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得票率60%は有権者の60%?投票率・無効票と合わせて選挙結果を読む

得票率60%は有権者の60%?投票率・無効票と合わせて選挙結果を読む 選挙・世論・政治SNS

「得票率60%で当選」と聞いても、有権者の6割がその候補者に投票したとは限りません。何を分母にした60%なのかで、数字の意味が変わるからです。

有効投票を分母にした得票率なら、投票しなかった人と無効票は含まれません。有権者全体との関係を知りたいときは、投票率と有効・無効投票の数を合わせて読みます。

割合を一つ選んで「これが本当の支持率」とする必要はありません。どの数字が、どの範囲の人や票について説明しているのかを確かめれば、選挙結果の見え方が整理できます。

資料確認日:2026年10月5日

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投票率と得票率は、分母が違う

投票率は、当日の有権者のうち投票した人の割合です。一方、候補者の得票率は、その候補者が獲得した票を、集計対象の票数で割った割合です。

得票率の分母には有効投票数が使われることが多いものの、記事や表を見るときは注記を確かめてください。無効票を含む投票総数との割合を示す資料もあり、呼び名だけでは計算方法を決められません。

知りたいこと 確かめる計算
有権者の何割が投票したか 投票者数 ÷ 当日有権者数
有効票の何割を得たか 候補者の得票数 ÷ 有効投票数
有権者の何割がその人に投票したか 候補者の得票数 ÷ 当日有権者数

いずれも、計算結果に100を掛けると百分率になります。

選挙管理委員会の資料でも、投票と開票は別の表になっていることがあります。たとえば福岡県の2025年知事選結果は、「投票結果」「候補者得票数」「投票の有効・無効等の内訳」を分けて掲載しています。一枚の表だけで答えが出るとは限りません。

架空の選挙で「60%」を計算してみる

次は計算のために作った架空の選挙です。実在の選挙結果ではありません。投票用紙の持ち帰りなどはなく、投票者数と投票総数が同じだったとします。

項目 人数・票数
当日有権者数 10,000人
投票者数 5,000人
有効投票数 4,900票
無効投票数 100票
候補者Aの得票数 2,940票

投票率は、5,000÷10,000×100で50%です。

候補者Aの得票率を有効票から計算すると、2,940÷4,900×100で60%。有効票を投じた人の6割が、Aを選んだことになります。

では、有権者全体に対してはどうでしょうか。2,940÷10,000×100なので、29.4%です。

「有効票の60%を獲得」と「有権者の29.4%がAに投票」は、同時に成り立ちます。一方が正しく、もう一方が誤りという関係ではありません。

この例では投票率が50%でも、単純に60%×50%とは計算できません。得票率の分母から無効票が除かれているためです。候補者の得票数を有権者数で直接割れば、取り違えずに計算できます。

無効票と「投票者数」の扱いを確認する

架空例のAの2,940票を、無効票も含む5,000票で割ると58.8%になります。有効票を分母にした60%とは、1.2ポイントの差です。

無効票が多い選挙ほど、何を分母にするかで差が広がります。候補者間の票の配分を知りたいのか、投じられた票全体を知りたいのかで、見る数字を選んでください。

白票などの無効票は、有効票の得票率には入りません。ただし、無効票の数だけから、全員が抗議のために白票を投じたと判断することもできません。記載内容や無効の理由を示す資料がなければ、そこまでは分かりません。

さらに実際の集計では、投票者数と「有効票+無効票」が一致しない場合があります。用紙の持ち帰りなどを別に計上するためです。鳥取県選挙管理委員会の選挙記録にも、投票総数に「持ち帰りその他」を加えて投票者総数とする関係が示されています。

合計が少し違ったら、すぐに集計ミスと決めず、「持ち帰り」「その他」などの欄まで見ます。自分の計算で区分をまとめ直すより、元の表の区分を保った方が確認しやすくなります。

速報と最終結果、地域と選挙の種類をそろえる

数字を調べるときは、選挙名と投票日を指定して選管の結果ページを開きます。福岡県知事選なら、前掲の県公式ページから、次の順にたどれます。

  1. 「投票結果」で当日有権者数・投票者数・投票率を確認する。
  2. 「候補者得票数」で、調べたい候補者の票を確認する。
  3. 「投票の有効・無効等の内訳」で、得票率に使う分母を確認する。

同じページに「当日有権者見込数」があっても、最終結果の分母と無条件に置き換えないでください。見込みと確定した集計を分けて使います。

次に見るのは対象地域です。一つの市町村の投票率を県全体の数字として読んでいないか。候補者の県全体の得票数を、特定の市だけの有効票で割っていないか。表の見出しと合計欄を見比べます。

国政選挙では、選挙区と比例代表も別の投票です。長崎市の2025年参議院選挙結果のように、同じ日に行われた選挙でも表を分けて公表しています。一方の投票率に、もう一方の得票数を組み合わせてはいけません。

開票途中の得票割合は、まだ数えていない票を含みません。最終結果を説明するときは、開票終了後の資料を使い、途中速報の画像しかない場合はその時刻と開票状況を添えます。

得票から分かることと、分からないこと

得票数から分かるのは、その選挙で、その候補者に数えられた票の数です。有権者に対する割合を計算すれば、投票しなかった人も含めた全体との大きさを示せます。

ただし、その割合を「本当の支持率」と呼ぶと、別の意味を持たせてしまいます。投票しなかった理由は、日程、体調、関心、候補者への評価など、人によって違うからです。棄権した人を全員反対派や無関心層に入れる根拠にはなりません。

候補者への一票も、全政策への賛成を表すとは限りません。複数の候補者を比べた結果として選んだ人もいます。

記事やSNSに数字を書くなら、「有効票のうち60%」「有権者全体では29.4%」と、割合のすぐ近くに分母を置く。それだけで、同じ選挙結果について話しているつもりのすれ違いを減らせます。

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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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