本文へ移動

福岡県議会の百条委設置案、反対・退席したのは誰か|議員名・会派と説明を確認

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(構成・出典確認の補助)

2026年10月19日時点

福岡県議会は10月17日未明、正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑や、海外視察の目的・費用を調べる百条委員会の設置案を賛成多数で可決しました。共同通信、テレQ

その最終採決で、誰が反対し、誰が採決に加わらなかったのでしょうか。

NetIB-Newsは、議場で目視確認した結果として、反対した9人と退席した2人の氏名を報じています。以下は同紙の報道と、県議会の公式名簿を照合した一覧です。「欠席」ではなく、報道どおり「退席(棄権)」と記載します。 NetIB-News、県議会公式名簿

広告

▶ 政経プラスチャンネルの最新解説動画

チャンネル登録して、新しい解説を受け取る

最終の設置案に反対・退席した議員

「理由未確認」は、今回確認した公開資料・報道では、本人または会派による当該判断の理由を確認できなかったという意味です。「本人が説明していない」と断定するものではありません。

表の「自民」は、自由民主党福岡県議団の略です。

表は横にスクロールできます。

議員名 会派 最終採決での対応 確認できた説明・理由
林泰輔 一沐会 反対 理由未確認
新開嵩将 無所属の会 反対 金銭授受疑惑は第三者委員会の調査・報告を優先する立場。詳しくは後述
新開崇司 無所属の会 反対 本人の個別説明は未確認。会派代表の嵩将氏は、金銭授受疑惑を含む設置案には反対する方針を表明
香原勝司 自民 反対 理由未確認
川端耕一 自民 反対 理由未確認
中牟田伸二 自民 反対 設置案への反対理由は未確認。議運委員長として継続審査を裁決した経過は報道あり
松尾統章 自民 反対 反対理由は未確認。可決後には、百条委で結論が出て県民が納得すればよい、との趣旨を発言
原口剣生 自民 反対 理由未確認
井上忠敏 自民 反対 理由未確認
秋田章二 自民 退席(棄権) 退席理由は未確認
松本國寛 自民 退席(棄権) 退席理由は未確認

採決時の対応と中牟田氏の裁決はNetIB-News、会派は県議会公式名簿に基づきます。松尾氏の可決後の発言はANN配信記事で確認できますが、その発言から反対理由までは読み取れません。

県議会の公式採決結果ページにも、10月17日に議員提出第4号議案が原案どおり可決されたことが掲載されています。ただし、同ページでは議員別の賛否を確認できないため、反対・退席した議員の一覧は引き続きNetIB-Newsの目視報道に基づきます。

新開嵩将氏は、付託省略に賛成しながら設置案には反対

新開嵩将氏は10月15日のX投稿で、海外視察が設置案に含まれることを評価する一方、金銭授受疑惑については、第三者委員会の報告書の動向を待たずに百条委を開くことは自分の考えと異なる、と説明しています。本人投稿・10月15日

翌16日午前0時15分の投稿では、継続審査には会派として反対する一方、設置案の可否を問われれば、金銭授受疑惑が含まれるため否決を選ぶと表明しました。本人投稿・10月16日午前0時15分

さらに同日午後4時47分には、吉松源昭県議の付託省略動議には賛成と明記しています。委員会に付託すれば継続審議となる可能性があり、その時点ではっきりさせるべきだ、という理由です。本人投稿・10月16日午後4時47分

嵩将氏の説明は、次のように整理できます。

表は横にスクロールできます。

判断する対象 本人が示した立場 説明した理由
付託省略 賛成 継続審議で長引かせず、賛否を明確にするため
継続審査 反対 その時点で判断すべきと考えるため
今回の設置案 反対 金銭授受疑惑について、第三者委員会の報告を優先するため

