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はばタンPay第5弾26億1,500万円の流用|方針を変えた斎藤県政の説明責任

はばタンPay第5弾「26億1,500万円流用」――当初方針を変えた斎藤県政に残る説明責任|政経プラスチャンネル公式ブログ 兵庫県政

はばタンPay+(兵庫県の割増付きデジタル商品券)第5弾の申込者は、兵庫県が予算上想定した93.1万人を大きく超える118.0万人に達した。

県は当初、応募が予算を超えれば当選口数(購入できる申込単位の数)を調整する想定だった。ところが齋藤元彦知事は、全員を希望口数どおり当選させる判断を下し、足りなくなった26億1,500万円を別の予算から先に流用(予算項目間でお金を移して使うこと)した。これは県議会の委員会資料、知事会見録、6月補正予算資料で確認できる。補正予算は、年度途中に予算を追加・変更するものだ。資料のPDFは、表示や印刷の形を保つ文書形式である。

物価高に苦しむ県民を支えること自体には意味がある。だからこそ、議会に示した予算の前提を変え、26億円超を動かした判断の根拠は厳しく問われなければならない。「県民に喜ばれた」で、議会が定めた予算の枠を軽く扱ってよい理由にはならない。

本文・図でいう財源更正(支出に充てるお金の出どころの組み替え)と、支出を増やす補正は区別する。制度融資の預託事業(中小企業向け融資のために県が金融機関へ資金を預ける事業)が流用元だ。重点交付金(国が物価高対策のため地方へ交付するお金)と、その他の特定財源(使い道が決まった収入)を組み替えている。

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はばタンPay第5弾の予算処理の経緯を三段階の矢印で示す図。当初の93.1万人想定に対し118.0万人が申し込み、口数調整から全員希望口数へ変更。4月に制度融資の預託事業から26億1,500万円を流用して対応。6月補正で国の重点交付金を同額増やし、別の特定財源を減らす財源更正を行い、11日に可決。この項目の追加支出は0円で二重支出ではない。影響なしは県の説明として扱う。
県の公表資料に沿って、第5弾の方針変更、予算流用、後の財源更正を分けた図です。申込者数が想定を超え、当選口数調整から全員希望口数へ変更し、不足分26億1,500万円を制度融資の預託事業の予算から対応しました。6月補正の財源更正は国の重点交付金を同額増やし、別の特定財源を減らすもので、この項目の追加支出は0円です。二重の支出ではありません。補正は6月11日に可決。流用元への影響はないとの県の説明と、検証結果は区別しています。 出典:兵庫県議会・産業労働常任委員会資料(2026年4月16日) / 兵庫県・知事記者会見録(2026年4月15日) / 兵庫県議会・6月補正予算産業労働部資料(3ページ) / 兵庫県議会・令和8年6月11日議決分の会派態度(2026年9月30日確認)
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超過時の想定は「口数調整」だった

県が2026年4月16日に県議会の産業労働常任委員会へ提出した資料は、予算上の申込者数を93.1万人、実績を118.0万人、差を24.9万人と示す。さらに「予算成立時(R7.12)には、申込超過時は当選口数調整で対応する想定であった」と明記している。申込状況と当初方針を記した県議会資料(PDF・2026年4月16日)

ところが4月15日、齋藤知事は全員を希望口数どおり当選させると発表した。同日の県の発表資料(PDF・4月15日)にもその方針が明記されている。

県は募集が終わってから、当初示していた対処法を変えたのである。知事は4月15日の会見で、中東情勢や物価高を理由に、できるだけ多くの県民の希望に応えたかったと説明した。その事情を踏まえても、なぜ口数調整では足りず、議会で先に補正予算を審議する道ではなく、流用を先行させる必要があったのか。比較した選択肢と判断資料を県は示すべきだ。知事会見録(4月15日)

26億1,500万円を動かし、後から財源を組み替えた

知事は4月15日の会見で、2025年12月補正で約103億円を計上した事業の所要額が約129億円となり、約26億円が不足したため、別の予算から流用すると説明した。流用元については中小企業向け制度融資の預託事業だと述べ、当該事業への影響はないとの認識を示した。「影響はない」は県側の説明であり、独立した検証結果ではない。知事会見録(4月15日)

6月補正予算の県議会資料(PDF・3ページ)では、第5弾の「財源更正」について、国の重点交付金を2,615百万円(26億1,500万円)増やし、別の特定財源を同額減らす形で示されている。「金額」の欄は0円だ。6月に新たに26億1,500万円の支出を追加したという意味ではなく、先に流用で対応した分の財源を組み替える手続きである。

元稿は、X(インターネット上の投稿サービス)の「しっぽ」さんが9月18日、流用額や流用元を示す文書写真を投稿したと紹介している。投稿本文と写真の全体は再確認できていない。しっぽさんの投稿(写真付き・9月18日)。元稿が紹介した続く投稿の内訳も未照合のため、本稿では公表された県資料で確認できる総額26億1,500万円を採用する。投稿の写真だけから、内訳や文書の作成経緯まで確定したとは扱わない。

4月は議会への説明、6月11日に補正予算が可決された

齋藤知事は4月15日、「県議会にもご理解いただいた」と発言した。しかし4月22日の会見では、流用と後の補正予算の段取りを議会側へ説明したという趣旨であり、議会の承認を得たという意味ではないと説明した。議会への事前説明は、予算を議決する議会の判断そのものに置き換わらない。

その後、財源更正を含む6月補正予算は6月11日に県議会で可決された。補正予算の可決後も残る論点は、4月に判断を変え、26億円超を先に流用した過程だ。ひょうご県民連合議員団という会派(議会内の議員グループ)も、制度上は流用可能と認めながら、予算執行と議会との対話のあり方を批判した。同会派は6月補正予算には賛成している。

口数調整をやめた決裁と、流用元への影響を示してほしい

県は9月、はばタンPay+第6弾として77.3億円を含む補正予算案を公表した。第5弾で起きたことを「想定より人気があった」で終わらせれば、次の募集でも、予算上限と応募超過時の扱いがどこまで守られるのか、県民には分からない。

県は、次の5点を公表すべきだ。

  1. 93.1万人という需要予測の根拠
  2. 口数調整から全員希望口数当選へ変更した決裁記録
  3. 流用元・日付・費目と、事業への影響の確認資料
  4. 議会にいつ何を説明したかの記録
  5. 第6弾で予算を超える応募があった場合の明確なルール

法令上の流用手続きが可能だったとしても、知事と県当局は、議会が議決した予算の前提を変えた責任を負う。斎藤県政は26億1,500万円の判断を、県民と議会が後から検証できる形で説明すべきだ。

第5弾の経緯を振り返った関連記事はこちら。

確認の範囲:本稿は2026年9月19日までに公開された県・県議会資料と知事会見録を、今回読み直した論評です。X投稿は元稿での紹介として区別しています。流用を違法と認定する資料、流用元事業に実害が出たと示す資料、投稿写真の原本・作成過程は確認できていません。

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