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郡和子・仙台市長の経歴と実績、課題を検証|子育て支援・大型施設・海外出張費

郡和子・仙台市長の経歴と実績、課題を検証|子育て支援・大型施設・海外出張費 地方自治・議会

仙台市の郡和子(こおり・かずこ)市長は、東北放送のアナウンサー、衆議院議員を経て、2017年に市長へ転じた政治家です。2025年に3選を果たし、2026年10月現在、3期目の市政を担っています。

郡市政では、子どもの医療費助成や保育料の負担軽減が進みました。一方、総事業費が増えた本庁舎や音楽ホール、海外出張費の使い方、いじめ被害を訴える遺族への対応など、具体的に検証したい問題もあります。

支援を広げたことは評価できても、その実績があれば別の支出への疑問が消えるわけではありません。市長の説明を聞き、資料を開くと、どこまで確かめられるのか。経歴から個々の施策、費用をめぐる論点まで整理します。確認日は2026年10月30日です。

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郡和子市長の経歴

郡氏は1957年3月31日生まれ、仙台市出身。東北学院大学経済学部を卒業し、1979年4月に東北放送へ入社しました。アナウンサーとして活動した後、2005年4月には報道制作局部長を務めています。[1・3]

2005年9月の衆院選に民主党から立候補して初当選し、その後4期連続で当選。東日本大震災後の2011年9月には、内閣府大臣政務官、東日本大震災復興対策担当大臣政務官・宮城現地対策本部長に就き、2012年2月には復興大臣政務官を兼務しました。[1・4]

時期主な経歴
1979年4月東北放送に入社
2005年9月衆議院議員に初当選。その後4期連続当選
2011〜2012年内閣府・復興関係の大臣政務官などを歴任
2017年8月第35代仙台市長に就任
2021年8月市長2期目に就任
2025年8月市長3期目に就任

放送局、国会、復興行政を経験して市長になったという経歴です。ただ、経歴の長さと市政の成果は別に確かめる必要があります。以下では「事業を始めた」「制度を実施した」「暮らしが改善した」を区別して見ていきます。

3選を支えた政治基盤と選挙結果

2025年8月3日の市長選には4人が立候補し、郡氏は20万4,844票を獲得しました。次点の松本剛氏は8万3,353票。郡氏の得票は有効投票32万2,381票の約63.5%で、投票率は36.83%でした。得票率は市の開票結果から計算しています。[2・5]

選挙時の報道によると、郡氏は無所属ながら、自民・公明・立憲民主の各党側から支援を受けました。2017年の初当選時に野党系として出発した市長が、2025年には幅広い市政与党に支えられる立場になったことが特徴です。[3]

この基盤は予算や政策を進める力になります。同時に、支援した議員であっても、個別事業の必要性や見積もりを厳しく確かめる役割は残ります。選挙で勝ったことを、すべての事業や支出が承認されたことと同じには扱えません。

子育て支援で実施されたこと

医療費助成の高校3年生年代までの拡大

2026年4月1日から、子ども医療費助成の対象が中学3年生までから高校3年生年代、つまり18歳に達した年度の末までに広がりました。併せて利用者の一部負担金も廃止されています。[6]

これは対象家庭の通院・入院の負担を軽くする制度変更です。ただし、助成するのは保険診療の自己負担分。健診、予防接種、文書料などの保険外費用まで一律に無料になる制度ではありません。

第2子以降の保育料の無償化

2026年9月からは、0〜2歳の第2子以降の保育料を市独自に無償化しました。生計を同じくする子どもなどを年齢にかかわらず上から数え、所得や世帯状況によらず対象にする仕組みです。[7]

国の制度による3歳以上などの無償化に、市が対象を上乗せした施策といえます。もっとも、延長保育、日用品、教材・行事費などは対象外。認可外施設等では認定要件や給付上限もあるため、「どの施設でも子育て費用がすべて無料」とはなりません。

小学校給食費の無償化と出産時の9万円

2026年4月から、市立小学校と特別支援学校小学部の給食費は完全無償化されました。国の負担軽減策を踏まえ、交付額で足りない分を市が負担する形です。実施済みの施策ですが、国の支援を含むため、全額を市独自の成果として数えるのは正確ではありません。中学校まで一律に無償化したという意味でもありません。[8]

出産に関しては、市独自の「出産育児支援金」9万円もあります。2025年10月1日以降の出産が対象で、出産日と申請時点の市内住民登録、健康保険の出産育児一時金の対象であることなどが条件です。健康保険の一時金や別の妊婦支援給付金とは区別する必要があります。[9]

施策2026年10月時点の実施内容
子ども医療費2026年4月から高校3年生年代まで拡大。一部負担金を廃止
第2子以降の保育料2026年9月から0〜2歳を市独自に無償化。追加費用等は対象外
学校給食費2026年4月から市立小学校・特別支援学校小学部で完全無償化
出産育児支援金2025年10月以降の対象出産に、子ども1人当たり9万円を上乗せ

これらは家計に届く支援として確認できます。その先の評価では、利用しやすさ、対象から外れる家庭の負担、継続して財源を確保できるかを見たいところです。制度の新設だけで、少子化が解決したとはいえません。

待機児童ゼロと入所保留389人

仙台市の2026年4月1日現在の待機児童は0人で、5年連続のゼロとなりました。保育施設の利用定員は2021年の2万1,536人から2026年の2万2,948人に増え、入所児童も2万1,315人から2万1,746人になっています。受け入れを広げた実績はあります。[10]

一方、2026年の入所保留児童は389人でした。前年の405人から減ってはいますが、入所できていない子どもがいなくなったわけではありません。国の定義では、特定の施設だけを希望する場合など、保留でも待機児童には数えないケースがあります。

さらに、就学前児童数は2021年の4万9,369人から2026年の3万9,897人へ減っています。保育需要を考える際には、この人口変化も外せません。市全体の定員が足りていても、地域や年齢、希望する時間帯が合わなければ家庭の困難は残ります。「ゼロ」という見出しの次に、誰がどんな理由で入れないのかを確かめる必要があります。

都心再構築とスタートアップ支援

郡市政が進めてきた経済政策の一つが、2019年に始まった「せんだい都心再構築プロジェクト」です。老朽ビルの建て替えや高機能オフィスの整備を促し、企業の進出や都市機能の更新につなげる狙いがあります。2026年5月には、これを発展させた「せんだい都心再構築2036」を打ち出しました。[11]

また、2025年6月には、仙台市だけでなく東北の自治体、大学、企業等が参加する枠組みが、国の第2期スタートアップ・エコシステムのグローバル拠点都市に選ばれています。起業家と大学、企業、支援機関等が連携し、新しい企業の成長を支える取り組みです。同年8月には海外展開を支援する仙台グローバルスタートアップ・ハブが開設されました。[12]

ただし、拠点を開き、支援制度を用意したことと、雇用や賃金、市税収入がどれだけ増えたかは別の実績です。民間企業、大学、国などが関わる成果を、市長一人が生み出したものとするのも無理があります。

都心の建て替えで魅力を高める一方、既存の商店や周辺地域にどの程度利益が届くのか。企業誘致なら、進出件数に加え、地元で続く雇用や取引まで見て評価したい政策です。

大型施設の費用と将来負担

本庁舎の総事業費は602億円

本庁舎の建て替えは工事が進んでいます。市は、現庁舎の老朽化、耐震安全性、災害時の拠点機能を理由に必要性を説明しています。2026年3月公表の資料による総事業費は、2026年度予算時点で602億円です。古い記事にある585億円は2025年度予算時点の金額でした。[13]

市の資料では、基本設計時の2022年3月が472億円、2024年3月が514億円、その後553億円、585億円、602億円と推移しています。現在の内訳は設計・建設費515億円、付帯・備品等とその他費用87億円です。

市は、物価上昇や建設業の週休2日への対応、契約後の価格変動への対応などを増額理由に挙げています。必要な建て替えだったとしても、増額分の説明は必要です。削れる仕様はどこか、価格変動をどの段階で見込み、どこまで市が負担するのかが論点になります。

音楽ホール・震災メモリアル複合施設は646億円

音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設では、2026年4月に基本設計等がまとまり、整備事業費646億円が示されました。市政だよりの内訳では、建設工事費582億円、設計・監理費30億円、関連整備費34億円です。[14]