これは、手続きへの賛否と、設置案への賛否が一致しない具体例です。

なお、新開崇司氏自身による個別の説明と、代表の嵩将氏による会派方針の説明は分けて扱う必要があります。

今回は、何を採決したのか

「付託省略」は、議案を委員会で審査する手順を省き、本会議で直接採決することです。吉松県議は早期設置を求め、この手順を提案しました。TNC

本会議では、次の三つが別々に判断されました。

表は横にスクロールできます。

本会議での採決 判断した内容 結果
付託省略を求める動議 委員会審査を省いて、直ちに採決するか 否決。議会運営委員会へ付託
継続審査 設置案を引き続き審査する扱いとするか 否決
百条委員会の設置案 この案で百条委を設置するか 賛成多数で可決

この間、議会運営委員会では継続審査への賛否が同数となり、委員長が継続審査と裁決しました。その判断が本会議で覆り、最終の設置案が採決されたのです。共同通信

したがって、付託省略に反対した人を、そのまま「百条委の設置に反対した議員」に数えることはできません。 設置案への反対についても、調査対象や実施時期を含めて理由を確認する必要があります。

慎重論を述べた議員は、何を説明したか

設置案への反対理由と混同しやすい発言を、対象となる議論とともに整理します。

表は横にスクロールできます。

議員名・会派 対象となる議論・対応 確認できた説明の要旨
渡辺勝将・自民 付託省略動議への反対討論 第三者委員会との関係、委員の構成、調査体制を十分審議してから判断する必要がある
新開昌彦・公明党福岡県議団 代表者会議での運営方法への意見 プライバシー侵害、名誉毀損、SNSでの攻撃を懸念し、非公開での運営が望ましいと主張
原田博史・県民の声ふくおか 調査期間・委員選任への質問と、付託省略動議への批判 調査終了の基準や委員の選び方を質問。動議について、提案者が目立つための行動に見えると批判
田中雅臣・県政PLUS県議団 議運で継続審査に賛成 怪文書が出回っていると発言したと報道。賛成理由の全体は未確認
吉岡玲子・県政PLUS県議団 議運で継続審査に賛成 個別の理由は未確認

渡辺氏、新開昌彦氏、原田氏の発言はTNC、田中氏と吉岡氏の対応はNetIB-Newsによります。会派は県議会公式名簿と照合しています。

この表は、発言や対応を確認できた議員の一覧です。付託省略動議への反対者全員や、最終設置案への反対者を示すものではありません。

また、公明党の新開昌彦氏は、新開嵩将氏・新開崇司氏とは別の議員です。

11名のこれまでの経緯と、今回の判断で確認できたこと

2026年10月19日追記

一覧の氏名には政経プラスの既存の人物記事へのリンクを付けました。ここでは、今回の採決までの議会での対応と、その前後に本人が説明した内容を整理します。各人物記事には経歴や過去の議会活動も掲載しています。

8月17日に採決されたのは、蔵内勇夫氏への議長職辞職勧告決議案の「採決を中止する動議」でした。本案そのものは採決されていません。10月17日の百条委設置案、付託省略動議、継続審査とは別の判断です。8月のTNC目視報道、今回の可決を伝える県議会公式発表

今回可決された議案には第三者委員会の独立性・客観性・専門性を尊重し、収集済みの資料を活用しながら、必要に応じて百条委が独自に調査する仕組みが明記されています。15人で構成し、議長・副議長の経験者は委員に選任しないこと、調査経費は500万円以内、期間は2027年2月末までとしています。これらは議案の内容であり、各議員が反対・退席した理由を示すものではありません。可決議案の原文PDF

県議会公式の歴代議長一覧と照合すると、今回の11名のうち議長経験者は6名です。反対と報じられた9名では香原氏(73代)、松尾氏(63代)、原口氏(61代)、井上氏(65代)の4名、退席と報じられた秋田氏(71代)と松本氏(62代)の2名です。議長経験と委員選任の条件は確認できますが、それを反対・退席の動機とする本人説明は確認できません。公式の歴代議長一覧

再検証で確認できたことと、確認が残ること

2026年10月19日に、11名の経緯を公式資料と取材報道に照合しました。最終設置案の反対9名・退席2名は、NetIB-Newsが議場で目視確認した名簿です。県議会の公式採決結果は第4号議案の可決を示していますが、議員別の公式採決表は今回確認できていません。公式採決結果、NetIB-Newsの目視報道

