地方議員や首長が関係する政治団体で、収支報告書を2年続けて提出していなかった団体が全国に158あったと、JNNが10月7日に報じた。JNNの報道
いわゆる「みなし解散」の問題だ。収支報告書を2年続けて提出しないと、政治活動のために寄附を受け取ったり、支出したりできなくなる。
私は、これは首長や地方議員の資金管理を問う問題だと考える。報告書は、政治資金の動きを有権者が確かめるための基本的な資料だからだ。
「みなし解散」で、何ができなくなるのか
政治資金規正法の第17条第2項は、収支報告書を2年続けて提出しなかった政治団体について、設立届を提出していない団体とみなすと定めている。
その結果、第8条により、政治活動のための寄附を受け、政治活動のために支出することができなくなる。選挙運動のための寄附受領と支出も含まれる。
つまり、単に書類が一枚遅れたという扱いではなく、政治資金を扱ううえで重大な制限が生じる状態だ。
一方、首長や議員本人の政治活動が全面的に禁止される制度ではない。会社の法人登記が解散する手続とも違う。
大阪府選管の「政治団体の手引き」は、こうした適用を受けた団体にも、解散の手続が必要だと説明している。再び寄附受領や支出をするには、旧団体の解散と新たな団体の設立の手続が必要になる。
収支がゼロでも、報告する義務がある
同法第12条第1項では、会計責任者が毎年の収支等を報告する。記載する事項がない場合も、その旨を報告しなければならない。
資金の出入りがないことは、提出を省いてよい理由にならない。
JNNの取材に対し、自民党の田畑仁・泉南市議は、資金の出入りがないことに甘えていたとして、自分の落ち度だと説明した。報道の本文を確認できる転載ページ
私は、この説明に管理の甘さが表れていると感じる。収支がないなら、ないと報告する。それも政治団体の管理であり、有権者への説明の一部だ。
首長の関係団体でも、未提出が確認された
茨城県選管の公表資料には、「金子としあき後援会」、代表者「金子敏明」が、第17条第2項の適用対象として掲載されている。茨城県選管・2026年6月2日の公表資料
JNNは、かすみがうら市の金子敏明市長の関係団体も報告書を提出していなかったと報道。金子氏は資金の私的使用を否定し、新たな同名団体へ適法に引き継いでいると説明している。
引継ぎの適法性や完了を、本記事で確認したわけではない。ここで確認できるのは、未提出による適用と、本人の説明である。
同名の団体をつくったからといって、未提出だった期間の資金管理への疑問が消えるわけではない。関係者は、報告が抜けた理由と、残っていた資金をどう扱ったのかを、記録に基づいて説明すべきだ。
会計責任者任せで、確認を止めてよいのか
毎年の提出義務を直接負うのは会計責任者である。だからといって、政治団体を率いる代表者が、提出の確認まで任せきりにしてよいということにはならない。
首長や議員が代表者なら、会計責任者をどう選び、どう監督していたのかが問われる。代表者でない場合も、自分に関係する団体として、誰が管理し、報告が提出されているかを確かめるべきだと私は考える。
年次報告が2年続けて抜けたなら、提出を確認する体制がどうなっていたのかを説明してほしい。
有権者には法や制度を守ることを求め、自分たちの政治資金では基本的な報告を怠る。その管理不足を、細かい事務の問題で済ませてよいはずがない。
未提出だけで、私的流用や意図的な隠蔽があったと決めつけることはできない。しかし、公開されるはずの情報に空白を生じさせた責任は、十分に重い。
158という数字は、JNNが調べた地方議員・首長の関係団体についての集計だ。首長や議員158人という意味ではない。この問題を、関係する政治家一人ひとりの管理と説明の責任として問う必要がある。
制度説明は10月8日に確認した法令・選管資料に基づきます。全国の集計と取材への回答はJNN報道によります。
執筆:カネさん(政経プラスチャンネル運営)/構成・出典確認補助:ChatGPT

