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減価償却費は今年払った税金?自治体の財務書類と現金支出の違い

情報確認日:2026年10月14日

自治体の財務書類にある減価償却費は、その年に税金から支払った工事代や修繕費ではありません。過去に取得した建物などの費用を、使用する期間へ配分したものです。今後の更新財源を知るには、償却額と現金支出を分け、基金、予算、施設の更新計画を併せて確認します。

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支出しない年にも、建物を使う費用は計上される

学校や庁舎などは、建設した年度だけでなく、その後も長く行政サービスに使われます。取得した費用を使用する各年度へ配分する会計処理が減価償却です。

福岡県の財務書類の説明は、統一的な基準の書類で、資産・負債とともに「支出を伴わない減価償却費等」のコストを明らかにすると説明しています。つまり、コストの計上と現金の支払いは別です。

建設年度に資金を支出した建物でも、使っている後年度に減価償却費が計上されます。その額を歳出決算の工事代へもう一度足して、「同じ年度にそれだけ現金を使った」とすると意味が変わります。

1,000万円の設備を10年で配分する仮定例

仕組みを単純に示すため、取得費1,000万円、使用期間10年、残存価額ゼロ、毎年均等に配分すると仮定します。実際の自治体の耐用年数や計算額ではありません。

この場合、年100万円の減価償却費を計上します。購入した年度に1,000万円を払ったとしても、その後の年100万円の計上は、毎年100万円を業者へ支払う取引ではありません。

数字 示すこと
購入時の現金支出 設備取得のために実際に払う資金
毎年の減価償却費 取得費を使用期間に配分した当期の費用
将来の更新費 次の設備を取得する際に必要になる費用

現実の償却は、取得時期、資産の区分、耐用年数、残存価額などの会計基準に従います。この仮定例の10年を、すべての設備の寿命だと思わないでください。

四つの財務書類で、資産・費用・現金を分ける

地方公会計の財務書類には、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書があります。福岡市の公表案内も、現金主義の決算を補完する書類として説明しています。

減価償却費を調べる最初の場所は行政コスト計算書です。建物などの資産と減価償却累計額は、貸借対照表や固定資産台帳、附属明細書で確認します。現金の動きは資金収支計算書や歳入歳出決算書を見る目的です。

ただし、すべての連結資料に同じ四表が掲載されるとは限りません。福岡県は、連結対象団体の多くが資金収支計算書を作成していないため、連結の資金収支計算書を作成しないと説明しています。見つからないときは、公表範囲と注記を先に確認します。

償却費と同額が、自動的に積み立てられるわけではない

減価償却費を計上しても、それだけで銀行に現金が積み立てられたり、更新の基金が増えたりするわけではありません。将来の工事の財源は、基金、地方債、補助金、一般財源などの計画を別に読む必要があります。

また、過去の取得費を配分した額は、将来の建て替え費用と同じとは限りません。工事単価、建物の規模、性能の変更などで必要額が変わるためです。「償却額を毎年確保すれば必ず十分」とは判断できません。

修繕費は、実際に行う維持・修理の内容に関わる費用です。大きな工事が資産の取得・改良として扱われるか、当期の費用になるかは、工事の性質と会計基準によります。名称が「改修」だから一律に同じ処理と決めないでください。

土地など、一般に減価償却しない資産もあります。自治体の資産総額が大きいことだけで、毎年の償却費や現金支出が大きいとは言えません。

帳簿上の価額と、施設の安全性を混同しない

償却が進んだことは、取得費の配分が進んだことを示します。帳簿の額だけで、その施設が今年使えなくなるか、安全か、今いくらで売れるかは分かりません。

更新や修繕の優先順位を知るには、公共施設等総合管理計画、個別施設計画、劣化調査、利用状況、工事の予算・決算を読みます。会計上の経過と、現場の状態を示す資料をつなぐ必要があります。

自分の自治体の資料を探す手順

自治体公式サイトで「財務書類」「地方公会計」「固定資産台帳」を検索し、対象年度と、一般会計等・全体・連結のどの範囲かを確認します。資料の更新日が今年でも、対象決算年度が今年とは限りません。

行政コスト計算書の減価償却費を読み、附属明細書や台帳でどの資産に関する額かを確認します。次に施設計画の更新予定と、基金・予算の財源欄を照合します。

分からない項目は自治体の財政・会計担当へ、書類名、年度、ページ、会計区分を伝えます。減価償却費は公共施設を使うコストを知る材料であり、今年の現金支出や将来の修繕費をそのまま示す数字ではありません。

参照資料

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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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