今回、林氏の手紙への双方の説明、原口氏の団体運営についての発言、井上氏らの視察に関する文書回答を補いました。いずれも、最終設置案に反対・退席した理由を直接説明する発言ではありません。10月17日以降の新たな個別理由は、今回取得できた公開資料では確認できませんでした。説明が存在しないと断定するものではありません。

新開嵩将氏の10月15~16日のX投稿3件は、今回も原投稿を開き、本文と投稿日時を再確認しました。付託省略には賛成、継続審査には反対、金銭授受疑惑を含む設置案には反対という区別は、本人の発信と一致しています。10月15日の投稿、10月16日午前0時15分の投稿、同日午後4時47分の投稿

県議会は、政治倫理に関する条例案も10月17日に可決したと公式に案内しています。その案内は、条例の概要等を公布後に改めて知らせるとしています。百条委の設置可決、条例の可決、今後の調査による事実認定は、それぞれ区別して確認する必要があります。政治倫理条例案可決の公式案内

個別の反対・退席理由については10月19日までに確認できた公式資料、本人の発信、取材報道の範囲を記します。会派代表の説明はその議員本人の発言とは区別しています。

林泰輔氏

林氏は8月17日、蔵内勇夫氏に対する議長職辞職勧告決議案の採決中止動議を提出した議員です。TNCは、動議に49人が賛成したと報道しています。このとき止まったのは辞職勧告案の採決であり、10月の百条委設置案とは別の案件です。8月18日のTNC報道

9月23日のテレビ番組で匿名アカウントによる攻撃的な投稿を認め、翌24日の記者団の取材でも認めて謝罪しました。10月1日には、その投稿をめぐる二つの問責決議が可決されています。県議会公式サイトでも、関係者への説明・謝罪と県民への説明責任を求めた決議本文を確認できます。9月24日の本人発言、問責決議の公式本文1、公式本文2

同日の本人説明では自民党県議団から離団し、新会派「一沐会」の設立届を提出したと表明しました。第三者委員会等の調査に全面的に協力し、個別取材には応じず説明方法を改めて検討する、という当時の方針を示しました。現在の公式名簿も一沐会代表です。10月1日の説明全文、県議会公式プロフィール

その後、TNCの10月9日報道によると、林氏からの謝罪の手紙が7日に吉松源昭県議の事務所へ届きました。吉松氏は、匿名アカウントで発言したことへの謝罪はあるが、投稿の内容を問題として謝罪する記述がないと批判しています。一方、林氏は同局の取材に、支援者と相談したうえで、自分の判断で手紙にしたと説明しました。手紙の送付と双方の反応を伝えたTNC報道

今回の最終設置案では反対したと報じられていますが、その個別理由は今回調査では確認できませんでした。調査協力を表明したことと、百条委の設置案に反対した理由は、別に説明してほしい点です。匿名投稿への問責も金銭授受疑惑の調査結果を示すものではありません。

今回の最終採決の目視報道

新開嵩将氏

県議会公式名簿では当選1回、無所属の会代表です。8月17日の議長職辞職勧告案をめぐる採決中止動議には、新開崇司氏とともに賛成しました。8月に採決を止めた判断と、今回の設置案への反対は、案件を分けて検証する必要があります。公式プロフィール、8月の賛成者一覧

今回については10月15日のX投稿で、海外視察が調査対象に含まれる点を評価する一方、金銭授受疑惑は第三者委員会の報告の動向を待つべきだという考えを示しました。10月15日の本人投稿

翌16日午前0時15分には会派として継続審査に反対するが、金銭授受疑惑を含む設置案の可否を問われれば反対すると説明。同日午後4時47分には吉松氏が出した付託省略動議には賛成すると明記しています。委員会への付託から継続審議となる可能性を挙げ、その時点で判断を明確にすべきだとの立場でした。会派方針の説明、付託省略への賛成表明

したがって、今回の反対を「先送りに賛成した」と表現するのは不正確です。手続きを進めることには賛成し、金銭授受を調査対象に含む設置案には反対した、という説明です。そのうえで、第三者委員会の調査で何が確認できれば十分と考えるのか、百条委による追加調査が必要となる条件は何かを具体的に示してほしいと思います。

