本文へ移動

景気動向指数が上がれば景気回復?CI・DI・基調判断の読み方

情報確認日:2026年10月15日

景気動向指数のCIが単月で上がったことと、景気回復が正式に認定されたことは別です。CIは変動の大きさ、DIは改善した指標の広がりを測ります。景気の判断には、単月の数値に加えて移動平均、基調判断、景気の山・谷を示す景気基準日付を確認してください。

広告

▶ 政経プラスチャンネルの最新解説動画

チャンネル登録して、新しい解説を受け取る

CIは動きの大きさ、DIは改善の広がりを見る

内閣府の利用の手引は、CIを景気の動きの大きさやテンポ、DIを各経済部門へ改善が広がった度合いを捉える指標と説明しています。いずれも、複数の統計を合わせて景気を読むためのものです。

CIでは、採用する統計の変化を基準化して合成します。国内の生産額を全部足したGDPとは違い、指数の1ポイントを「経済が1兆円増えた」と読み替えることはできません。

DIでは、各指標の値を3か月前と比べ、上がった・横ばい・下がったという方向を数えます。横ばいは0.5として数え、改善の割合を計算します。逆サイクルの指標は、景気の改善と同じ方向になるように扱います。

同じ数の指標が改善していれば、一つひとつの伸びが小さくても大きくてもDIは同じになり得ます。CIはその伸びの大きさも捉えるため、DIが同じでもCIの上昇幅が違うことがあります。

先行・一致・遅行は、何の時期を捉えるかが違う

景気動向指数には、先行指数、一致指数、遅行指数があります。

系列 主な用途 読むときの注意
先行 景気の動きに先んじる変化を捉える 未来の景気を確定する予言ではない
一致 足元の経済活動を捉える 一つの月には不規則な振れもある
遅行 景気の動きの後に現れる変化を捉える 他の系列と変化の時期がずれる

報道が「指数上昇」とだけ書いているときは、どの系列かを確認します。先行指数が上がったことを、一致指数の基調判断が変わったことと同じ意味で扱わないでください。

2026年8月は、単月が下がっても判断は「改善」

2026年10月7日公表の8月分速報では、CI一致指数は118.7で、前月から1.9ポイント下がりました。それでも基調判断は「改善」を据え置いています。

同じ資料では、3か月後方移動平均は前月から0.13ポイント、7か月後方移動平均は0.10ポイント上昇しています。単月の方向と、数か月の平均的な方向が異なる実例です。これらは2020年=100の速報値で、最新の改訂値と無説明で混ぜないようにします。

8月の低下には、鉱工業用生産財出荷や耐久消費財出荷などがマイナスに寄与したと説明されています。全体の指数だけでなく、何が押し上げ、何が押し下げたかも原表で読めます。

移動平均は、当月を含む過去3か月、過去7か月の値をならすものです。翌月以後の予測を平均した値ではありません。単月の振れを抑え、基調を捉えるために使います。

「改善」と、正式な景気の山・谷は別に決まる

2026年5月12日の基調判断の基準は、3か月・7か月後方移動平均の動きや累積幅などを用います。条件に該当しない場合は前月の判断を引き継ぐため、単月の上げ下げだけで毎回切り替わるものではありません。

「改善」「足踏み」「局面変化」「悪化」「下げ止まり」は、基準に沿った暫定的な判断です。基準資料も、景気拡張・後退についての定義を暫定的なものと明記しています。

正式な景気の転換点である景気基準日付は、一致指数の採用系列から作るヒストリカルDIを基に、景気動向指数研究会の議論を踏まえて設定されます。毎月公表するDIとヒストリカルDIも、同じものではありません。

したがって、今月の「改善」を、景気の谷が何月だったか正式に決まったという説明に置き換えないでください。ニュースが月次判断を述べているのか、景気基準日付の設定を述べているのかが分かれ目です。

原資料では、月・系列・改訂段階を一組で読む

内閣府の統計表一覧から、報道の対象月の概要を開きます。先行・一致・遅行、CIかDIか、速報か改訂値かを確認し、指数の水準と前月差を区別します。

次に、3か月・7か月移動平均と、基調判断の欄を読みます。一致指数が変わった理由を知りたいなら、個別系列の寄与度を調べます。指数に含まれる統計の公表時期が違うため、速報で未反映の系列については注記も必要です。

過去記事と値が違う場合は、長期系列を確認してください。元となる統計の遡及訂正や季節調整によって、過去の値が改訂されることがあります。比較する二つの月は同じ公表時点の系列から取り、古い速報だけを片側へ残さないようにします。

資料の読み方は、内閣府経済社会総合研究所の景気統計部が確認先です。対象月、系列、資料名、ページを伝えると疑問を特定できます。指数の上昇だけで家計の豊かさまで判断するのではなく、生産・雇用のどの動きが合成されたかを読むと、景気のニュースが具体的になります。

参照資料

あわせて読みたい記事

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました