2026年10月29日更新:10月25日の高砂市選挙区県議補選は、島津明香氏(選管の候補者名は「しまづ はるか」)が12,943票で当選し、片山安孝氏は7,489票でした。票差は5,454票、投票率は29.23%です。県選管の開票確定表と投票確定表で確認しました。
本稿は、投票前に整理した3つの争点を残し、確定結果、投票日程が終了したこと、市民病院の指定管理者の決定状況を更新しました。得票結果と、各候補者の文書問題への説明をどう評価するかは分けて考えます。
兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙は2026年10月16日に告示され、片山安孝氏(66歳、元兵庫県副知事)と島津明香氏(38歳、元高砂市議)の2人が立候補を届け出ました。いずれも無所属の新人で、島津氏は自民党兵庫県連の推薦を受けています。選挙すべき人数は1人で、投開票は10月25日(日)に行われました。
2026年10月17日更新:10月16日の立候補届出結果を反映し、正式候補者2人の氏名・年齢・党派・推薦状況と投票案内を更新しました。立花孝志氏の予定表明と届出がなかった事実を区別し、告示前情報を過去の経緯として整理しました。
正式候補者情報:神戸新聞の候補者一覧(10月16日17時現在・届出順)、サンテレビ(10月16日18時)。投票案内:高砂市選挙管理委員会。
2026年9月25日追記:斎藤元彦知事は9月16日の会見で、片山氏を支援するかについて候補者確定前だとしてコメントを控え、片山氏の第三者委での証言との食い違いについても指示等はしていないという認識を繰り返しました。詳しくは斎藤知事は片山氏を支援するのか|9月16日会見と第三者委証言で整理しています。
任期は2027年4月29日までの約6か月しかありません。それでもこの補選が注目されるのは、告発文書問題への対応にあたった当事者が、県議として県政に戻ろうとしているからです。筆者が注目する争点は、片山氏の県政復帰への説明、公益通報制度の見直し、高砂市の病院など生活課題への対応です。
関連記事案内(2026年11月1日編集):島津氏の学歴・職歴と市議12年の活動は、島津明香氏の経歴・学歴と市議時代の活動を確認する記事で扱っています。同記事には、10月17日までに確認した投票前の片山氏との比較も、当時の記録として残しています。
関連動画:高砂市選挙区で補選へ、片山安孝氏と未解決の告発文書問題
補選の構図|1議席に正式候補者2人
選挙の日程と、当選者の任期は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選挙名 | 兵庫県議会議員補欠選挙(高砂市選挙区) |
| 欠員の理由 | 山本敏信県議が2026年9月9日に死去(80歳、8期目途中) |
| 選挙すべき人数 | 1人 |
| 告示日 | 2026年10月16日(金) |
| 投開票日 | 2026年10月25日(日) |
| 正式候補者数 | 2人(いずれも無所属・新人) |
| 期日前投票 | 10月17日〜24日(会場により開設日・時間が異なる) |
| 当選者の任期 | 2027年4月29日まで(約6か月) |
正式候補者は、届出順に片山安孝氏と島津明香氏の2人です。以下では両氏の経歴を紹介します。
島津明香氏は38歳。2014年の高砂市議選でトップ当選し、当時の最年少議員になりました。3期12年を務め、3期目には副議長も経験しています。8月30日投開票の市議選には立候補せず、今回の補選に無所属の新人として立候補し、自民党兵庫県連の推薦を受けています。神戸新聞の取材には「1人区ということもあり、いろいろな方々の声を聞きながら活動するため」と無所属を選んだ理由を説明し、「マクロな視点で高砂市を捉え、きめ細かな行政サービスを提供できるように橋渡しをしたい」と述べています。
片山安孝氏は66歳。無所属の新人として立候補しました。兵庫県庁に38年勤め、副知事を務めました。斎藤元彦知事をめぐる告発文書問題への対応にあたった後、副知事を辞職しています。
論点1|翌春の出馬計画を半年早め、県政復帰を目指す片山氏
片山氏は、補選の前から翌春の県議選への出馬意向を示していました。
産経新聞と読売新聞によると、片山氏は2026年5月の時点で、2027年春の県議選に出馬する意向を示していました。その際の理由として、斎藤県政を支援したいという趣旨を語ったと報じられています。現職議員の死去という予期しない出来事によって、その計画が半年前倒しになった形です。
この順番の違いは小さくありません。2027年春の統一地方選なら、県内各地の選挙と同時に行われ、県政全体の争点のなかに埋もれます。一方で今回は、高砂市だけで行われる単独の選挙です。有権者の関心が1議席に集中し、結果がそのまま「文書問題をめぐる対応への評価」として読まれる可能性があります。
補選で勝てば現職として翌春の本選に臨めるため、当事者にとっての意味も大きいといえます。今回の当選が、翌春の選挙で現職として活動する立場につながるという点も、筆者は重要だと考えています。
論点2|公益通報制度への信頼をどう扱うか
告発文書問題では、通報者の扱いをめぐって公的な検証が積み重ねられてきました。第三者委員会の調査や百条委員会の議論で示された認定を、候補者がどう受け止めているのかは、有権者にとって確認したい点です。
この論点には時期的な理由もあります。改正公益通報者保護法は、消費者庁の案内によると2026年12月1日に施行されます。通報者を探す行為への制限や罰則の新設など、制度の枠組みが変わるタイミングです。県の内部通報の仕組みをどう見直すかは、今回の補選で選ばれた県議が実際に議論する課題になります。