今回の最終採決の目視報道

県議会公式プロフィールに記載された生年月日は1997年10月6日で、10月19日現在は29歳です。新開氏の人物記事の題名と8月の経緯にある「28歳」は、8月17日の採決当時の年齢です。

新開崇司氏

公式プロフィールでは福岡市東区選出、当選1回で、無所属の会に所属しています。8月17日の議長職辞職勧告案をめぐる採決中止動議には賛成したとTNCが報じました。辞職勧告案そのものは採決されておらず、その本案に反対票を投じたという記録ではありません。公式プロフィール、8月の賛成者一覧

一方、9月18日の一般質問では海外視察の費用を追及しています。対象は2025年11月にパリで県議らが参加した晩さん会です。TNCが伝えた質問では、協議録に記載されていた1人25万円、県議5人分約125万円について、見積書や契約書、決算書に記載せず委託料総額から捻出する扱いは不透明だと指摘しました。この約125万円は、質問で引用された協議録の数字であり、最終的な実支出額を確認したものではありません。服部知事は不透明な契約には当たらないとの認識を答弁しています。質問で問題を指摘したことと、違法な支出だと確定したことは別です。9月18日の質問と知事答弁

10月の設置案には反対したとNetIB-Newsが報じています。会派代表の嵩将氏は金銭授受疑惑について第三者委員会の報告を優先する方針を示していますが、崇司氏本人による個別の反対理由は今回調査では確認できませんでした。最終採決の目視報道、代表による会派方針

海外視察費を具体的に追及してきたからこそ、金銭授受と海外視察の両方を調べる今回の案のどこを問題としたのか、本人の説明がほしい点です。

今回の最終採決の目視報道

香原勝司氏

香原勝司氏は直方市選出、自由民主党福岡県議団所属の4期目で、元県議会議長です。海外視察や議員提案条例にも関わってきました。県議会の公式記録では2026年1月21日の全国都道府県議会議長会で、ワンヘルス推進基本条例を取りまとめた座長として、政策を実現する仕組みを条例に盛り込む取組を報告しています。 公式プロフィール 1月21日の公式活動記録

海外視察の費用説明も問われてきました。TBSの7月11日配信記事は2025年1月のハワイ訪問を紹介し、当時議長の香原氏が経費の質問に、事務局から説明してもらいたいと答えた場面を掲載しています。政経プラスでも、香原氏が団長だった2024年1月のバンコク訪問について、委託費や参加者の役割を別記事で検証しています。これらは海外視察の経費に関する説明で、今回の反対理由として述べられたものではありません。 TBSの取材報道 バンコク訪問の既存検証記事

8月17日の議長職辞職勧告決議案の採決中止動議では、TNCの目視名簿に賛成者として掲載されました。10月17日の百条委設置案では、NetIB-Newsが最終設置案の反対者として香原氏を挙げています。前者は本案を採決しないための動議、後者は調査委員会を設ける議案そのものへの判断です。 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

10月19日までに確認した資料では、今回の設置案に反対した香原氏本人の具体的な説明は確認できませんでした。海外活動の目的・成果をどう検証し、第三者委員会と議会自身の調査をどう組み合わせるべきと考えたのか。元議長として、その判断を説明してほしいと思います。

川端耕一氏

川端耕一氏は北九州市門司区選出、自由民主党福岡県議団所属の4期目です。10月19日に確認した県議会公式プロフィールでは、議会運営委員会、文教委員会、ワンヘルス・地方分権等調査特別委員会への所属が掲載されています。議案の扱いを決める議運にも加わる立場です。 公式プロフィール

8月17日には、蔵内議長への議長職辞職勧告決議案を採決しないための動議に賛成したとTNCが報じました。10月17日は百条委設置案そのものに反対した議員としてNetIB-Newsの目視名簿に掲載されています。二つの判断は対象が異なり、8月の採決中止への賛成を、辞職勧告決議案そのものへの反対票と数えることはできません。 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