市は、既存施設では対応しにくい大規模公演などに応える音楽ホールと、震災の経験・教訓を伝える拠点の必要性を説明しています。これは整備を進めている段階であり、完成して市民が利用した実績とは区別します。

大型事業公表された事業費数字を読む際の注意
本庁舎整備602億円2026年度予算時点。設計・建設に加え備品、仮庁舎等の費用を含む
音楽ホール等の複合施設646億円2026年4月の基本設計等で公表。建設以外の設計・関連整備も含む

両事業とも、掲げられた事業費だけで将来の負担全体が分かるわけではありません。建設後の維持管理、運営、借入金の利息なども確かめる必要があります。また、音楽ホールの過去の「工事費」と現在の「総事業費」をそのまま比べると、増額の幅を取り違えます。

文化施設の価値を認めることと、この規模・仕様・時期の計画を支持することも別です。想定する利用者、稼働、運営費と市の負担を、計画の前提が変わるたびに示してほしい問題です。

財政の黒字と支出の余裕

2026年8月公表の2025年度普通会計決算速報では、実質収支は29億700万円の黒字でした。普通会計は自治体間の比較のため会計をまとめ直したもので、この黒字だけから市のすべての会計や事業に余裕があるとは判断できません。[15]

同資料の経常収支比率は97.9%で、前年度の98.8%から改善しました。これは、毎年継続して入る税や交付税などの一般財源のうち、毎年かかる支出に使われる割合を示す指標です。予算全体の97.9%が固定されているという意味ではありませんが、新しい施策へ回せる財源の余裕を見る材料になります。

普通会計の市債現在高は7,553億円で前年より21億円減る一方、そのうち通常債は5,159億円で186億円増加。土地開発基金を除く基金現在高は1,037億円で139億円減りました。「市債全体が減った」という一点だけでは、負担の変化を読み切れません。

市が公表した健全化判断比率等は、いずれも早期健全化基準等を下回っています。直ちに財政破綻しているという話ではありません。同時に、市自身も経常収支比率が高水準で、財政運営は厳しい状況にあると説明しています。[15・16]

子育て支援、大型施設、公共交通の維持を同時に進めるなら、何にいくら使い、将来の市民にどの負担を残すのか。黒字か赤字かの二択にせず、支出の優先順位まで説明する必要があります。

海外出張11回、総額6,672万8,690円の論点

総額に含まれるもの

2023〜2025年度に行われた市長の海外出張は11回。市の公表資料にある各回の総額を合計すると、6,672万8,690円になります。この額には随行職員の旅費、通訳、車両、現地事業費などが含まれ、市長一人の航空券や宿泊費ではありません。[17・18]

市は2026年10月23日、過去3年度の経費内訳などをまとめて確認できる形で公開しました。従来も用務や成果を報告していたという市長の説明があり、「それまで出張について何も公表していなかった」と広げるのも適切ではありません。[17・21]

パリ出張2回の具体例

議論になった2025年4月のパリ出張は市長を含む6人で673万8,640円、10月は5人で729万6,722円でした。どちらも5日間の日程で、パリでの宿泊は2泊です。[19・20]

項目2025年4月2025年10月
市長を含む人数6人5人
全体の総額6,738,640円7,296,722円
市長の往復航空費1,045,000円1,182,000円
1人1泊の宿泊費62,000円44,280円

市長の航空費はいずれもビジネスクラスで、空港諸税等は別に計上。随行職員はエコノミークラスでした。表の宿泊単価は朝食付きで、市長も随行職員も同額です。全体の総額には共通経費や現地事業費も含みます。

khbの報道では、宿泊の規定額を上回る支出について、市は安全面などから規定内での手配が難しく、特例を適用したと説明しています。ただし、本記事では当時の特例決裁やホテルの比較見積もりまで確認できていません。旅費制度は後に改正されており、現在の基準を過去の出張へそのまま当てはめることも避ける必要があります。[18]

市長の説明と残る疑問

10月27日の会見で郡市長は、国際会議やイベントの誘致、タイ・香港の航空路線、外国人宿泊者の増加などを成果として説明しました。ビジネスクラスについては、移動中の資料確認、現地到着後の職務、安全面を理由に適切な執行だったとしています。車両・通訳についても、用務の分担や安全確保などの必要性を説明しました。[21]

