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福岡県の講師謝金89件、何が不適切?時間の逆算と新基準を読む

福岡県は2026年7月14日、講師謝金(研修会や講演会の講師への謝礼)の事務処理に問題があった事例を89件公表しました。

44件は先に決めた金額に合わせて時間数を調整していました。残る45件は講師に確かめていない想定の時間数で計算していました。問われたのは、支払額の根拠となる書類の作り方です。

県は同日、金額の決め方と確認書類を定めた新基準を通知しました。県の発表「講師謝金の執行基準を策定しました」で、調査結果と通知を読めます。

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5,777件を調べ、89件に事務処理の問題

調査対象は2021〜2025年度の研修会・講演会などの講師謝金です。本庁3,516件、出先機関2,261件、計5,777件を調べました。

県が問題として挙げた事務処理は、次の2種類です。

件数どのように計算していたか
44件類似の講演や過去の実績から金額を決め、その額になるよう時間数を調整
45件講師に確認していない想定の時間数に、予算の単価(1時間当たりの額)を掛けて計算

掛け算の答えが合っていても、時間数が実態に基づいていなければ、書類から支払額の妥当性を確かめにくくなります。県の全庁調査結果(PDF・1頁)には、この2種類の内訳が示されています。

同じ資料にある金額別の表は、調査した5,777件全体の内訳です。89件だけの支払額を表したものではありません。

準備時間も支払対象にできる。実態の確認が条件

新基準の原則は単価表などの1時間当たりの額に、研修・講演に要した時間を掛ける方法です。

打合せや資料作成など、準備にかかった時間も含められます。その場合は、講師に聞き取るなどして、実態に合う時間数にするよう求めています。

原則の方法では決めにくい基調講演などには、別の決め方もあります。講師の所属企業・団体が定めた額や、本人または同程度の知識・経験をもつ講師が他の団体で受けた額を参考にします。そのうえで、講演内容も踏まえて本人と協議して決めます。

こうした金額の決め方は7月14日の総務部長通知(PDF・1頁)に書かれています。

書類に残すのは、選んだ理由と確認した結果

新基準は金額だけでなく、書類に何を記すかも定めました。

書類・手続き残す内容
謝金等単価決定伺(支払額を決める内部書類)講師を選んだ理由と、金額を決めた考え方。所属長が承認
支出に添える出席確認書類出席した事実と、根拠となる単価・時間などを講師に確認した結果
支払調書を講師に送る場合根拠となる単価・時間などを記した書類を添付

準備時間を計算に含めた場合は、その時間も確認の対象です。通知の2頁で、各書類の記載事項を確かめられます。

この基準は補助金や委託料に含まれる講師謝金にも、原則として同じように当てはめるとしています。

支出の資料を読む際は、「何時間と書いてあるか」に加え、「誰に確認した時間か」「なぜその講師・金額を選んだか」を追うと、金額の決め方が見えてきます。

知事の説明と、資料で確かめられること

7月14日の会見で、県財政課は89件中42件がワンヘルス総合推進課の講師謝金だったと説明しました。

服部誠太郎知事は、謝金額が極端に過大だったとは見ておらず、手続きや事務処理に問題があったとの認識を示しました。同時に、上司も決裁していたことを挙げ、担当者だけでなく組織の問題だと説明しています。知事会見録

金額への評価は知事の見解です。公表された調査表から確認できるのは、事務処理に問題のあった件数と分類までです。個々の支出が妥当だったかを判断するには、講演内容、金額を決めた資料、決裁書類などの照合が必要になります。

ワンヘルス事業の予算や関係者の説明は、ワンヘルス予算の検証記事で扱っています。

新基準の効果は、実際の支出記録で確かめる

県の「改革の地図」は10月27日更新のページで、調査と新基準の策定を実施済みの取り組みに挙げています。今後の取り組みには財政課による予算の確認と、会計課による支出の確認を掲げています。

新しい支出で、講師への確認結果や選定理由が実際に残されているか。原則と異なる決め方をした場合に、比較した資料を示せるか。基準を作った後は、こうした記録が点検の対象になります。

確認日:2026年10月28日。

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ChatGPT(Codex)+Claude(文章制作・点検)。

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