過去の対応への評価だけでなく、12月からの新しい制度のもとで県政をどう運営するのかという前向きな問いとして、両氏の考えを聞く価値があります。
論点3|市民病院・水道・公共施設の課題を、県にどう働きかけるか
争点は県政だけではありません。高砂市には、県との調整が必要な具体的な課題があります。
最も大きいのが市民病院です。高砂市民病院の公式発表では、公益社団法人「地域医療振興協会」(東京)を指定管理者に指定したとしています。指定期間は2027年4月1日から2047年3月31日までの20年間です。5月の神戸新聞報道では、市が支払う運営交付金は年間約5億8000万円、総額の上限は116億円とされていました。地域医療の体制づくりは県の医療計画とも関わるため、県議の役割が問われる分野です。
このほか、老朽化した水道管の更新、公共施設の再編、財政の持続可能性といった課題が続きます。任期が6か月であっても、県の予算編成は毎年動きます。どの課題を県に持ち込むのかは、候補者ごとに違いが出るはずです。
投票参加にも注目したい|2023年の投票率は32.59%
過去のデータを見ると、この選挙区の投票率は高くありません。
2023年4月の県議選では、山本敏信氏(自民・現職)が12,772票、赤井ひろやす氏(維新・新人)が10,468票を獲得しました。一騎打ちで差は約2,300票、投票率は32.59%でした。
前回は有権者の約3分の2が投票せず、維新系の候補が約45%の票を得ました。筆者は投票前、組織的に票をまとめる力とともに、普段投票していない人が今回参加するかにも注目していました。今回の補選の投票率は29.23%と確定し、2023年の32.59%を3.36ポイント下回りました。ただし、投票率の集計だけでは、前回投票しなかった人が今回投票したかは分かりません。
投票前には、前回の票差だけで今回の結果を予測するのは難しいと考えていました。確定結果は冒頭に示したとおりです。候補者への評価と投票参加の変化を、票数だけで同じものとして説明することはできません。
よくある質問
補選で当選した人の任期はいつまでですか
2027年4月29日までです。公職選挙法により、補欠選挙の当選者の任期は前任者の残任期間となります。約6か月です。
投票と期日前投票は終了しましたか
はい。期日前投票は10月17日(土)から24日(土)までで、終了しました。高砂市役所分庁舎1階は期間中毎日、午前8時30分〜午後8時、イオン高砂店3階会議室は10月17日・18日・24日の午前9時〜午後8時という日程でした。
10月25日の投票は午前7時〜午後8時に行われ、終了しています。当時の日程は高砂市選管の案内に、確定結果は本稿冒頭の県選管資料に掲載されています。
立候補者数は確定していますか
はい。10月16日の届出により、片山安孝氏と島津明香氏の2人で確定しました。両氏とも無所属の新人で、島津氏は自民党兵庫県連推薦です。立花孝志氏は立候補予定を表明していましたが、正式な届出はありませんでした。
約6か月の任期で、過去の対応と今後の制度・生活課題を問う
- 高砂市選挙区の県議補選は10月16日告示、10月25日投開票。定数1で、任期は2027年4月29日までの約6か月
- 正式候補者は片山安孝氏と島津明香氏の2人。いずれも無所属・新人で、島津氏は自民党兵庫県連推薦。立花孝志氏の正式な届出はなかった。
- 片山氏はもともと2027年春の県議選に出る意向を示しており、今回は半年の前倒し。単独選挙のため結果の意味が重くなる
- 12月1日に改正公益通報者保護法が施行される。県の通報制度の見直しは今回選ばれた県議が扱う課題になる
- 2023年の投票率は32.59%、今回補選は29.23%。3.36ポイント低下したが、投票率だけでは個々の投票理由や参加者の入れ替わりは分からない
正式候補者2人の発言や公約は、本人の説明として出典を示し、政策の実現状況や筆者の評価とは分けて確認します。
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告示前の経緯:10月1日の説明会には4陣営、10月9日の予備審査には3陣営が参加・出席したと報じられました。立花孝志氏は10月5日付の公式サイトで立候補予定を表明していましたが、10月16日の正式な立候補届出はありませんでした。説明会・予備審査の参加数や予定表明は、正式候補者数とは区別します。
主な確認資料
正式候補者情報:神戸新聞の候補者一覧(10月16日17時現在・届出順)、サンテレビ(10月16日18時)。投票案内:高砂市選挙管理委員会。
- 兵庫県「令和8年執行 兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙」
- 高砂市「令和8年10月25日執行兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙」
- 神戸新聞「兵庫県議補選、島津明香氏が立候補へ 元高砂市議 高砂市選挙区」
- サンテレビ「兵庫県議補選 高砂市選挙区 10月16日告示 25日投開票」
- 神戸新聞「公設民営に移行の高砂市民病院、指定管理者候補決まる」
- サンテレビ「県議会高砂市選挙区の補欠選挙 立候補者説明会に4陣営」(2026年10月2日)
- 神戸新聞「県議補選・高砂市選挙区 予備審査に3陣営出席」(2026年10月9日、公開部分を確認)
- 立花孝志公式サイト「兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙への立候補予定について」(2026年10月5日)


