公益通報の対象法律に2法を追加する案 10月30日まで意見募集

消費者庁は2026年10月1日、公益通報者保護法の対象となる法律に、教育・保育現場のこどもへの性暴力防止に関する法律と、民事裁判情報の活用に関する法律を追加する政令案について、意見募集を始めました。締切は同年10月30日23時59分です。

現時点では、追加に向けた「案」の段階です。10月1日に2法が直ちに追加されたわけではありません。何を対象に加え、いつから適用する案なのかを、公開資料から整理します。消費者庁の意見募集一覧

追加する案は2つに分かれている

1つ目は「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」です。教育・保育などの場でこどもへの性暴力を防ぐための法律を、公益通報者保護法の対象法律に加える案です。

公表された概要では、追加部分の施行日を、その法律が施行される2026年12月25日としています。意見募集の案件番号は235040017です。案1の概要

2つ目は「民事裁判情報の活用の促進に関する法律」です。こちらも、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として追加する案です。案件番号は235040018で、施行日は同法の施行の日とされています。概要資料には具体的な年月日の記載がありません。案2の概要

両案は同じ名称の政令改正ですが、対象法律と施行時期が異なります。意見を出す場合は、案件番号まで確かめる必要があります。

対象法律への追加が意味すること

公益通報者保護法は、あらゆる不満や不適切な行為の申告を、一律に同じ条件で保護する仕組みではありません。通報者の立場、仕事上の関係、通報内容、通報先などに要件があります。

そのうち、通報する事実の根拠となる法律を定めるのが、法律の別表と、それを補う政令です。今回の案は、この政令に2法を加えるものです。

対象法律になっても、その法律に関係する話なら何でも自動的に保護されるとは限りません。犯罪行為や過料対象行為、最終的に刑罰・過料につながる法令違反など、法が定める「通報対象事実」に当たるかの確認が必要です。消費者庁の基本的事項に関するQ&A

一方、通報者が必ず正確な条文番号まで示さなければならないわけでもありません。消費者庁は、公益通報に当たるかを判断でき、調査や是正ができる程度の具体的な事実を知らせることが必要だと説明しています。通報対象事実に関するQ&A

意見募集への提出と 個別の通報は目的が違う

今回のパブリック・コメントは、政令案について意見を募る手続きです。個別の被害や違反を調査してもらうための通報窓口とは、役割が異なります。

提出を検討する人は、e-Govの各案件ページで「意見公募要領」と「概要」を読み、対象となる案、提出方法、締切を確認してください。制度上の追加範囲や施行時期への意見と、個別事件の相談を混同しないことが大切です。

今後は公布された政令と施行日を確認する

今回確認できるのは、2法を追加する案と、10月30日までの意見募集です。募集後の政府の考え方、最終的に公布される政令、施行日を追う必要があります。

私は、今回の2法を公益通報の対象法律に加える方向を評価します。対象となる法律を追加し、保護の仕組みに位置付けることには意味があると考えます。現時点ではあくまで案であり、今後の公布内容と施行日を確認する必要があります。

通報先と保護要件の全体像は、公益通報のやり方で整理しています。

情報確認時点:2026年10月1日。この記事は公表資料に基づく制度解説です。個別の通報が保護されるかは、具体的な事情により判断が異なります。

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