情報確認日:2026年10月14日
食料自給率37%は、売場の商品数や国産表示の割合ではなく、供給された熱量のうち国内で賄った割合です。令和7年度は生産額ベース66%、摂取熱量ベース45%も公表されています。ものさしと輸入飼料の扱いが違うため、店で国産品をよく見る感覚と37%は両立します。
三つの数字は、同じ割合ではない
農林水産省が2026年8月7日に公表した令和7年度の結果は、次のとおりです。対象は2025年度の食料供給で、2026年の公表日とは区別します。
| 指標 | 令和7年度 | 数えるもの |
|---|---|---|
| カロリーベース | 37% | 供給された食料の熱量 |
| 生産額ベース | 66% | 食料の生産額 |
| 摂取熱量ベース | 45% | 平時に必要な摂取熱量に対する国産供給 |
37%と66%のうち、どちらか一つが誤りということではありません。熱量と金額では、一つの商品が全体に占める重みが変わるためです。野菜、肉、油、小麦などを一つに足すために、何の単位を使っているかを見ます。
カロリーは、野菜の個数を数えていない
店に国産野菜が多く並んでいても、売場の面積をそのまま熱量の割合にはできません。熱量の少ない食品と多い食品では、同じ重量でも計算への影響が異なります。
農水省の算定方法では、令和7年度の一人一日当たり国産供給熱量830kcalを、総供給熱量2,237kcalで割って37%としています。これは個人がその日に食べた食品の国産割合を測った値ではなく、全国の供給の指標です。
家の食卓だけから全国の割合を推定するのも難しくなります。外食や加工食品、油脂なども食料の供給に含まれる一方、普段の買い物では原料や使用量が見えにくいからです。
生産額ベースは、価格の動きでも変わる
令和7年度の生産額ベースは、国内生産額14.5兆円を国内消費仕向額21.8兆円で割って66%です。スーパーの売上額を集計した割合ではなく、農家庭先価格などを使って生産額に換算します。
公表資料は、米や畜産物の国内価格の上昇に伴い国内生産額が増えたことを、前年度から2ポイント上昇した理由に挙げています。この上昇だけから「国産の量が同じ割合で増えた」とは言えません。
食料の量を知りたい場合は、該当品目の生産量や輸入量、重量による品目別自給率まで進みます。金額の指標と数量の指標を並べることで、増えたのが量か価格かを区別できます。
国産の肉でも、輸入飼料が関わる
国内で生産した畜産物にも、海外からの飼料を使うことがあります。総合食料自給率は飼料の自給率を反映し、輸入飼料に依存して生産した分を、全て国産の自給分とは扱いません。
そのため、食品として国内で生産されたことを示す情報と、飼料まで国内で賄った割合を表す情報は違います。「国産品がある」という観察から、供給に海外原料が関わっていないとまでは判断できません。
農水省は、飼料が国産か輸入かを反映しない「食料国産率」も示しています。これは国内の生産活動を見るための別の指標です。自給率との違いは、国内畜産業を無視しているかどうかという二択ではなく、何を評価するために計算しているかにあります。
45%は、37%を言い換えただけか
摂取熱量ベースは、分母が平時の日常生活に必要な1,850kcalです。国産供給熱量830kcalをこれで割るため、45%になります。カロリーベースの分母2,237kcalとは異なります。
45%という数字から、輸入が止まったときに全員の必要量の45%が必ず手元に届くとも断定できません。輸送、在庫、飼料、肥料、燃料、作物の種類など、その時の供給条件が別に関わるからです。公表値は平時の供給を読む指標として使います。
令和7年度の国産供給熱量は同じ830kcalでも、分母を変えると割合が変わります。二つの%を比較するときは、まずこの分母の違いを確認してください。
数字を引用するときに残す情報
記事や議会資料で使うなら、「令和7年度」「カロリーベース」「37%」を一組にします。食料自給率だけを省略して書くと、生産額ベースとの混同が起こります。
また、全国と都道府県の値は、対象年度が同じか確認します。2026年8月の公表では、全国は令和7年度、参考の都道府県別は令和6年度です。全国の37%へ、前年度の県別の値を同年度として並べないようにします。
算定方法を調べる入口は農水省の「食料自給率とは」、元の供給の数量を探す入口は食料需給表です。国産品をよく見るのに数字が低いと感じたら、熱量、金額、飼料の三つを分けて読んでください。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