この間の10月14日、川端氏は決算特別委員会でワンヘルスセンターを取り上げました。TNCによると、知事が名称変更の可能性を示したことに対し、まず施設の内容を県民に丁寧に説明すべきだと質問し、事業を推進する知事の決意も求めています。名称変更で対応するより、事業の必要性を説明すべきだという姿勢がうかがえる質疑です。ただし、この発言を百条委設置案への反対理由と結び付ける説明は確認できません。 10月14日の質疑を伝えるTNC

10月19日までに確認した本人サイトと報道の範囲では、最終設置案のどの部分に反対したのかは分かりませんでした。議運で審査する必要性をどう考えたのかという手続きの問題と、最終の設置案に反対した理由の両方について、本人の説明が求められます。

中牟田伸二氏

中牟田伸二氏は春日市選出、自由民主党福岡県議団所属の4期目で、議会運営委員長です。6月17日の一般質問では長浜太宰府線や福岡筑紫野線の道路整備を取り上げています。地元政策を質問する議員であると同時に、本会議の進め方を調整する責任者でもあります。 公式プロフィール 6月定例会の公式質問記録

8月17日の議長職辞職勧告決議案の採決中止動議では、TNCの賛成者名簿に掲載されました。10月の百条委をめぐる攻防では、一般議員としての賛否に加え、議運委員長としての判断が焦点となりました。ANNは、中牟田氏が設置議案を議運に付託する方針を説明した場面を伝えています。 8月のTNC目視報道 ANNの報道

NetIB-Newsによると、10月16日午後10時半ごろ、百条委設置案を継続審査とするか議運で採決し、賛否が同数になりました。中牟田氏は委員長裁決で継続審査と判断しました。しかし17日未明、本会議はその継続審査を否決し、続いて設置案を可決しています。同社は最終設置案に反対した議員の一人にも中牟田氏を挙げました。 議運と最終採決を取材したNetIB-News 設置案可決の公式発表

ここでは、委員会に付託する手続き、今議会で結論を出さず継続審査にする判断、最後の設置案への反対を区別する必要があります。裁決の経過は確認できますが、どの論点の審査が不足していたと考え、なぜ設置案にも反対したのかという本人の具体的説明は、10月19日までの確認資料では分かりませんでした。委員長として、審査に必要だった事項と想定した日程を示してほしいと思います。

松尾統章氏

松尾統章氏は北九州市八幡西区選出、自由民主党福岡県議団所属の7期目で、元議長・前県議団会長です。金銭授受疑惑では受領先として名前を挙げられた幹部の一人ですが、本人側は受領を否定しています。疑惑の解明と、議員として調査制度をどう選ぶかの説明が、ともに問われる立場です。 公式プロフィール 疑惑への否定を伝えるTNC

7月28日には熊本地震発生直後に政治資金パーティーを開きました。TNCの一問一答で松尾氏は、支援者への説明と意見交換が目的で、受付が始まっていたことなどから取りやめる状況ではなかったと釈明しています。開催やその後の発言が批判され、8月7日に県議団会長を辞任しました。辞めたのは会長職であり、県議の職ではありません。 7月31日の一問一答 会長辞任の経緯を伝えるTNC

8月17日は、蔵内議長への議長職辞職勧告決議案の採決中止動議に賛成したとTNCが報道。9月17日の取材では第三者委員会で客観的、公正に調査してもらうとの考えを述べています。そして10月17日、NetIB-Newsは松尾氏を百条委設置案の反対者に挙げました。第三者委員会への期待を語った事実はありますが、それだけで今回の最終設置案への反対理由が説明されたとは言えません。 8月のTNC目視報道 9月の本人発言 10月のNetIB目視報道

ANNは可決後の松尾氏について、百条委ではっきり結論が出て県民が納得すればよい、との趣旨の発言を伝えています。これは設置後の受け止めです。10月19日までの確認資料では、設置案のどこに反対したのかという個別の説明は確認できませんでした。今後の調査にどう協力するかとともに、反対票の理由も説明してほしいと思います。 可決後の発言を伝えるANN

