尼崎市の松本眞市長は尼崎市文化振興財団の理事長として報酬を受けているとの情報に対し、「無報酬」と説明しています。稲村和美元市長が財団の理事に就任しているという情報も否定しました。
ここで確かめたいのは、財団への補助金があることと、市長個人が報酬を受け取ることが、いつの間にか同じ話になっていないかです。役員名簿と報酬規程から分かることを、市長の説明と照らします。
市長が否定した情報
10月29日収録の動画で紹介した松本市長の投稿では、財団理事長として報酬を受けているという話を否定し、財団が施設管理や演奏会、美術展などを担う団体であると説明しています。市から財団への支出そのものを否定した話ではありません。市長の該当投稿
また、稲村氏の財団理事就任を否定した投稿も紹介しました。「市長」「財団の理事長・理事」「大学の学長」は、それぞれ別の役職です。人名や組織名が似た話題に出てくるからといって、就任先まで結び付けることはできません。稲村氏についての投稿
動画では、こうした情報に市長が具体的に反論している点を取り上げました。公金の使い方への批判はあってよい。その議論をするためにも、誰がどの役職に就き、どのお金を受け取ったという話なのかを、先に正確にしたいところです。
名簿と報酬規程の記載
財団公式サイトの役員名簿は2026年6月25日現在のものです。理事長には松本眞氏、理事には学校法人園田学園理事長の齊藤悦一氏などが記載され、稲村和美氏の名前はありません。財団の役員名簿
この名簿は、誰が役員として掲載されているかを確かめる資料です。一方、個人がいくら受け取ったかを示す支給明細ではありません。名簿の基準日より後の異動すべてを証明する資料でもないため、稲村氏の現在の役職については、市長が否定している内容と対応させて読む必要があります。
報酬規程の別表には、理事長・副理事長の総額について120万円以内という枠があります。第3条第2項は、その範囲内で理事会が報酬を定める仕組みです。役員等の報酬及び費用に関する規程
つまり、上限額の記載から「松本市長が120万円を受領した」とは読み取れません。松本市長本人は無報酬と説明しており、今回、個人への支給決定や支払いの記録までは確認していません。規程上の枠と実際の受領額を混ぜると、資料を示したつもりでも、資料にない結論を広めることになります。
補助金の議論は、何を市民に届けたかへ
財団への補助金が適切かどうかは、事業の内容や必要な経費、成果を見て論じる問題です。市長が無報酬と説明したことで、補助金の使い方まで自動的に妥当だと決まるわけではありません。
逆に、補助金が交付されているというだけで、市長個人への利益になったとも言えません。議論の対象は財団の仕事、市の予算、個人への支払いのどれなのか。そこが曖昧なままでは、金額の印象だけが先に広がります。
財団は事業計画・予算書と事業報告・決算書を公開しています。また、公式サイトは総合文化センターの文化棟・大ホール棟が2026年4月から休館する一方、あましんアルカイックホール・オクトは営業していると案内しています。「施設が閉まった」という一言でも、どの施設を指すかを確かめる必要があります。財団の公開資料と案内
動画でも、公には公の役割があり、収益性だけで文化施策を考えてよいのかという点に触れました。利用する市民に何を届けたか、休館中にもどんな仕事と費用があるか。それを資料で問い、説明を求める議論と、役職や個人報酬について誤った前提を置く話を、一緒にしたくありません。
※2026年10月30日確認。10月29日収録の動画をもとに、公開資料を追加確認しました。市長の投稿内容は動画内の紹介と取得できた転載本文で確認しており、X原本の現行表示と個人別の支給記録は未確認です。
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT。10月29日収録の動画をもとに、AIが資料整理と記事化を補助。


