記者の発言には「不規則発言」と注意する一方、知事が記者の話に言葉をかぶせるのはどう考えるのか。10月28日の兵庫県知事会見をめぐり、私が引っかかった点の一つです。
10月29日収録の動画では、女性自身の報道を読みながら、斎藤元彦知事と記者のやり取り、質問が残る中での退出について話しました。問題にしたのは、言い合いの激しさだけでなく、話を遮る基準と、質問への回答の中身です。
知事と記者で、発言を遮る基準が違うのか
女性自身の10月29日付記事によると、会見終盤、フリーの男性記者は、以前の会見で自分の発言に知事が言葉を重ねたことを取り上げました。知事は記者による発言の差し挟みを「不規則発言」と注意していたため、同じ基準ではないのかと問うた、という経緯です。
知事側は、後に公務があるため会見を1時間程度とし、長くなる質問にはまとめるよう促していると説明しました。また、自分が回答している途中に言葉を重ねる行為を、不規則発言と位置づけたと報じられています。
私は動画で、自分が言葉をかぶせるのはよくて、相手からかぶせられると強く反応するのか、と批判しました。質問を短くするよう求めることへの説明と、誰の発言なら途中で遮ってよいのかという説明は、分けて読む必要があります。
説明したという返答は、何への答えか
記事が伝えたもう一つの争点は、告発文書問題への県の対応です。記者は、過去に説明したという知事の返答に対し、議事録を確認しても質問への回答が見当たらないと主張しました。その際に用いた言葉が「虚偽答弁」です。
これは記者による指摘です。本稿で知事の答弁が虚偽だったと確定したわけではありません。知事は質問にはその都度適切に答えているという立場を示したと報じられています。
ただ、説明したという返答と、実際にその質問に答えていることは同じではありません。どの質問に、どの発言が答えになっているのか。そこが分からなければ、説明済みという言葉だけが残ります。
私は動画で定型的な回答を繰り返す進め方は、時間稼ぎにしか見えないと批判しました。知事の意図を確認したという意味ではなく、この回答の仕方に対する私の評価です。また、この場面で問い返した記者の話しぶりはよかったと評価しました。
時間超過の事情と、質問途中の終了
同記事は、会見が予定の終了時刻を約20分過ぎていた事情も伝えています。その上で、記者が質問を続けようとしたところ、知事が終了を告げ、退出したと報じました。
「逃げるんですか」という言葉は、引き留めようとした記者の発言として伝えられたものです。予定時間や後の公務という説明も含めて読む必要があり、退出した一場面だけで動機を決めることはできません。
その事情を踏まえても、私は動画で、知事が自分で進行し、自分で終了を決めて出ていく点を批判しました。回答する当事者が質疑の終わりも決める。その間に何が答えられ、何が残ったのかを見たいところです。
なお、10月30日に確認した県公式の10月28日会見ページでは、会見内容と質疑応答の本文は作成中でした。今回の記事は女性自身の報道と10月29日の自分の動画をもとにした整理です。記者が問題にした過去の全質問と回答を、こちらで照合し終えたわけではありません。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT。10月29日収録の動画をもとに、AIが資料整理と記事化を補助。


