本文へ移動

林泰輔県議がくじで百条委員に 問責と中立性への疑問

林泰輔県議の百条委員選出を扱う政経プラスの動画サムネイル。林泰輔県議、まさかの百条委員の見出し。 地方自治・議会

匿名アカウントでの攻撃的な投稿を認め、県議会から問責を受けた林泰輔県議が、今度は百条委員会の委員に選ばれました。福岡県議会の金銭授受疑惑や高額な海外視察を調べる、その調査する側に入るというのです。

私は、この人選には納得できません。くじで決まったという手続きの説明だけでは、林県議が冷静で中立的な調査を担えるのか、という疑問は残ります。過去の投稿と本人の説明を振り返ると、なおさら「あなたがなるんですか」と言わざるを得ません。

▼動画で確認する

広告

▶ 政経プラスチャンネルの最新解説動画

チャンネル登録して、新しい解説を受け取る

林泰輔県議はなぜ百条委員に選ばれたのか

TNCの11月6日の報道によると、福岡県議会の百条委員会の委員15人が決まりました。百条委員会は、今回の場合、県議会が金銭授受疑惑や海外視察の実態を調べる委員会です。

林県議の選出について、同じく少数会派から委員になった栗原県議は、調査委員にふさわしくないと考えて説得したものの、本人が譲らなかったと説明しています。時間もなく、やむなくくじになり、林県議が選ばれたという経緯です。

そもそも林県議は蔵内議長の辞職勧告決議案の採決中止を求める緊急動議を出した議員です。匿名アカウントの問題が発覚した後、自民党県議団を離れて一人会派を設立していました。

私は、最初から候補から外すべきだったと思います。委員の枠を誰に割り当てるかと、その人が重要な調査を担うのにふさわしいかは、同じ問題ではありません。くじに至る前に、止められなかったのか。今回のニュースで、まず引っかかったのはそこです。

出典:TNC「百条委員会」メンバー15人決定、林県議はくじで選出(11月6日)

問責の理由と、実名・匿名での発信の食い違い

林県議への問責は単にSNSで批判を受けた、という話ではありません。福岡県議会が公表した10月1日の決議は、匿名アカウントで県民や他の議員に攻撃的、侮辱的な投稿をしていたことを、林県議自身が認めたと記しています。

問責決議は、議会がその行為の責任を厳しく問う決議です。決議文には、林県議がテレビ番組で自分の行為を認め、議員にふさわしくない行動だったと述べたことも記載されています。

動画では以前に政経プラスで検証した「みみず屋さん」と実名投稿の記事も振り返りました。問題にしたのは、匿名でXを使ったというだけのことではありません。実名で掲げた対応と、別名義で実際に発した言葉が食い違っていたことです。

9月12日朝の実名の発信では、感情的な応酬に参加せず、批判には言葉と事実で向き合うという方針を示していました。ところが同じ日の夜、保存された匿名投稿には相手を呼び名であざける言葉が残っています。

また、取材する側を「便所の落書き」「哀れな物書き」と評する投稿もありました。写真の説明や公務の成果、取材内容のどこが間違っているかへの答えにはなっていません。相手を低く評価する言葉で、問いへの反論を済ませていないか。私は動画で、その点を批判しています。

説明と行動のこの食い違いを置いたまま、調査する側に入る。だからこそ今回の人選は過去の投稿を蒸し返して終わる話ではなく、これからの委員会への信頼に関わる問題だと思います。

出典:福岡県議会「林泰輔議員に対する問責決議案」、実名・匿名投稿を照合した政経プラスの検証記事(note版)

冷静な調査を担えるのか、という疑問

日本維新の会の塩生好紀県議も、問責を受けた林県議が重要な調査を担う委員になることに懸念を示しています。TNCの報道では、委員会の中立性をどう県民に示すかが重要だ、という発言が紹介されています。

私は維新の言動を批判することもありますが、今回の福岡での塩生県議の指摘は支持します。所属政党への好き嫌いで、この問いまで退ける理由はありません。

問われるのは、林県議が自分と異なる意見を冷静に扱い、疑惑に関する証言を調べられるのかという点です。過去の発信では、批判する相手をあざけたり、説明を求められた内容から話がそれたりしていました。その経緯があるから、私は中立的な運営を担えるのかと疑問を持ちます。

もちろん、林県議が実際に調査を進め、責任を明らかにするのであれば、その行動は評価します。動画でも、きちんと責任を取らせられるなら見直す、と話しました。ただ、現時点で、そうなると期待するだけの材料があるのか。委員に選ばれたことをもって、その疑問が解消したことにはなりません。

調査はできる限り公開し、証人の安全には配慮を

私がもう一つ気にしているのは、調査の公開です。TNCが11月6日に報じた時点では、調査の開始時期はまだ決まっておらず、公開か非公開かも、選ばれた委員が今後議論するとされていました。

議会の金銭授受や税金の使い方を、議会自身が調べるのです。どんな証言があり、誰が何を問い、それにどう答えたのか。県民が確かめられるように、調査はできる限り公開して進めるべきです。人選に疑問が出ているのなら、なおさらだと思います。

一方で、動画でも触れたとおり、証人の安全のために必要な配慮はあります。反撃を恐れて姿を出せない人がいる場合まで、一律に公開を求めているわけではありません。証言する人を守ることと、調査を県民に開くことの両方が必要です。

非公開にすればすべて解決する、という話にしてほしくありません。実態が見えないまま、議会の中だけで話が進んでしまっては、何をどう確かめたかも分からなくなります。私は、必要な安全への配慮を残したうえで、極力公開すべきだと考えます。

蔵内氏の会見と500万円の証言は、別に検証する

動画の後半では、蔵内勇夫前議長の会見映像と、NHK福岡の記事を取り上げました。ここからは、林県議の委員選出とは別の論点です。調査する側の適性への疑問と、金銭授受が実際にあったかどうかは、それぞれ確かめなければなりません。

会見では、蔵内氏は受け取りを否定する一方、証言した相手の評価を問われると、第三者委員会での調査に言及しています。記者は、事実関係の調査結果を待つ話とは別に、今の説明に県民が納得するかと質問していました。私は、そのやり取りにも納得しにくいものを感じました。

新村雅彦元県議は蔵内氏に500万円を手渡したと証言し、そのうち200万円を所属会派の政務調査費から流用したと新たに説明しています。これに対して、吉村敏男元県議は政務調査費をプールしていた事実などを否定しています。同様の対立は11月6日のTNCの報道でも確認できます。

証言が出たことと、その内容が事実として裏付けられたことは同じではありません。蔵内氏や吉村氏の否定も含め、金銭授受と資金の出所は調査が必要です。この記事で、誰の証言が真実かを決めつけることはしません。

だからこそ、その調査を誰が、どんな姿勢で担うのかが気になります。林県議を含む委員たちが何を調べ、県民の前でどこまで明らかにするのか。今回の人選への疑問を、くじで決まったという一言で終わらせてほしくありません。

出典:TNC「200万円は政務調査費を流用した」新村元県議の証言と吉村氏の否定(11月6日)

関連する発言と資料の画面は、上の動画でも確認できます。政経プラスチャンネルでは福岡県議会の問題を継続して取り上げています。

関連記事

福岡県議会の百条委員会とは|金銭授受疑惑の経緯と記事ガイド

林泰輔県議の謝罪の手紙は何を謝ったのか、文面と本人の説明

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました