蔵内勇夫・元福岡県議会議長が所長を務めるFOF(FAVAワンヘルス福岡オフィス)への支援について、福岡県の資料から次に確かめるべきことが見えてきた。予算額、契約相手を選ぶ理由、成果の数え方である。公費を使う以上、この三つを県民が検証できなければならない。FOF所長挨拶

4年度の当初予算は1億803万8千円、実支出は年度別確認が必要
県の当初予算資料にあるFOF活動支援は、2023年度2,426万5千円、2024年度2,915万3千円、2025・2026年度は各2,731万円。4年度分の合計は1億803万8千円になる。2023年度・2024年度・2025年度・2026年度
この金額は4年度の当初予算の合計だ。2026年度は進行中で、支出実績は別に確認する必要がある。FOFへの現金交付額や、蔵内氏個人の受取額を示す数字ではない。
県は、FOF誘致後に締結した覚書に基づき、事務所賃借料、電気使用料、清掃費を現物で提供すると説明している。福岡の国連ハビタット事務所と同様の支援枠組みだという。県の説明
実支出については、NHKが9月17日、県の説明として、FOF事務所の賃料などに前年の2025年までに総額約6,000万円を支出し、研修目的で県職員1人が出向していると報じた。県の説明を伝える報道であり、年度別の会計記録そのものではない。4年度の当初予算とは期間・範囲がそろわず、予算と支出という性質も違う。差額を不明金とは言えない。NHK報道
県は、年度別の予算と決算を、費目と支払先までたどれる一覧で示すべきだ。県が貸主や業者へ直接払った額、FOFに渡した金銭があればその額を区別し、契約書、請求書、支出命令書と照合する。FOF側の寄付や講演収入など自主財源も含め、同じ経費に重ねて充てていないか確かめる必要がある。ここで求めているのは、重複の有無を検証できる会計資料だ。重複支出そのものは未確認である。
今回確認できた2024年度の国際連携事業全体の決算は7,278万5千円だが、これにはフォーラムなども含まれる。FOF単独の年度別決算は取得できていない。事業全体の数字で、FOFへの実支出が分かったことにはできない。県の実施状況報告書・PDF62頁
県獣医師会への随意契約は、教材作成や授業の実績が理由
県獣医師会への2025年度の随意契約には、幼稚園・保育所等のワンヘルス教育689万円、私立学校の教育481万8千円がある。県は、過去の教材作成や授業実績、専門知識、関係機関とのネットワークを挙げ、対応できる他の事業者がいないと説明している。幼稚園・保育所等の契約理由・PDF2頁・私立学校の契約理由・PDF5頁
専門性や教育の継続性を重視する理由は理解できる。随意契約であることだけで違法とは言えない。ただ、過去に県と教材を作った実績が、次も同じ団体へ発注する理由になるなら、受託先が固定される仕組みになっていないかを検証すべきだ。
他の事業者の能力は、いつ、どの範囲で調べたのか。専門家の監修と教材制作・授業運営を分ける方法は検討したのか。県費で作った教材を他の担い手も使える契約なのか。契約額の妥当性を何と比較したのか。県は理由書の結論に加え、その判断を支える記録を示す必要がある。
「海外参加者92人」の集計方法を示せ
県の2025年度事務事業評価書は、2024年度の国際フォーラムの「海外からの参加者数」を92人としている。一方、実施状況欄にある2025年2月の第5回フォーラムは、参加者249人、うち海外8人。オンデマンド配信は全体220回、うち英語版84回の再生だ。県の評価書・PDF7〜8頁
8と84を足すと92になるが、県が採用した集計方法は未確認だ。県には、92人をどう数えたかを示してほしい。数字の一致だけで水増しと判断することはできない。英語版の再生を含むなら、海外からの視聴をどう確認し、同じ人の繰り返し再生や会場参加との重複をどう扱ったのか。「人数」と「再生回数」の関係を説明してほしい。
県の原文は、英語版の再生回数に「聴講者数」と括弧書きを添えている。この読み替えの条件が分かれば、何を実績として数えたのかも確認できる。
県自身も同じ評価書で、海外研究者への周知や国際的な認知が十分でないと評価し、配信開始までの時間も課題としている。FOFの国際的ネットワークを生かす体制見直しも記載した。ならば、改善前後の成果を同じ基準で比べられるよう、集計定義を明らかにするべきだ。
同じ資料で県は、FOF支援経費を実績に基づいて縮減すると説明している。その見直しの内容を確かめるためにも、費目別に予算と実支出を並べて示してほしい。
蔵内氏は6月11日の会見で、政策の話はしているが、予算を付けるよう求めることはしていないと説明し、自身の政治活動で経費が余計に付いているとの見方も否定した。その説明は踏まえる。県議会の会見録
蔵内氏にも、FOF所長として説明してほしい。県の会計資料に加え、支援を受ける団体が負担した費用と、成果として報告した内容が必要だ。双方の記録をそろえることで、支援の実態を検証できる。
公費を決め、支払い、成果を評価する県の説明責任も残る。支払先別の決算、随意契約の比較検討記録、92人の集計根拠。この三つを出すことが、疑問に具体的に答える第一歩だ。
調査基準日:2026年9月19日。
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT


