県議の夕食会に、1人20万円。5人で100万円。この支出を、県民にどう説明するのか。
共同通信は9月15日、2025年11月のパリ訪問で、蔵内勇夫・元福岡県議会議長ら県議5人の夕食会参加費を県が公費で負担したと報じた。食に関する国際イベントの関連行事で、同行した服部誠太郎知事は無料招待だったという。共同通信/日刊スポーツ
公費で海外の食の催事に参加する以上、必要性を問われるのは当然だ。まして、県の支出を監視する議員自身が参加する。県にも参加議員にも、金額に見合う説明が求められる。
県が選んだというなら、選定の記録を出すべきだ
9月16日のFBS報道では、県観光振興課は県議5人の出席を県が決めたと説明している。参加した椛島德博・新政会県議は、20万円という費用を知らなかったと述べ、返還すべきであれば返す考えを示した。FBS/ライブドア
県議会の訪問報告書も、知事の参加要請を受け、9月定例会の議決に基づいて派遣したと記している。県議会・訪問報告書、本文1頁
この経緯を踏まえると、蔵内氏一人が金額や人選を決めたと断定することはできない。だからこそ、県の決定過程が問われる。誰が、どの段階で、県議5人の参加が必要だと判断したのか。1人20万円と把握して承認したのは誰か。
案内状、料金表、参加者を決めた決裁文書、請求書を示せば、説明は具体的になる。「県が決めた」と述べるだけでは、その判断が妥当だったかを県民は確かめられない。
参加議員も、自分は誰と何を話し、県のために何を持ち帰ったのかを説明すべきだ。費用を知らなかったという事情は、参加の成果を語らなくてよい理由にはならない。
約5031万円は旅行全体の数字だ
公費を批判する側も、数字を大きく見せてはならない。
県の経費資料69~71頁にあるパリ訪問の各費目を合算すると、5030万8000円となる。これは千円単位に丸めて公表された金額を足したものだ。執行部と議会の旅費に加え、現地活動の手配、県産品のPR、観光セミナーなどを含む。夕食会だけの費用でも、蔵内氏一人に使った額でもない。県・海外活動経費内訳
さらに、この県資料には議会旅費1143万6000円が含まれ、議長と議員4名、事務局3名を執行部予算で支出したと明記されている。県議会が別に公表する経費1407万7000円にも、同額の旅費が載る。両方をそのまま足せば、少なくとも旅費を二重に数える。 県議会・パリ訪問団経費
一方、確認した県の経費内訳では、報道された夕食会100万円を独立した項目として見つけられなかった。既存の費目に含まれるのか、その場合はどこか。これは請求書や支出記録で確かめるべき点であり、直ちに未計上を意味するものではない。
「送客実績がある」なら、その中身も示してほしい
県は、訪問後の成果について、現地旅行会社への働きかけを行い、参加した旅行会社から福岡への送客実績が出ていると公式に回答している。海外への売り込み自体を無意味と決めつけるつもりはない。県民の声への県の回答
ただし、この回答には人数、対象期間、宿泊数などが示されていない。旅行全体の成果があったとしても、県議5人分の夕食会費が必要だったかという問いは残る。
担当職員や知事だけでは果たせなかった役割は何か。議員の参加が商談や関係づくりに役立ったというなら、その説明を聞きたい。「PRだった」という目的の説明だけで、人数と費用の検証を終わらせてはならない。
蔵内氏らの説明と、支出資料の公開を求める
県議会側の経費資料には、現地手配等の委託費が当初175万7000円から264万1000円になったことも記されている。差額88万4000円について、何が追加されたのか。県側の経費との関係も含め、変更契約書と精算書で確認したい。増額そのものが不正の証拠になるわけではない。県議会・経費内訳
県は9月17日、海外活動を調べる第三者委員会を設置したと公表している。県・改革の地図
調査の結論とは別に、支出を決めた側と参加した側は、自分の判断を説明できるはずだ。県には決裁と支払いの記録を、蔵内氏らには参加の必要性と活動内容の説明を求める。
県民が知りたいのは、豪華な食事の感想ではない。なぜその100万円を県民が負担する必要があったのか。 その問いに、資料を伴って答えてほしい。
調査基準日:2026年9月19日。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ChatGPT

