記事タイプ:制度解説・検察審査会の仕組みと不起訴相当の意味
最終更新:2026年7月27日
検察審査会は、検察官が事件を裁判にかけなかった判断を、くじで選ばれた市民11人が審査する制度です。「不起訴相当」は、その判断を妥当と認める議決です。
2024年の兵庫県知事選をめぐる公職選挙法違反容疑で告発された斎藤元彦知事について、神戸第1検察審査会は、神戸地検の不起訴処分を「不起訴相当」と議決しました。この審査から再捜査や強制起訴へ進む手続きは、ここで終わりました。
この記事は、2026年7月までの経緯を基に、市民による審査の仕組みと、議決後も知事に求める説明を解説します。
※動画字幕と一次資料・報道を照合して構成しています。
市民11人が、不起訴の判断を審査する
事件を裁判にかけることを「起訴」、かけない処分を「不起訴」といいます。検察審査会は、検察官の不起訴判断を市民の視点で審査します。
検察審査会法に基づき、各地の裁判所内に置かれています。犯罪の被害者や告訴・告発をした人などの申し立てを受け、捜査記録や提出資料を調べます。申し立てがなくても、新聞記事などをきっかけに審査を始める場合があります。
議決には主に3種類あります。
| 議決 | 意味 | 必要な賛成 |
|---|---|---|
| 不起訴相当 | 検察の不起訴判断は妥当 | 過半数 |
| 不起訴不当 | 不起訴はおかしい、再捜査すべき | 過半数 |
| 起訴相当 | 起訴すべき | 11人中8人以上 |
「起訴相当」の後、検察が再び不起訴とすると、審査会はもう一度審査します。そこで11人中8人以上が「起訴すべき」と議決(起訴議決)すれば、裁判所が指定した弁護士が検察官に代わって起訴します。これが「強制起訴」です。
今回の議決は「不起訴相当」でした。この審査から検察に再捜査を求めたり、強制起訴へ進んだりする手続きは終了しました。
PR会社への71万5000円が、選挙運動の報酬だったか
審査の対象は、2024年11月の兵庫県知事選をめぐり、斎藤知事側がPR会社に支払った71万5000円が公職選挙法の禁じる買収・利害誘導に当たるかという点でした。
知事選後、PR会社の社長は、斎藤陣営の「広報全般を任された」として、SNS運用の戦略立案などを担ったとインターネット上に投稿しました。斎藤氏側は、ポスター制作など5項目の業務の対価として、同社に計71万5000円を支払っていました。
公職選挙法は、選挙運動への報酬支払いを原則として禁じています。元検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大の上脇博之教授は2024年12月、この支払いをめぐって知事と社長を刑事告発しました(出典:神戸新聞NEXT・読売新聞)。
神戸地検は2025年11月、選挙運動の報酬と認定する証拠が足りないとして、2人を嫌疑不十分で不起訴にしました。告発人側は知事の処分を不服とし、検察審査会に審査を申し立てました。
「不起訴相当」は、検察の不起訴判断を妥当とする議決
神戸第1検察審査会は、2026年6月17日付の議決で、知事の不起訴処分を「相当」としたと報じられました。当時参照した報道によると、議決書には「記録を精査し、慎重に審査した結果、検察官がした裁定は相当である」とあります(出典:神戸新聞NEXT・時事通信)。
今回は「不起訴相当」だったため、検察審査会のこの審査ルートでは、再捜査を求める議決や強制起訴の手続には進みませんでした。申立人の上脇教授は「納得はできないが、これ以上は法的には争えない。残念だ」と述べています。一方、斎藤知事は定例会見で「捜査機関における不起訴、検察審査会における不起訴相当という判断をしっかり重く受け止めている」と述べています(出典:朝日新聞・関西テレビ)。
不起訴判断は妥当とされた。支払いや広報の説明は別に問う
この事件で検察が不起訴にした理由は、嫌疑不十分と報じられています。「不起訴相当」は、その不起訴判断を妥当とする審査会の結論です。検察の処分理由を表す「証拠不十分」とは、意味が違います。
動画で問うているのは、刑事手続の判断に加え、PR会社社長の投稿と実際の業務・支払額を、知事側がどう説明するかです。
動画では、県の内部告発への対応について、第三者機関の指摘や、県議会・百条委員会での対応も取り上げています。今回の議決が対象にしたのは知事選の支払いであり、これらの県政上の説明まで解決したとするものではありません。政治家として何を説明したかは、刑事責任とは別に問われます。
この議決への評価については「これで兵庫の問題は決着した」という見方と「真っ白になったわけではない」という見方があり、動画でも評価が分かれている現状を紹介しています。
よくある質問
Q1. 不起訴相当とはどういう意味ですか?
検察官の不起訴判断を妥当と認める結論です。この審査から再捜査や強制起訴へ進む手続きは終了します。裁判所が証拠を調べて出す無罪判決とは異なります。将来、別の法的手続きが可能かは、その手続きの条件で判断されます。
Q2. 検察審査会のメンバーはどうやって選ばれるのですか?
選挙権を持つ国民の中からくじで選ばれた11人で構成されます。任期は6か月で、裁判員制度と同様に一般市民が司法参加する仕組みです。審査の過程は非公開ですが、議決の要旨は公表されます。
Q3. 強制起訴になるのはどんな場合ですか?
最初に11人中8人以上が「起訴相当」と議決し、検察が再び不起訴とした後、2回目の審査でも8人以上が「起訴すべき」と議決(起訴議決)した場合です。裁判所が指定した弁護士が検察官に代わって起訴します。今回は最初の結論が不起訴相当だったため、この手続きはありません。
市民の審査は終了。知事の説明は資料と照合する
- 検察審査会は、くじで選ばれた市民11人が検察の不起訴判断をチェックする制度
- 斎藤知事のPR会社への71万5000円をめぐる公選法違反容疑は、神戸地検が嫌疑不十分で不起訴とし、神戸第1検察審査会も2026年6月17日付で不起訴相当と議決
- 不起訴相当だったため、この審査を契機とする再捜査・再検討には進まなかった
- 本件の不起訴理由は嫌疑不十分と報じられているが、「不起訴相当」という議決名自体が常に証拠不十分を意味するわけではない
- 内部告発問題への対応など、政治的・行政的な説明責任の論点は刑事とは別に残る
「不起訴」のニュースでは、検察が示した処分理由と、検察審査会の議決を読むと、どの判断が審査されたかが分かります。知事の説明が十分かは、業務の内容や支払いの資料と照合して評価します。
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出典・確認資料
- 対象YouTube動画:https://www.youtube.com/watch?v=5mzU5N9P05E
- 神戸新聞NEXT「兵庫県知事選巡る公選法違反容疑で不起訴の斎藤知事 検察審査会が議決『不起訴相当』」
- 朝日新聞(Yahoo!ニュース配信)「斎藤知事は『不起訴相当』 検察審査会、兵庫県知事選めぐり」(確認時点でリンク先を取得できませんでした)
- 読売新聞(Yahoo!ニュース配信)「斎藤元彦・兵庫県知事は『不起訴相当』PR会社への報酬支払いで、神戸第1検察審が議決」(確認時点でリンク先を取得できませんでした)
- 時事通信「兵庫の斎藤知事、『不起訴相当』 24年選挙で買収容疑―検審」
- 関西テレビ(Yahoo!ニュース配信)「『不起訴相当』議決受け 斎藤知事『判断をしっかり重く受け止めている』」(確認時点でリンク先を取得できませんでした)
- 裁判所「検察審査会での審査の流れ」
- 裁判所「検察審査会制度の概要」
- 検察庁「検察審査会」
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※不起訴相当の判断、22市長、23馬力に関する説明は動画側の公開情報です。検察審査会の議決書、検察発表、関係者の公式説明との照合が必要です。本記事の確認済み事実として追加していません。