原口剣生氏

原口剣生氏は久留米市・うきは市選出、自由民主党福岡県議団所属の7期目で、県議会議長や自民党福岡県連会長を務めました。8月17日には蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案の採決を中止する動議に賛成し、10月17日未明の百条委設置案には反対したとNetIB-Newsが報じています。前者は採決を行うかどうか、後者は調査委員会を設けるかどうかという別の判断です。 公式プロフィール 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

原口氏自身については、吉松源昭県議が2018年12月ごろに他会派との懇親ゴルフ費用として550万円を求められ、支払ったと証言しています。TNCの7月6日報道に対し、原口氏は記憶がなく、そのような事実もないという趣旨で否定しました。9月18日の同局報道でも、金銭の受け取りなどはなかったと従来の説明を維持しています。 7月6日の証言と否定 9月18日の本人説明

さらにTNCの10月3日報道では、原口氏は樋口明県議の新たな証言を受けた取材に回答しました。2017年1月の新年会について、後日集金があったのではないかと述べ、金額は10万円前後との記憶を示しました。報道されたこの金額が一人分なのか総額なのかは、記事の記述からは確認できません。樋口氏は会食代などを自分が負担したと説明しており、支払方法の認識に違いがあります。ただし、樋口氏はこの会見で要求した相手の実名を明かしていません。 10月3日の本人説明

10月9日のTNC取材では、「九州の自立を考える会」の会長として、団体の今後について説明しています。原口氏は、地域の活性化や東京への一極集中の是正という設立の趣旨を挙げ、存続を自分一人で決めることはできず、まず会員の考えを聞く必要があると述べました。同日の決算特別委員会では、吉松氏が議会棟内の事務所の使用料や使用許可を取り上げています。これは団体運営についての説明であり、百条委設置案への反対理由を説明した発言ではありません。10月9日の質疑と原口氏の説明

今回確認した公開資料では、原口氏が百条委設置案に反対した具体的な理由や、可決後の調査への対応方針までは確認できませんでした。金銭授受疑惑への否定と、設置案への反対理由は分けて読む必要があります。本人の説明と会計資料を照合し、反対した判断も含めて検証することが課題です。

井上忠敏氏

井上忠敏氏は小郡市・三井郡選出、自由民主党福岡県議団所属の7期目で、県議会議長の経験者です。8月17日の採決中止動議には賛成し、10月17日未明の百条委設置案には反対したと報じられています。8月の投票は蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案の採決を中止するかを決めたもので、辞職勧告そのものへの反対票ではありません。 公式プロフィール 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

過去の海外活動では、井上氏は議長だった2016年1月、米国ハワイ州への友好訪問の団長を務めています。県議会の公式記録によると、訪問期間は1月18日から23日までの6日間。州議会の開会式への出席、州知事や州議会幹部らとの面会などが記録されています。原口剣生氏も参加しました。 ハワイ訪問の公式記録

可決された議案では、海外視察は過去5年間を基本としています。必要と認める場合は、資料の残存状況などを踏まえ、それ以前も必要な範囲で調査できる仕組みです。2016年のこの訪問が、実際の調査対象に選ばれたかどうかは今回確認できていません。調査対象期間を定めた可決議案PDF

9月2日の西日本新聞は、訪問中の遊覧船で原口氏夫妻と井上氏夫妻の結婚記念日を祝う行事があったと報じています。両氏の文書回答も掲載し、原口氏は訪問団有志の厚意で夕食時に行われたと、井上氏はサプライズだったと説明しました。両氏とも、配偶者同伴の招待を受け、妻の費用は自己負担だったとしています。これは本人側の説明で、妻以外の参加者や船上行事全体の費用負担まで確定するものではありません。9月2日の西日本新聞と両氏の文書回答

同紙に対し、井上氏は現地の行動も県民の理解を得られるものでなければならないと回答し、昼食時の飲酒は否定しています。訪問の目的、祝賀行事の位置付け、支払者や費用区分を資料で確かめる必要があります。船上行事と費用区分を整理した既存記事

10月19日までに今回確認した公開資料では、設置案に反対した井上氏本人の具体的な説明は確認できませんでした。海外活動を調査対象にすることへの異論なのか、調査方法や時期への異論なのかも未確認です。過去の訪問で何を説明し、今回の設置案のどこに異論があったのかを、本人の説明と資料で確かめたいと思います。

