AIで古い記事を更新する前に|数字・日付・リンクを確認する差分チェック

古い記事をAIに渡して「最新情報で更新して」と頼むと、文章はすぐ整います。

しかし、読みやすくなった文章が正しいとは限りません。数字の時点、制度の条件、当事者の発言、リンク先の資料が一つでもずれると、記事は更新したのに読者を古い説明へ案内してしまいます。

AIは「どこが変わりそうか」を出す係です。何を正本にするか、どの表現で公開するかは人が決めます。

この記事では、公開済みの記事をAIで更新する前から公開後までに使う、順序確認書を紹介します。案件名や数値をそのまま見せるのではなく、どの記事にも使える確認の順序だけを残します。

結論|先に「何が変わったか」を決めてから、AIへ渡す

更新の最初に確認するのは、文章をきれいにすることではありません。今回の更新で変わった事実を、一文で言える状態にします。

たとえば、次のような整理です。

  • 公表日が新しくなり、予定が確定した
  • 制度の対象・条件が変わった
  • 当事者の説明と、一次資料の記載を追加する必要がある
  • 既存リンクが古くなり、確認資料を入れ替える必要がある

この一文がないままAIに渡すと、昔の説明と新しい情報を混ぜた「もっともらしい最新版」になりがちです。

更新前に残す3点

AIに本文を渡す前に、次の三つを同じ場所へ置きます。

残すもの 目的 最低限の内容
更新前の本文 何を直したかを比べる 本文、見出し、表、FAQ、関連記事
今回の確認資料 根拠の取り違えを防ぐ URL、公開日、確認日、該当箇所
更新メモ AIへの指示を狭める 変わった事実、変わらない前提、保留事項

画面上で直接書き換える前に、更新前の状態を残します。誤りに気づいたとき、戻すためだけではありません。「今回追加した事実」がどこまでかを、読者に説明できるようにするためです。

AIへ渡すのは、本文と「更新メモ」を分ける

本文だけを渡して「最新化して」と頼むと、AIは不足部分を推測で埋めようとします。更新メモを別にし、書き換えてよい範囲をはっきりさせます。

目的:公開済み記事の更新案を作る
今回変わった事実:
変わらない前提:
使用してよい確認資料:
未確認のため書かないこと:
出力形式:旧文/新案/根拠URL/人の確認 の4列

「人の確認」は、公開前に人が根拠と表現を確定する欄です。AIが新しい文章を出しても、この欄が空のままなら本文へ反映しません。

差分は5種類に分けて見る

差分を一つの長い文章で読むと、見落としが増えます。少なくとも次の五つに分けます。

確認する差分 見る場所 人が決めること
数字 金額、件数、割合、日数 時点・対象・単位が同じか
日付 公表日、施行日、予定日、最終更新日 確定・予定・見込みを分けたか
条件 対象者、例外、手順、期間 読者が自分に当てはめても誤らないか
主張 当事者の説明、評価、反論 事実と発言と評価を混ぜていないか
リンク 一次資料、関連記事、外部資料 表示先が生きており、本文の説明と合うか

AIには、変更候補をこの表へ振り分けさせます。ただし、表に入ったことは確認済みの意味ではありません。原資料を開き、本文の言い切り方まで人が確定します。

政経プラスでの更新例|新しい事実を「追記」ではなく本文へ戻す

政経プラスでは、兵庫県ドクターヘリの記事のように、進行中の情報を既存URLで更新することがあります。

この種の記事で必要なのは、末尾に続報を足すことだけではありません。最初に来た読者が、現在の状況を先に読み取れるよう、冒頭の結論、日付の説明、表、よくある質問、確認資料までを同じ順序で見直します。

この記事では、その案件の具体的な数字や資料の中身を再掲しません。重要なのは、どの案件でも「古い本文」「今回の資料」「公開する新案」を並べ、差分を確定してから更新することです。

順序確認書|AIで更新する前から公開後まで

新しい情報が出たら、次の順番で確認します。上から終わらせると、AIの提案と公開する文章を混同しにくくなります。

更新する記事のURLと、更新前本文を保存した

今回変わった事実を一文にした

一次資料のURL、公開日、確認日、該当箇所を記録した

未確認のため書かないことを決めた

AIに「旧文/新案/根拠URL/人の確認」で差分候補を出させた

数字、日付、条件、主張、リンクを原資料で確認した

冒頭、表、FAQ、関連記事に古い説明が残っていないか見直した

更新日と、今回何を変えたかを読者に分かる形で示した

一般公開ページで本文、リンク、表、アイキャッチを確認した

この順序であれば、「AIが書き直したから公開する」ではなく、「人が差分を確定したから公開する」へ変わります。

公開前に止めるべき3つの状態

次の状態なら、更新案は公開しません。

1.根拠URLがない

AIが作った数字や日付に、確認できる資料が付かないなら保留です。もっともらしい説明でも、出典が見つからない部分は削るか、未確認として残します。

2.「予定」と「確定」が混ざっている

制度の施行予定、募集予定、事業者の見通しは、結果として確定した事実とは別です。予定が変われば記事も変わります。言い切る前に、どの時点の情報かを戻します。

3.古い説明が表やFAQに残っている

本文だけ直しても、表、目次、FAQ、関連記事の文言が古ければ、読者は迷います。AIへ本文だけを渡した場合は特に、周辺の要素を人が見直します。

よくある質問

Q1.AIに全文を書き直させてもよいですか?

構成を作り直す必要がある場合は使えます。ただし、まず差分表を作り、変更の根拠を人が確認してから本文へ反映します。全文の言い換えと、事実の更新は別の作業です。

Q2.確認資料が多すぎるときはどうしますか?

記事の結論を変える資料から先に読みます。結論に影響しない補足資料は、本文へ入れる前に「後で確認」に分けます。資料の量ではなく、読者の判断が変わるかで優先順位を付けます。

Q3.更新履歴は毎回書くべきですか?

数字、制度条件、結論に影響する変更なら残します。誤字や見出しだけの修正まで細かく並べる必要はありません。読者が「いつの情報か」を判断するために必要な変更を示します。

まとめ|AIの更新案を、そのまま公開しない

AIは、古い説明と新しい資料を並べ、差分候補を出す作業に向いています。一方で、資料の時点、数字の対象、予定と確定の違い、読者に残す結論は人が決める領域です。

更新前の本文、確認資料、更新メモを残し、差分を五つに分け、一般公開ページまで確認する。この順序を守れば、AIは記事を急いで増やす道具ではなく、古い記事を読める状態へ戻す編集助手になります。

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