会見の場で訂正しました。総会は開かれておらず、クラブとして積極的に追認した事実もないという説明です。
斎藤元彦知事は総会との報告を受けていたと釈明しました。その一方で、記者クラブと話し合って中止を決めたという説明は維持しています。県から話を聞いたことと、クラブとして中止を承諾したこと。その違いが、このやり取りの争点です。
中止の理由として、知事が挙げた音楽会と安全面
11月4日の会見で、関西テレビの記者は、前回の定例会見が中止されて囲み取材になった理由を質問しました。知事が説明した安全面の不安とは、県庁周辺の抗議活動なのか、それに対する抗議や小競り合いなのか、別の危険なのかを尋ねたものです。
知事は、近隣の小学校で音楽会があるため、日時をずらしてほしいという申し入れがあり、対応を検討して中止したと説明しました。その際、10月24日に記者クラブとの話し合いがあり、29日の会見を中止することになったとして、クラブ側も理解しているとの認識を示しました。
子どもの安全や学校行事への配慮を説明することと、記者クラブがどのような手続きで中止を了承したのかを説明することは、別の問いです。幹事社が訂正したのは、後者の経緯でした。
幹事社は、総会の開催とクラブとしての追認を否定した
幹事社(記者クラブの取りまとめ役)は、知事のその場の説明と、先の囲み取材での説明に事実誤認があるとして発言しました。知事がクラブ総会を開いて会見中止を承諾したという趣旨を述べていたと指摘したうえで、総会の開催を否定しています。
ただし、幹事社は、県から連絡があったことまで否定したわけではありません。県の広報広聴課から話があり、その場にいた社が聞いたことは認めています。そのうえで、クラブとして積極的に中止を追認した事実はないと説明しました。
| 確認する点 | 幹事社の説明 |
|---|---|
| 県から記者側への連絡 | 広報広聴課から話があり、その場にいた社が聞いた |
| 記者クラブ総会の開催 | 開いていない |
| クラブとしての積極的な追認 | その事実はない |
このため、県と記者側の接触そのものがなかった、とまで広げるのは正確ではありません。問題は、連絡を受けて話を聞いたという経緯が、クラブの総会による承諾という説明になったことです。
知事は報告の内容を挙げ、話し合いで決めた点は譲らなかった
訂正を受けた知事は、総会という報告を受けていました
と述べました。自分が総会という言葉を使った理由を、受けた報告の内容で説明した形です。
その後も知事は記者クラブとの話し合いで29日の会見中止を決めたという認識を示しました。音楽会や子どもの安全に配慮して対応する点は双方に共通していた、とも説明しています。
関西テレビの記者は報告を受けたという説明も、記者クラブと話して決めたという説明も、責任を他へ向けているのではないかと批判しました。知事は記者の個人的な見解として受け止めるとしつつ、総会ではなかったとの指摘を受けたことに触れ、話し合いで決定したという点は事実だと重ねました。
ここには、訂正を受け入れた部分と、なお説明が食い違う部分があります。総会が開かれたという前提は崩れました。一方で、県からの連絡を記者クラブとの合意と評価できるのかについては、知事と幹事社の説明がそろっていません。
「話を聞いた」から「承諾した」へ、何が変わったのか
県の申し入れを聞いた社がいたとしても、それだけで、クラブ全体が中止を了承したことにはなりません。誰が参加し、何を提案し、どのような回答をしたのか。そこを示さなければ、県からの連絡と、双方での決定の違いは埋まりません。
この違いは小さくありません。県が中止を判断したという説明と、取材する側も承諾したという説明では、中止の責任をどこに置くかが変わります。記者クラブの了承を説明の根拠に使うなら、その了承がどのように確認されたのかを示す必要があります。
知事が誤った報告を受けていたのであれば、まずは、どのような報告が上がり、実際のやり取りとどこが違っていたのかを明らかにしてほしいところです。総会という言葉の問題だけで終えず、承諾があったという説明の根拠まで確かめる必要があります。
残るのは、合意の根拠と報告経路への説明
11月4日の公式会見録からは、幹事社による訂正と、それに対する知事の釈明を確認できます。しかし、誰が知事へ総会と報告したのか、何をもってクラブの承諾と受け止めたのかは、このやり取りでは具体的に示されていません。
幹事社が否定したのは何か。知事がなお事実だと述べたのは何か。その両方を読むと、単に会見を開くかどうかの問題にとどまらず、県が判断の経緯をどう説明したのかが問われていると分かります。
総会はなかった、と指摘された後に必要なのは、県と記者側のやり取りを具体的に示すことです。報告が違っていたのなら報告のどこが違い、合意があったというのなら誰とのどの合意なのか。そこへの回答がなければ、中止をめぐる説明の食い違いは残ったままです。
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT。AIは会見録の照合・構成・文章化を補助しています。