秋田章二氏

秋田章二氏は大川市・三潴郡選出、自由民主党福岡県議団所属の5期目で、元県議会議長です。8月17日には蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案の採決を中止する動議に賛成しました。今回の百条委設置案についてNetIB-Newsが報じた対応は、反対票ではなく「退席(棄権)」です。議会を一日通して欠席したという意味での「欠席」とは区別します。 公式プロフィール 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

県議会問題が続く中、秋田氏は9月28日の厚生環境委員会で、ワンヘルス政策を検証する行政改革審議会の専門性について質問しています。RKBの報道は、専門家がいないまま費用だけを理由に良い事業まで中止されることへの懸念を伝えています。 9月28日のRKB報道

この発言と県の公費支援の説明は、当サイトの別記事でも整理しました。ワンヘルスの理念に賛成したことだけで、関連するすべての支出を正当と認めたとは読めません。一方、理念への賛意だけでは、支出額や事業の成果が妥当かという問いへの答えにもなりません。 発言と公費支援の既存検証記事

10月19日までに今回確認した資料では、秋田氏が百条委設置案の採決時に退席した理由や、その後の調査への対応方針は確認できませんでした。9月の政策発言を10月の退席理由として使う根拠もありません。退席の理由を本人の説明で確認し、元議長として調査にどのように協力するかを追う必要があります。

松本國寛氏

松本國寛氏は遠賀郡選出、自由民主党福岡県議団所属の7期目で、元県議会議長です。8月17日の蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案をめぐっては、採決を中止する動議に賛成しました。10月17日未明の百条委設置案の採決では、NetIB-Newsが「退席(棄権)」と報じています。設置案に反対票を投じた9人とは対応が異なります。 公式プロフィール 8月のTNC目視報道 10月のNetIB目視報道

松本氏は一連の問題を受け、9月5日に自民党福岡県連会長の辞任を表明。9月27日には古賀篤衆院議員が後任に就任しました。県連会長職の交代であり、松本氏が県議を辞職したという意味ではありません。県議会の公式名簿にも引き続き県議として掲載されています。 辞任表明を伝えるKBC 後任就任を伝える共同通信

金銭授受疑惑については9月18日のTNC報道で、第三者委員会に自分の主張を調べてもらい、明らかになることを望むと説明しています。KBCが伝えた9月30日の取材では関与を否定したうえで、第三者委員会の弁護士から求められれば、その指示に従い必要な証拠をそろえる考えを示しました。 9月のTNC取材 9月30日のKBC取材

TNCの10月3日報道でも、樋口明県議の証言に関連する時期にはまだ自分は幹部ではなかったとして、要求や負担要請への関与を否定しています。これらは本人の説明であり、金銭授受の有無を第三者が最終認定したということではありません。一方、百条委設置案の採決時に退席した具体的な理由は、今回確認した公開資料では確認できませんでした。第三者調査への協力方針と、議会自身の調査にどう向き合うかを、それぞれ本人に説明してほしいと思います。 10月3日のTNC報道

SNSで問われた反対・退席の理由と、地元への説明要求

2026年10月19日追記

百条委員会の設置案が可決された後、Xでは、反対・退席した議員の名前を挙げて説明を求める投稿が出ています。採決前には、新開嵩将氏の「第三者委員会の報告を待つ」という考えに対し、調査の進め方や賛否の示し方を問う返信もありました。

以下は元投稿と日時を確認した公開投稿の例です。SNS全体や福岡県民全体の意見の分布を調べたものではありません。日時は日本時間です。

採決後に寄せられた、説明責任への要求

10月17日13時34分、ショーちゃんさんは設置案に反対・棄権した議員の一覧を引用し、次のように投稿しました。

反対・棄権した議員には
#説明責任 を果たして
もらう必要がありますね

出典:ショーちゃんさん(@karisomenona)の投稿

同日22時18分には、yonaminemasashiさんが、反対したと報じられた井上忠敏県議を名指しして問いかけています。

地元町内でももちろんその理由を説明されるんですよね?

