全国知事会のSNS選挙対策とは?偽情報・AI動画・収益化を一次資料で整理

政治SNS・メディア

「全国知事会がSNS選挙対策を決議した」「2024年兵庫県知事選はSNSで決まった」――。このような見出しを見かけても、まず確認したいのは、全国知事会が実際に何を公表したのか、そして選挙結果から何が分かるのかです。

確認できた公式資料を先にまとめると、全国知事会は、選挙における偽情報、フェイク動画、誹謗中傷、収益目的の発信などを問題として取り上げ、制度やメディアリテラシーの見直しを国に求めてきました。2026年7月13日には、公職選挙法などの改正法成立を受けた会長コメントを公表しています。

一方、全国知事会の資料や兵庫県の開票結果だけから、SNS上の発信が特定候補の当選を引き起こしたと証明することはできません。制度への提言、選挙の公式結果、個別の投稿や動画の主張を分けて読みます。

全国知事会が公表したのは「決議」だけではない

2026年7月13日、全国知事会は「公職選挙法の一部を改正する法律等の成立を受けて」と題する阿部守一会長(長野県知事)のコメントを公開しました。

この資料は、全国知事会議で採決した「SNS選挙対策決議」という形ではありません。改正法の成立を受けた会長コメントとして、近年の選挙で偽情報、フェイク動画、誹謗中傷などが問題になっているとの認識を示し、国の法改正を評価しています。

コメントは、全国知事会が2025年10月に「地方自治・民主主義の確立に向けた研究会」を設置し、インターネット選挙運動を含む選挙制度全般を議論したこと、その後にSNSの利用に対する新たな規制や偽誤情報の拡散防止を要請してきたことを説明しています。

したがって、記事の見出しでは「決議」と一括りにせず、会長コメント、研究会報告、過去の提言をそれぞれの資料名と日付で示す方が正確です。

研究会の資料が指摘したSNS選挙の論点

全国知事会が公開する2026年4月の「地方自治・民主主義の確立に向けた研究会 報告書 概要案」は、選挙制度を5つのテーマに分けて整理しています。

SNSに関係する部分では、偽誤情報の流布、SNS上の誹謗中傷、極端な情報を収益目的で発信する動画などを課題として挙げています。さらに、アルゴリズムで偏った情報に触れやすくなる状況を踏まえ、若年層だけでなく、SNSを使う人全体のメディアリテラシーが必要だとしています。

ここで注意したいのは、この資料が個別候補者の選挙運動を違法と認定する裁判所の判断ではないことです。全国知事会の研究会が示した問題意識と政策提言の方向性です。投稿や動画の適法性は、投稿者、時期、内容、対価の有無、選挙運動に当たるかなどを個別に確認しなければなりません。

2026年7月の法改正について、会長コメントが説明したこと

全国知事会の7月13日コメントは、成立した改正法について、SNS利用者には偽情報を投稿しないことや、生成AIを利用した映像などにその旨を表示する責務が盛り込まれたと説明しています。また、事業者には、偽誤情報の拡散が選挙へ与える悪影響を軽減する措置が盛り込まれたとしています。

これは全国知事会会長コメントによる法改正の説明です。記事では、コメントの内容と、e-Govで確認する法令本文・施行日・政省令を分けて示します。制度の施行状況や表示方法の細部は、公開直前に最新の法令・総務省資料で再確認します。

また、SNSの利用が選挙で認められていることと、どのような投稿でも許されることは別です。選挙運動の期間、主体、内容、広告や対価の有無によって確認事項が変わります。「SNSだから違法」「動画だから合法」と単純化しないことが大切です。

2024年兵庫県知事選で公式に確認できる事実

兵庫県の公式ページによると、令和6年(2024年)兵庫県知事選挙は2024年11月17日に行われ、県選挙管理委員会が投票結果と開票結果を公開しています。

開票結果の県計では、齋藤元彦氏が1,113,911票、稲村和美氏が976,637票、清水貴之氏が258,388票でした。県選挙管理委員会の記録では、投票総数は2,483,792票、無効投票は19,979票です。

これらは投開票結果として確認できる数字です。しかし、得票数だけから、SNS上のどの投稿・動画がどれだけ投票行動に影響したか、またSNSが当選の原因だったかまでは分かりません。候補者の政策、既存メディア、街頭活動、支持団体、投票率、選挙期間中の出来事など、複数の要因を検証する必要があります。

「SNSで熱狂した」「SNSが選挙を動かした」という表現は、投稿や動画の観察・当事者の説明・報道上の評価である可能性があります。公式の開票結果が証明する事実と、発信者の分析・評価を同じ段落で断定しないようにします。

事実・主張・評価を分けるための確認表

分類記事で確認するもの書き方
公式の事実法令、全国知事会資料、選挙管理委員会の開票結果「資料に記載されている」
当事者の説明候補者、政党、自治体、会長の発言「〜と説明した」
動画・投稿の主張タイトル、投稿文、発信者の解説「動画では〜と扱っている」
編集上の評価因果関係、影響の大きさ、問題性根拠と限界を添えて「評価」と明示

選挙に関する投稿を引用・紹介する場合は、投稿が作られた時点、発信者、元資料の有無を確認します。元投稿が削除されている、切り抜きだけが拡散している、AI生成映像か判別できない、といった場合は、断定せず「確認できない」と書きます。

よくある質問

Q1. 全国知事会は、2024年兵庫県知事選の結果を違法と認定したのですか?

いいえ。確認できた全国知事会の公式資料は、SNSを含む選挙制度の課題や法改正への意見を示すものです。兵庫県知事選の当選・得票数を違法と認定した資料ではありません。

Q2. SNSで候補者を批判する投稿は、すべて違法ですか?

すべてが違法になるわけではありません。選挙運動に当たるか、虚偽の内容か、選挙期間内か、誰がどの方法で発信したかなど、個別の確認が必要です。具体的な案件は、公職選挙法の条文や選挙管理委員会の案内を確認してください。

Q3. AIで作った選挙動画は、表示義務がありますか?

全国知事会会長の2026年7月13日コメントは、改正法について、生成AIを利用した映像などにその旨を表示する責務が盛り込まれたと説明しています。対象範囲、表示方法、施行時期は、最新の法令と政府資料で確認してください。

まとめ

  • 全国知事会の公式資料は、会長コメント、研究会資料、提言に分けて読む。
  • 2026年7月13日のコメントは、改正法成立を受けたもので、「SNS選挙対策の決議」と同一ではない。
  • 2024年兵庫県知事選の得票数は公式資料で確認できるが、SNSの因果的な影響までは証明しない。
  • 偽情報、AI生成映像、誹謗中傷、収益化の問題は、投稿ごとに事実・主張・評価を分けて確認する。

制度改正のニュースを読むときほど、強い見出しよりも、資料名・日付・誰の発言かを先に確認することが重要です。

動画で確認する

導入直後に次の文言を置き、関連動画へのリンクを配置する。

▼動画で見たい方はこちら

動画タイトルの煽り表現は記事本文へ転載せず、リンクのアンカーテキストを中立化する。動画側の主張は、本文の確認済み事実に追加しない。

残す動画候補:

参考資料

※改正法の施行日・対象範囲・表示方法は、公開直前に最新の法令と政府資料で再確認する。

政経プラスの関連情報

制度と一次資料を確認しながら政治・行政ニュースを読み解く動画は、政経プラスチャンネルで公開しています。

兵庫県政や公益通報をさらに深掘りした記事は、政経プラスのnoteで案内しています。

関連する解説

タイトルとURLをコピーしました