2026年4月から始まった「子ども・子育て支援金」。会社員の給与明細ではいくら引かれ、国民健康保険の人はどう計算するのでしょうか。
私は2024年4月の動画でも、生活に余裕のない人にとって、月数百円が食費にもかかわる負担だと指摘しました。平均額だけを示されても、自分の暮らしへの影響は分かりません。この記事では、実際に引かれる額を確かめます。
在職中の会社員などは、標準報酬月額(社会保険料の計算に使う、等級ごとの月額)×0.23%を基本的に会社と折半します。標準報酬月額が30万円なら、本人負担は月345円です。賞与にも別にかかります。
0.23%は2026年度の率です。国民健康保険や後期高齢者医療制度には、この式をそのまま当てはめません。2026年10月29日時点の公式資料で、加入する保険ごとに整理します。
会社員の月額と賞与の計算
協会けんぽや健康保険組合などの被用者保険(勤務先を通じて入る医療保険)では、2026年度の支援金率は全国一律0.23%です。基本的に半分を事業主が負担するため、本人分は次の式になります。
月々の本人負担=標準報酬月額×0.0023÷2
| 標準報酬月額 | 月々の本人負担 |
|---|---|
| 20万円 | 230円 |
| 30万円 | 345円 |
| 50万円 | 575円 |
| 62万円 | 713円 |
ここでいう標準報酬月額は、その月の額面給与そのものとは限りません。基本給や各種手当を含む報酬を等級に当てはめた金額です。明細に記載がなければ、勤務先の給与担当に確認できます。用語の詳しい説明は日本年金機構の「標準報酬月額」にあります。
賞与は、標準賞与額(社会保険料の計算に使う賞与の額)にも同じ率をかけ、基本的に労使で折半します。標準賞与額を60万円と仮定すると、本人分は60万円×0.0023÷2=690円です。月額の表だけでは、賞与を含む年間負担は分かりません。
率・折半・賞与の扱いは、こども家庭庁の制度案内と被用者保険加入者向けリーフレットで確認できます。この試算は在職中の人が対象です。退職後の任意継続などは、加入先の保険者の案内を確認してください。
天引きが始まった時期
会社員などは2026年4月分の保険料から対象となり、こども家庭庁は「5月に給与天引き」と案内しています。何月分を何月の給与から引くか、明細で独立した項目にするかは、勤務先にも確認してください。
協会けんぽも、一般被保険者について2026年4月分・5月納付分から0.23%と案内しています。毎月の健康保険料全体の増減には、支援金以外の保険料率や標準報酬月額の変化も関わります。明細の前年差だけを支援金の額と決めつけないようにしましょう。
国保・後期高齢者医療の負担
| 加入する医療保険 | 金額の確認先 |
|---|---|
| 会社の健康保険など | 標準報酬月額と支援金率。勤務先・保険者に確認 |
| 市区町村の国民健康保険 | 自治体の条例と所得などで決定。自治体に確認 |
| 後期高齢者医療 | 広域連合の条例と所得などで決定。広域連合・市区町村に確認 |
国保や後期高齢者医療も2026年4月分から対象ですが、具体的な徴収開始時期は地域の案内によります。納付通知書の「子ども・子育て支援金分」などの内訳を見てください。全国の平均額を、そのまま自分の請求額として使うことはできません。
職業などに応じた国民健康保険組合に加入している人は、所属する組合の規約・通知で確認してください。厚生労働省の国保組合規約例でも、支援金に対応する保険料の定めが設けられています。
子育て世帯と独身者の扱い
独身者だけに課される制度ではありません。子育て中の世帯や高齢者も含め、加入する医療保険の仕組みを通じて負担します。子どもがいることだけを理由に、支援金が一律免除になる制度でもありません。
政府は、こどもや子育て世帯を社会全体で支えるための仕組みと説明しています。「独身税」という呼び方では、実際の対象や計算方法までは分かりません。負担を確かめる際は、婚姻状況より先に加入する医療保険を確認する必要があります。
支援金の使い道と「実質負担ゼロ」
支援金は、児童手当の拡充、妊婦のための支援給付、こども誰でも通園制度、出生後休業支援給付、育児時短就業給付、育児期間中の国民年金保険料免除の財源に充てるとされています。集めた支援金が、各人に同額戻る仕組みではありません。
政府の「実質負担がない」という説明は、社会保障の歳出改革による保険料負担の軽減で、支援金による負担を相殺するというものです。こども家庭庁のリーフレットでも、この考え方を示しています。
一方、給与や賞与から支援金が徴収されることも、同じ資料に明記されています。「実質負担ゼロ」という説明だけで、個人の給与明細の支援金が0円になるわけではありません。制度全体についての政府の説明と、自分が支払う額は分けて確かめる必要があります。
私が当時の動画で疑問を示したのは、会社も支援金を負担するのに、賃上げへの影響はないと言い切れるのか、という点でもありました。本人負担と会社負担の両方を示し、家計と雇用への影響を具体的に説明してほしい。この問いは、実際の負担を検証するうえでも外せません。
自分の負担を確かめる手順
- 加入する医療保険を確認する。
- 会社員などは標準報酬月額、支援金率、本人負担分を給与明細・勤務先で確認する。賞与明細も見る。
- 国保・後期高齢者医療は、納付通知書の支援金分と徴収月を確認する。
子育てに関する支援では、自営業・フリーランスなどの国民年金保険料の育児免除も別に始まっています。支援金を支払うことと、個別の給付・免除の対象になることは、それぞれの条件で確認してください。
一次資料・確認先
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- こども家庭庁「被用者保険加入者向けリーフレット」PDF
- こども家庭庁「加速化プランによる子育て支援の拡充」
- 協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」
確認日:2026年10月29日。本文の率と試算は2026年度のものです。今後の年度の率や、個別の請求額は最新の公式案内を確認してください。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT(モデル・推論レベルは記録なし)