一方、同会見では、具体的な削減目標や航空クラスの変更方針は示されていません。

何のために行き、現地で何をし、その後どんな結果につながったのか。出張報告に求めたいのは、そこまで分かる説明です。外国人宿泊者全体の増加は市長の説明の材料になりますが、そのすべてを市長の渡航の成果にすることはできません。

内訳を公表したことは前進です。そのうえで、航空券の比較、ホテル選定、通訳や車両の稼働、PR後の送客や取引などを出張ごとに対応づければ、費用の妥当性を検討しやすくなります。国際交流や防災協力には金額だけで測れない価値もありますが、目的と実施内容、達成状況は説明できるはずです。

今回確認した資料から、不正や私的旅行だったとは認定できません。市長が適正と説明したことと、費用に見合う支出だったと独立に確かめられたことも区別します。全11回の一覧と詳細な内訳は、海外出張費を検証した関連記事にまとめています。

公用車の購入とグレード選定

公費の使い方では、新しい市長公用車についても2025年3月の会見で議論になりました。弁護士JPが紹介した伊藤ゆうた市議の指摘では、約851万円の最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」で、マッサージ機能付きとされています。この価格は報道を介した市議の指摘で、契約原本との照合は未了です。[33]

3月18日の公式会見で、市長は、旧車の故障や長距離移動への対応、乗り降りのしやすさなどからアルファードを選んだ経緯を説明しています。今後20年乗り継ぐことを想定し、長く使うためリースではなく購入を選んだと説明しました。[22]

ただ、車種の相談は受けたものの、グレード等の詳しい話は聞いておらず、議員の指摘後に秘書課から説明を受けたとも述べています。移動のための車が必要かという問いと、どの仕様まで公費で用意するかという問いは別です。

市長本人がすべての仕様を指定したと断定する材料はありません。それでも、市長用の車である以上、担当課が何を比較し、どの装備を必要と判断したのかを説明する必要は残ります。更新の必要性だけでは、選んだグレードの妥当性まで答えたことにはなりません。

いじめ対策と遺族への対応

郡市政では、2019年4月に「仙台市いじめの防止等に関する条例」が施行されました。子ども同士のいじめに加え、教職員による暴言や威圧的な指導などの不適切な指導も禁じています。2020年6月には、いじめに関する相談を受ける「S-KET」の相談支援室も開設されました。[23]

制度を整えたことは確認できます。しかし、被害を訴える子どもや保護者が、学校の対応を変えられたか、説明に納得できたかは別に見る必要があります。

2018年11月に泉区で小学2年の女児と母親が亡くなった事案では、遺族側から再調査の要望が出されました。2023年6月27日の会見で郡市長は、調査が法や国のガイドラインに沿って慎重・丁寧に行われたとして、再調査は必要ないとの判断を説明しています。2024年7月16日の会見でも、再要望書に再調査の必要性を認める内容はないとして従来の回答を維持しました。[24]

これは、その時点での市長の判断です。本記事で2026年10月までの全経過を確認したという意味ではありません。また、「再調査しない」と判断したことを、死亡といじめの関係が司法上確定したことのように扱うこともできません。

問いたいのは、遺族が調べてほしいと求めた点に、どの資料と理由で答えたのかということです。条例や相談窓口の整備と、個別の被害申告や調査への異議にどう向き合ったかを、両方見て評価すべき分野です。

メガソーラー規制と住宅の太陽光政策

秋保地区などの大規模な森林伐採を伴う太陽光開発への懸念に対し、市は立地の自粛を求める方針や条例の見直しを進めました。改正した太陽光発電事業の条例は2026年10月1日に施行されています。[25]

出力20kW以上の地上設置型施設などを対象に許可制とし、森林地域や水道水源保全地域なども設置規制区域に加えました。市内の約7割が規制区域となり、その区域内の設置は原則禁止です。建物の屋根・屋上等に設ける施設は、この条例の対象から除かれます。

「市がメガソーラーを推進している」という一言だけでは、この規制強化を説明できません。ただし、条例を改正したことと、秋保の個別計画の正式な撤回が確認されたことも別です。

一方、市は建物の屋根を使う太陽光発電を進めています。大手住宅事業者等や大規模建築主を対象に、太陽光発電や高断熱化への取り組みを求める新制度は2027年4月施行予定です。2026年10月現在、こちらは実施前の制度です。[26]