出典:yonaminemasashiさん(@jona_manager)の投稿

この二つの投稿が求めているのは、反対・退席という判断の理由を、議会の外にいる有権者にも説明することです。会派がどう判断したかに加え、議員本人が今回の設置案のどこに問題を認めたのかが問われています。

10月19日3時20分のTakeYoshi1129さんの投稿には、反対・棄権した議員について、次の呼びかけもありました。

次期選挙では投票しないで下さい。

出典:TakeYoshi1129さん(@YoshiTake1129)の投稿

採決での対応を、次の選挙で議員を選ぶ際の判断材料にするという意見です。ここから読み取れるのは、この投稿者の意思であり、選挙結果の予測や県民多数の意向ではありません。

採決前には「第三者委員会を待つ」という説明への反論も

新開嵩将氏は10月15日、海外視察が調査対象に含まれることを評価する一方、金銭授受疑惑については、第三者委員会の報告書の動向を待たずに百条委を開くことは自分の考えと異なる、と投稿しています。新開氏の説明

その投稿に対し、10月16日7時15分、んんんさんは次のように返信しました。

疑惑の真相解明に向け百条委員会の設置は不可欠です。

出典:んんんさん(@wuyiow)の返信

返信全体では罰則を伴う百条委の調査権限を挙げ、設置の必要性を訴えています。新開氏が報告を待つことを優先したのに対し、この投稿者は百条委による調査を求めています。

ここで議員に説明してほしいのは、第三者委員会の調査で何を確認でき、どのような状況になれば百条委による追加調査が必要だと判断するのか、という点です。「第三者委員会を優先する」という言葉の先にある、具体的な判断基準が問われています。

「設置案への反対」と「採決の先送り」は、同じ判断ではない

10月16日0時15分、JIRO.さんは新開氏の10月15日の投稿に対し、誤読かもしれないと断ったうえで質問しています。

採決の先送りに賛成派なのですか?

出典:JIRO.さん(@JIRO544711)の返信

この疑問と照らし合わせたいのが、新開氏自身による賛否の説明です。新開氏は10月16日0時15分の別投稿で、継続審査には会派として反対する一方、金銭授受疑惑を含む設置案には反対する方針を表明。同日16時47分には付託省略動議には賛成すると明記しました。会派方針に関する投稿、付託省略に関する投稿

JIRO.さんの質問を、新開氏が先送りに賛成した証拠として扱うことはできません。新開氏が当時示した立場は、採決を先送りせず、設置案には反対するというものでした。

現議会による調査に疑問を示す見方もあった

新開氏の投稿への返信では、議会の自浄作用を求める意見に対し、おどっぱすさんが10月16日4時20分、次のように書いています。

来春の新しい議員での方がいいと思いますが。

出典:おどっぱすさん(@fJ83ny9MLJ6QB01)の返信

現在の議員たちによる調査への疑問から、改選後の議会に期待する意見です。これだけで、新開氏の反対理由すべてに賛同した投稿とまでは読めません。

今回取り上げた投稿には、今の議会で解明を進めたいという考えと、現在の議会に調査を任せられるのかという疑問がありました。委員の選び方、調査の公開方法、第三者委員会との役割分担を具体化することは、こうした不信に答えるためにも必要です。

反対・退席した議員には今回の判断の説明を、設置に賛成した議員には調査の実行と結果の説明を求めたいと思います。

反対・退席の具体的な理由を説明してほしい

委員構成や調査方法を詰める必要があるという意見は、その内容に沿って検討すべきものです。ただ、手続きについて説明したことと、最終の設置案に反対・退席した理由を説明したことは別です。

新開嵩将氏は、第三者委員会を優先することを反対の根拠として示しています。その判断を検証するには、第三者委員会の調査で何を明らかにでき、百条委による追加調査をどの段階で必要と考えるのか、具体的な説明が求められます。

個別の理由を確認できていない議員には、設置案のどの点に反対したのか、なぜ採決に加わらなかったのかを、本人の言葉で説明してほしいと思います。

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました