国会の参考人は、審査や調査に必要な意見を聴くために呼ばれます。証人喚問には、法律に基づく出頭・証言などの義務と宣誓があり、宣誓した証人が虚偽の陳述をすれば罰則の対象になります。
ただし、証人なら、どんな質問にも必ず答えなければならないわけではありません。法律が認める拒否事由があります。また、参考人でも証人でも、呼ばれたこと自体が犯罪の成立や有罪を示すものではありません。
ここで扱うのは国会の制度です。警察や検察による参考人聴取、裁判所で行う証人尋問とは、手続も根拠も異なります。
資料確認日:2026年10月5日
まず、出席・宣誓・罰則を比べる
参考人招致と証人喚問は、どちらも国会が話を聴く仕組みですが、応じなかった場合や虚偽の説明をした場合の扱いに違いがあります。
| 比較する点 | 参考人/証人 |
|---|---|
| 出席 | 参考人は任意。証人は法律上の例外を除き応じる義務 |
| 宣誓 | 参考人には証人と同じ宣誓はない。証人は法律上の例外を除き宣誓 |
| 虚偽の陳述 | 参考人に議院証言法の偽証の罰則は適用されない。宣誓した証人には適用される |
| 応じない場合 | 証人の正当な理由のない不出頭・証言拒否などには罰則がある |
証人の義務や罰則は、通称「議院証言法」で定められています。正式名称は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律です。第1条が応じる義務、第2・3条が宣誓、第6・7条が虚偽の陳述や不出頭などの罰則を定めています。
参考人にこの偽証の罰則がないことを、「うそをついてよい」と言い換えるのは違います。説明が資料と食い違えば、その内容を検証できますし、説明責任がなくなるわけでもありません。
逆に、宣誓した発言だから、すべて事実と確定するわけでもありません。発言の根拠となる文書や、ほかの証言との整合は別に確かめます。
「呼ぶべきだ」という発言と、正式な決定は別
ニュースでは「証人喚問を要求」「参考人招致で合意」「出席を要請」など、似た言葉が続きます。ここでは、話がどこまで進んだのかを分けて読むと混乱しません。
議員や政党が呼ぶよう求めた段階と、議院・委員会が正式に出頭を求める段階は別です。要求する発言があっただけで、相手に証人としての出頭義務が生じたとは判断できません。
衆議院の委員会については、衆議院規則第53条が、議長を経由して証人の出頭を求める手続を定めています。参考人については第85条の2に、委員会が意見を聴き、委員長が本人に通知することなどが定められています。
そのため、記事の見出しだけでなく、「誰が」「いつ」「何の案件について」「どの資格で」呼ぶと決めたのかを見ます。候補として名前が挙がっただけなのか、出席日まで決まったのかも確かめたいところです。
参考人は、問題の当事者だけを呼ぶ制度ではありません。法案を審査するため、研究者や現場の専門家などの意見を聴く場合もあります。「国会に呼ばれた」という一事から疑惑の当事者だと受け取らないようにします。
証人でも答えを拒める場合がある
証人喚問で「刑事訴追のおそれがあるので答えられない」と述べる場面があります。法律は、このような拒否を一定の場合に認めています。
議院証言法第4条では、自分や法律で定める親族などが刑事訴追や有罪判決を受けるおそれがあるとき、宣誓・証言・書類提出を拒めます。医師や弁護士など、条文に挙げられた職業の人が業務上知った他人の秘密についても、拒める場合があります。ただし、秘密の本人が承諾した場合は扱いが変わります。
拒むときは、その理由を示す必要があります。公務員の職務上の秘密には、第5条の別の手続もあります。議院証言法第4・5条
会議録を読むときは、質問と「回答を拒否した」という結論だけを抜き出さず、示された理由と委員長の対応まで続けて確認します。
たとえば、質問された事実について答えなかったことと、事実を認めたことは同じではありません。拒否の説明に納得できるかという評価と、拒否が法的に認められるかという問題も分けて考える必要があります。
証言の内容がほかの資料と違う場合も、それだけで直ちに偽証罪が成立すると断言はできません。何を尋ねられ、どう答え、どの資料と食い違うのか。その範囲を示した上で判断を追います。
「政府参考人」は、省庁の説明を担当する
委員会中継では、民間の参考人とは別に、省庁の局長などが「政府参考人」として答える場面があります。
衆議院規則第45条の2・第45条の3では、政府への質疑は国務大臣らに対して行うことを基本に、行政の細かい事項や技術的な事項について必要があるときに、政府参考人の説明を聴くとしています。
たとえば制度の対象人数、事務処理の手順、統計の算出方法などを確認する場面を思い浮かべると、役割をつかみやすくなります。政府参考人という呼称は、証人喚問で宣誓した証人であることを意味しません。
発言を引用するときは、話した人の氏名に加えて、当時の役職と資格を確かめます。「政府参考人の説明」「大臣の答弁」「民間の参考人の意見」をすべて同じ肩書きでまとめると、誰の立場からの発言かが失われます。
会議録では、発言より前の手続も読む
動画の一場面を確かめたいときは、国会会議録検索システムで、日付・衆参の別・委員会名から会議を絞り込みます。日付が分からなければ、人名や特徴的な発言を手がかりに探します。
該当する会議が見つかったら、次の3か所を見ます。
- 冒頭の出席者欄で、参考人・政府参考人・証人のどれかを確認する。
- 委員長の発言から、出席を求めた案件と、宣誓などの手続を読む。
- 質問と回答を一組で読み、答えなかった場合は理由も記録する。
証人喚問の会議録には、宣誓や証言拒否について委員長が説明する場面があります。2018年3月27日の衆議院予算委員会会議録でも、その手続を確認できます。
切り抜き動画だけでは、こうした冒頭の説明が見えない場合があります。肩書きと手続を補ってから発言を読むと、「証人なのに答えなかった」「参考人だから信用できない」といった一括りの判断を避けられます。
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT



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