森林を切り開く開発への規制と、建物の屋根を使う制度は、対象も仕組みも異なります。市民全員に直接パネル設置を義務付けたと説明するのも正確ではありません。環境政策の評価では、規制の実効性とともに、住宅価格、維持・廃棄の費用、設置しない選択がどこまで確保されるかを確かめる必要があります。

病院再編と公共交通

病院の再編は県や運営主体との調整が課題

宮城県が進める病院再編は、仙台市民にとっても受診や救急医療に直結する問題です。市長だけで移転や統合を決める事業ではなく、県や病院の運営主体との調整を分けて見る必要があります。

再編案は、当初の4病院を組み替える構想のままではありません。県立精神医療センターは名取市内での建て替え方針となり、東北労災病院の富谷市への移転協議は2025年5月に終了しました。これをすべて郡市長だけの判断や交渉成果とすることはできません。[34]

仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合新病院は名取市に整備する計画で、2026年10月21日、開院目標を2030年度中から2032年度中へ見直すと発表されました。27日の会見で郡市長は、建設業の人手不足や資材調達難の影響と受け止め、日赤病院の跡地利用では残る課題への対応を県に急ぐよう求めると説明しています。[27・34]

一方、跡地利用の協議がどこまで進んだかという質問には、詳しく聞いていないため担当へ確認してほしいと回答しました。市が2026年1月の県との協議で求めたのは、日赤の移転後も空白期間なく地域医療を確保することなどです。市長の会見と担当部局の協議資料を併せて読む必要があります。[27・35]

市として意見を述べるだけでなく、移転・統合の前後で、誰がどこで診療を受け、移動や救急搬送がどう変わるのかを示せるかが課題です。すでに再編が完了したかのようには扱えません。

市営バスは全44路線が営業赤字

交通局が2026年10月に公表した2025年度の市営バス路線別収支では、全44路線が営業赤字でした。営業係数は168で、営業収益100に対して営業費用168がかかった計算です。前年度の164から悪化しています。[28]

2026年10月1日には運賃改定が実施され、初乗り運賃は160円から190円、都心の定額運賃は120円から150円になりました。市民の移動にかかる負担が増えた施策です。[29]

赤字だけを理由に路線をなくせば、車を使えない人の通学、通院、買い物に影響します。しかし、維持費用を示さずに現状維持を唱えるだけでも解決しません。運転士の確保、利用しやすい路線、地下鉄との接続、市費負担、運賃をどう組み合わせるかが、市長と交通局に問われます。

多様性を支える制度と人口減少

市は2024年12月10日、パートナーシップ宣誓制度を始めました。一方または双方が性的マイノリティである2人が宣誓し、市が受領証等を交付する制度です。安心して暮らすための施策ですが、法律上の婚姻と同じ効果を生むものではありません。[30]

そして、市政全体を考える前提となるのが人口です。2025年国勢調査の確定人口は109万6,146人で、2020年の109万6,704人から558人減りました。2026年9月に公表された確定値で、先に出た人口速報とは数字が異なります。[31]

市の少子化に関する資料では、出生数は2016年の8,904人から2025年の6,209人へ減少しています。郡氏の就任前後にまたがる変化であり、市長一人を原因とすることはできません。それでも、子育て支援の実施件数と、子どもの数、若者の定着、家庭の暮らしやすさを分けて検証すべき状況です。[32]

行政事務のミスで生じた追加負担

行政の基本的な仕事を正しく進めることも、市政の評価から外せません。2022年夏の職員への賞与支払いをめぐっては、源泉所得税の納付が遅れ、延滞税と不納付加算税の約5,000万円を追加で支払う義務が生じました。khbは、一般財源から支出する補正予算案と、市長・副市長2人の給与を3か月間50%減らす条例案が議会に提出されたと報じています。[36]

同報道では、郡市長は不適切な事務処理が相次いでいることを謝罪しました。市長自身が納付作業をしたという話ではありませんが、組織としてミスを防ぎ、発見・是正する責任は残ります。給与の減額と、市民が負担することになった追加税額の回復も同じではありません。

