情報確認日:2026年10月15日
候補者を一人に特定できれば、名字だけを書いた票でも有効になります。同じ名字の候補者が複数いる場合も、直ちに無効とはせず、法律に基づき得票の割合で分ける「按分票」になることがあります。自分が選んだ候補へ明確に届けたいなら、投票所に掲示された氏名を確認し、姓と名を書きます。衆院比例は政党名を書くため、用紙ごとの記載方法にも注意してください。
名字だけだから、機械的に無効とは決まらない
公職選挙法第67条は、無効投票の規定に反しない限り、投票した人の意思が明白であれば有効とするよう定めています。投票の効力は、開票立会人の意見を聴いて、開票管理者が決めます。
候補者名のすべての文字が書かれていないことだけで、必ず無効にする仕組みではありません。吉野ヶ里町の広報の記載例も、姓だけ、名前だけでも候補者を特定できれば有効と説明しています。
一方、「この字なら必ずこの人」と、SNS上の写真や断片だけから個々の票を確定することはできません。同じ選挙区にどんな候補がいるか、何と記載されているかが関係します。
同じ名字なら、関連する候補の票に応じて分ける
公職選挙法第68条の2は、同一の氏名・氏・名の候補者が複数いる場合、その氏名・氏・名だけを書いた票を有効とする規定を置いています。こうした票は、開票区ごとに、それぞれの候補者のその他の有効票数に応じて按分します。
「按分」は、同じ割合で分けるという意味です。候補が2人だから必ず半分ずつ、という計算ではありません。
練馬区選管の公式FAQに、次の説明用例があります。実際の候補者の選挙結果ではありません。
| 記載・候補 | はっきり区別できる票 | 名字だけの1票を分けた後 |
|---|---|---|
| 練馬太郎 | 700票 | 700.7票 |
| 練馬次郎 | 300票 | 300.3票 |
「練馬」だけの1票を、700対300の割合で分け、太郎に0.7票、次郎に0.3票を加えた例です。
このため、確定した候補者の得票数に小数が付くことがあります。「一人が0.7回投票した」「電子的に票を水増しした」という意味ではありません。練馬区の説明は、小数点第4位以下の切捨てによる按分切捨票についても案内しています。
同じ氏名・略称の政党にも規定がある
按分は、候補者の名字だけに関する仕組みではありません。衆院比例では、届け出た政党名・略称が同じ政党が複数ある場合の規定があります。参院比例にも、候補者名や政党名・略称が重なる場合の規定があります。
ただし、参院比例は、政党名の票と個人名の票の扱いも関わります。第68条の2第5項では、政党の「その他の有効票数」に、その政党の各候補者の個人名有効票を含めない計算を定めています。
ニュースの按分結果を自分で計算するときは、候補者2人の単純な例をすべての比例代表へ当てはめず、選挙の種類、同名・同略称の対象、公式の計算表を確認します。
ひらがなは使えるが、応援メッセージは足さない
候補者名は、ひらがなやカタカナでも有効になります。難しい漢字を無理に書いて、判読しにくくする必要はありません。吉野ヶ里町の公式例も、ひらがな・カタカナの表記を有効としています。
その一方で、候補者名以外の応援文や記号などを加えると、他事記載として無効になる問題があります。第68条には職業・身分・住所・敬称の類について例外がありますが、だからといって自由な文章を書いてよいわけではありません。
同広報の例では、候補者名に「頑張ってください」といった応援の言葉を付けたものを無効と示しています。候補を選ぶ票には、その用紙に必要な氏名や政党名を記載する方法が確実です。
2人以上の候補者名を書く、所定の用紙を使わない、候補者でない人を書く場合なども、無効の規定に関係します。名前を思い出すために、迷った候補を二つ並べる書き方にはしないでください。
同じ日に渡される用紙でも、書く内容が違う
通常の自書式投票では、公職選挙法第46条に基づいて、次のように記載します。
- 衆院小選挙区、参院選挙区、地方の議員・長の選挙:候補者一人の氏名。
- 衆院比例代表:政党等の名称または略称。
- 参院比例代表:候補者一人の氏名、または政党等の名称・略称。
同じ「比例」でも、衆院と参院で候補者名を書けるかが違います。以前の選挙の記憶だけで記入せず、渡された用紙に何の選挙と書いてあるか、記載台の掲示は何かを確認します。投票用紙に自分自身の名前を書くこともできません。
最高裁判所裁判官の国民審査などは、今回の候補者名を書く投票とは別の記載方法です。複数の投票がある日は、係員の案内を用紙ごとに聞いてください。
困ったときは、箱へ入れる前に係員へ
氏名の表記、用紙の種類、書き損じなどで迷った場合は、投票所の係員へ確認します。自分で書くことが難しい人は、家族に勝手に代筆してもらうのではなく、投票所で代理投票などの方法を相談してください。
開票結果の小数が気になる場合は、その選挙の確定結果と按分に関する内訳を選管へ問い合わせます。候補者名、選挙区、開票区、確認した表と公表時点を伝えると、どの計算を確認したいのかが明確になります。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

