片山安孝氏の選挙公報を見て、まず思ったのは「え、これだけですか」でした。元兵庫県副知事という経歴と、県議になって何をするのかという説明は別です。「即戦力」と言われても、その経験を高砂でどう使うのかが見えてきません。
2026年10月20日の動画では、片山氏と、しまづはるか氏(島津明香氏)の選挙公報、街頭活動、SNS発信を見比べました。投票日は10月25日。この記事は討論会前に収録した動画の批評を、文章として読み直せるようにしたものです。
「端的」と説明不足は同じではありません
片山氏の公報では、元兵庫県副知事、行政経験、即戦力、無所属といったアピールが大きく示されています。写真や見出しは目に入るのですが、読んだ後に「それで、県議として何をどう変えるのか」が残りにくい。ポスターで見た言葉を、公報でも繰り返しているように感じました。
動画で紹介した本人の説明は、三つのアピールポイントと、三つの県政の施策展開の方向性を端的に示した、というものでした。短くまとめること自体には意味があります。ただ、その短さで政策の内容まで読者に届いているのか。私が引っかかったのはそこです。
「雇用と賑わい」と書くなら、どんな雇用を増やし、県の権限や予算をどう使い、市とどう連携するのか。経験が豊富だというなら、その経験から出てくる具体的な説明を読みたい。肩書きを大きく書くほど、中身の薄さが目立ってしまう公報だと思いました。
両候補の原稿は、兵庫県選挙管理委員会の選挙公報で確認できます。
しまづ氏は「何をするか」を四つの分野で示す
一方、しまづ氏の公報は、子ども・若者、医療・福祉・移動、防災と安全、産業と地域という四つの分野で、高砂の将来について説明しています。少なくとも、県議として取り組もうとしている対象が読み取れます。
市議会議員としての活動や、副議長、議会運営委員会委員長などの経験にも触れています。「考える」「調べる」「声を聞く」という姿勢と、具体的な活動分野を一緒に示している。ここは片山氏の公報と大きく違うと感じました。
しまづ氏の公式プロフィールには、2014年に26歳で高砂市議に初当選した経歴や、関西学院大学、一橋大学大学院での学歴が掲載されています。私が評価したいのは大学名の優劣ではなく、地域で積み重ねてきた活動と、今回の提案がつながって見えることです。
公報にInstagramや選挙情報へ進めるQRコードを置き、詳しく知りたい人の行き先も作っている。限られた紙面ですべてを説明できなくても、続きを読めるようにする準備はできるはずです。片山氏の「端的」という説明を聞くと、なおさら、この準備の差が気になります。
街頭活動とSNSにも準備の差が見える
動画では、イオン前で行われた片山氏の街頭演説について、聴衆が少なかったとするSNS投稿も紹介しました。投稿者は、買い物客や車は多かったのに、演説に足を止める人が少なかったと説明しています。
その場面は寂しく見えました。ただ、一つの写真や投稿から、選挙区全体の支持や得票までは分かりません。動画タイトルで勝敗を強く評した部分も、こうした場面を見た私の感想であり、世論調査による情勢判断ではありません。
しまづ氏の投稿では、議員仲間が高砂まで応援に来たことや、他の地域の取り組みを学び、県政に生かしたいという考えが紹介されていました。私は、このつながりを評価しました。単に大勢で写真を撮ることより、普段の活動を通じて協力する相手がいること、その関係を政策づくりへつなげようとしている点です。
片山氏もInstagramを始め、支援者の犬との写真などを発信していました。親しみを伝える投稿があっても構いません。それでも公報があれだけ簡潔なら、SNSでは政策を詳しく補ってほしい。私には、経歴と短い合言葉のアピールが続いているように見えました。
ReHacQの出演告知も、収録時点では予定の話
片山氏のホームページには、マイク納めの案内やReHacQ討論会への出演告知がありました。収録は10月20日夕方で、告知された同日20時の番組より前です。この時点の私は、両候補が出るのか、一人の出演になるのか、企画自体がどうなるのかを見ていました。
動画では、別の自治体で参加希望者が一人だったため討論会が見送りになった、という当事者の投稿も紹介しています。ただ、その例だけで高砂の企画が中止になるとは言えません。当日の実施内容を確認した話として、動画の予想を書き換えることはしません。
公報に書き切れないことを説明する機会として、番組をどう使うのか。その前に、本人のサイトやSNSで何が説明されているのか。私が見比べていたのは、その発信全体でした。
「即戦力」なら、公益通報への対応も説明してほしい
終盤では、元西播磨県民局長と片山氏のやり取りを紹介する音声と、百条委員会の質疑を取り上げました。これは経歴の紹介だけでは済まない、片山氏の行政経験そのものを問う話です。
2024年9月6日の兵庫県議会文書問題調査特別委員会会議録31ページでは、元県民局長から文書の精査を求められた件について質問されています。片山氏は、人事課による調査の趣旨と理解していたこと、当時は文書が不正な目的に基づくと思っていたことを説明しました。
その上で、告発者を守らなければならないという認識はなかったのかと問われ、「ありませんでした」と答えています。この答弁は重いと思います。内容を調べてほしいという要請を受けながら、保護の認識がなかった。その対応について、今はどう考えているのでしょうか。
私が公報を「スカスカ」と感じたのは、余白の多さだけではありません。行政経験を売りにするなら、その経験の中で起きたことへの説明と、これから県民のためにどう働くのかを示してほしい。しまづ氏の具体的な提案と並べると、片山氏の公報にはその答えが足りないと感じました。
選挙の日程と基本情報は、高砂市の県議補選を扱った関連記事と兵庫県選管の案内もご覧ください。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(構成・出典確認の補助)