この件について本記事で確認したのは、発生時の報道と提出された対応案までです。その後の処分、回収、再発防止策の効果を確認し終えたとはしていません。

郡市政を評価するために残る具体的な問い

実績を挙げるなら、利用した人の負担や生活がどう変わったかまで示してほしい。公費を使うなら、なぜその人数、その仕様、その金額だったのかを説明してほしい。そして、疑問を訴えた人に対しては、何を確かめ、何に答えたのかを具体的に示してほしいと思います。

3期目の郡市政を見る際には、「何を始めたか」に加え、「誰に届き、どんな結果が出たか」「計画と費用が変わった際に、説明し直したか」を、個別の資料と結果で追っていく必要があります。

出典・確認資料

[1]仙台市「市長プロフィール」。生年月日、学歴、職歴、政務官・市長の就任歴。

[2]仙台市選挙管理委員会「2025年8月3日執行・市長選開票結果」。

[3]仙台放送/FNN、2025年8月7日・市長選の検証。アナウンサー歴、選挙時の支援、政策争点。

[4]共同通信/熊本日日新聞、2025年6月13日・3選出馬表明。民主党からの初当選と国会議員からの転身。

[5]仙台市、2025年8月4日・3期目の市長就任にあたって。投票率、市政の方針。

[6]仙台市・2026年4月子ども医療費助成の改正、現行制度案内。

[7]仙台市・第2子以降の保育料無償化。

[8]仙台市・学校給食費の負担軽減と改定。

[9]仙台市「出産育児支援金」。

[10]仙台市、2026年5月8日・4月1日現在の利用待機児童数。定員、入所保留、就学前児童数の比較を含む。

[11]仙台市・2019年都心再構築の発表、せんだい都心再構築2036。

[12]仙台市・第2期グローバル拠点都市選定、グローバルスタートアップ・ハブと海外展開支援。

[13]仙台市、2026年3月・本庁舎整備事業費の推移、工事等の検討・進捗状況。

[14]仙台市、2026年4月14日・音楽ホール等の基本設計発表、同日の質疑、市政だより2026年5月号。

[15]仙台市、2026年8月25日・決算等の議案資料。添付の2025年度普通会計決算速報による。

[16]仙台市・2025年度健全化判断比率等。

[17]仙台市「市長海外出張」。2026年10月23日更新、各回の経費資料への入口。

[18]政経プラス・海外出張11回の資料別検証。全11回の公式PDF、合計、宿泊特例の報道、旅費制度改正の資料を掲載。

[19]仙台市・2025年4月パリ出張経費。

[20]仙台市・2025年10月パリ出張経費。

[21]仙台市、2026年10月27日会見・海外出張Q8〜Q14。

[22]仙台市、2025年3月18日会見・公用車Q7〜Q13。

[23]仙台市・いじめ防止等条例、2020年度いじめ防止対策検証会議議事録。

[24]仙台市、2023年6月27日会見、2024年7月16日会見。2018年事案の再調査判断。

[25]仙台市・太陽光発電事業の条例と2026年10月改正、森林伐採を伴う事業への市の対応。

[26]仙台市・新築建築物への太陽光発電導入等促進制度、制度Q&A。

[27]仙台市、2026年10月27日会見・統合新病院の開院時期見直し。

[28]仙台市交通局・2025年度市バス路線別営業収支。2026年10月公表。

[29]仙台市交通局・2026年10月の運賃改定。

[30]仙台市・パートナーシップ宣誓制度。

[31]仙台市・2025年国勢調査結果。2026年9月29日公表の確定人口。

[32]仙台市・少子化の現状。

[33]弁護士JP、2025年4月5日・公用車を批判した市議の投稿紹介。購入額・仕様は市議の指摘として記載。

[34]宮城県・仙台医療圏病院再編の経緯、現行の病院再編案。2026年10月の開院時期見直しを含む。

[35]仙台市・県市協議第7回の概要、2026年1月14日。

[36]khb・源泉所得税の納付ミスによる約5,000万円の追加税負担。発生経緯と議会に提出された対応案を報道。

※確認日は2026年10月30日。市の公表値、当事者の説明、報道、本記事の評価を区別しています。出張の比較見積もり・特例決裁、個々の施策による効果の独立測定、いじめ事案の最新の全経過は確認できていません。

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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