2026年9月28日の福岡県議会。RKB毎日放送によると、自民党県議団の秋田章二県議は、ワンヘルス施策を検証する行政改革審議会について、専門家がいないことを問い、「ワンヘルスの理念は絶対間違っていない」と述べた。
問題は「理念を支持するか」ではない。県民の税金で行う一つひとつの事業に、必要性、費用、成果の説明がつくかだ。
関連動画:秋田章二福岡県議「ワンヘルスの理念は絶対間違っていない」
秋田県議が実際に言ったこと
RKBの報道では、県の担当課長は、行政改革審議会にワンヘルス関連の有識者はいないと答えた。秋田氏は、費用だけを理由に事業が縮小・中止されることを懸念し、理念への強い支持を示した。専門家がいなければ良い事業まで中止されかねない、という趣旨の発言も報じられている。
ここは正確に扱いたい。秋田氏が「すべての個別事業は絶対に正しい」と発言したわけではない。専門知識を審査に取り入れるべきだという問題提起にも、検討する価値がある。28日の委員会の公式会議録は執筆時点では確認できず、発言はRKBの報道に基づく。
その上で、あえて厳しく問う。なぜ、真っ先に掲げる言葉が「絶対」なのか。県政が今必要としているのは、政策を守る宣言ではなく、政策を疑い、費用を確かめ、必要なら改める作業だ。
県自身が認めた「看板」の広さ
県の行政改革審議会向け説明によると、2025年度に行動計画に基づき実施した取組は277件。そのうち「人の命と健康を守る」に直接関係するものは40件、約14%だった。残る237件は、それぞれ本来の目的を持ちながらワンヘルスにも寄与する取組と整理された。
237件が無駄だという意味ではない。むしろ、農業、森林、施設更新など、それぞれの目的に戻して必要性を示すべきだ。県は2024年度までは明確な基準がないまま幅広い事業を関連予算に含め、過大との批判を受けたことも認めている。
県の「改革の地図」は、経費の妥当性が問われ、施策のあり方が不明確だったと明記する。8月に未着手事業などを凍結し、審議会に必要性と妥当性の検証を諮問した。これは理念を否定する手続きではない。県が自ら始めた、公金への説明責任である。
専門家の不在を指摘するなら、審査方法を提案してほしい
感染症、薬剤耐性、獣医療、環境の専門知識が要る事業はある。秋田氏が委員の専門性を問うのは理解できる。ただし、専門家が常任委員にいないという事実だけで、審議会が金額しか見ずに良い事業を潰すと結論づけることはできない。
県は8月21日の知事会見で、必要な専門知識を審議に取り入れる方法にも言及している。28日時点で追加の専門家が実際に参加したかは確認できていない。秋田氏が本当に審査の質を心配するなら、必要な分野の専門家、選任基準、利益相反の扱い、審査資料の公開を具体的に求めるべきだ。
専門家の知見と、財政・行政運営の視点は両方要る。政策の推進に関わってきた人だけで「良い事業」を決めるなら、独立した検証の意味が薄れる。
推進してきた議員こそ、数字で答えるべきだ
秋田氏は、2021年の県議会議長就任時の文章でワンヘルスセンター整備などへの取組を表明した。過去には関連特別委員会の委員長を務め、現在も同委員会に所属する。政策の経緯を知る議員として、発言の重みは小さくない。
求めたい答えは四つある。どの事業を残すのか。ほかの施策と比べ、なぜその予算が必要か。何を成果として測り、達しなかった事業をどう見直すのか。審査に加える専門家の独立性をどう守るのか。
約200億円規模とされるワンヘルスセンターには、老朽化した保健環境研究所などの移転・建て替え費も含まれる。全額を新しい啓発事業の浪費と呼ぶのは正しくない。だからこそ、内訳と代替案を事業ごとに比べる必要がある。
理念の正しさをいくら強く唱えても、一件の支出の妥当性は証明できない。元議長であり、ワンヘルス政策を推進してきた秋田氏には、「絶対」という言葉を繰り返すより、県民が検証できる資料と判断基準を示してほしい。
確認資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ChatGPT(構成・出典確認を補助)


