兵庫県選挙管理委員会が公表した2024年分(令和6年分)の政治資金収支報告書(政治団体のお金の出入りや資産を記す報告書)によると、「さいとう元彦後援会」が同年に受けた個人からの寄付は6,166万5,000円でした。前年の30万5,000円と比べると、約202倍です。
この報告書は、後援会という政治団体の1年間の収支を示します。2024年11月の知事選の選挙運動収支(候補者の選挙運動に関する収入と支出)は別の資料です。寄付の条件や使途、政策判断への影響は、金額とは別に調べる必要があります。
個人寄付は30万5,000円から6,166万5,000円へ
2023年分と2024年分の主な数字を比べた表です。人数は会費を納付した人を示し、後援会の会員全体の人数ではありません。
| 項目 | 2023年分 | 2024年分 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 本年の収入額(前年からの繰越を含まない、その年の収入) | 234万6,744円 | 6,460万7,224円 | 約27.5倍 |
| 個人からの寄付 | 30万5,000円 | 6,166万5,000円 | 約202倍 |
| 会費 | 165万5,000円 | 186万5,000円 | 21万円増 |
| 会費を納付した人数 | 331人 | 371人 | 40人増 |
| 支出総額 | 353万2,577円 | 1,391万2,301円 | 1,037万9,724円増 |
| 翌年への繰越額(翌年へ持ち越すお金) | 135万4,955円 | 5,204万9,878円 | 5,069万4,923円増 |
2024年の本年収入6,460万7,224円のうち、個人寄付は約95.4%を占めます。収入の増加は、会費を納付した人数や会費の伸びよりも、個人寄付の急増によるものと読み取れます。
一方、法人その他の団体からの寄付、政治団体からの寄付、寄付のあっせんによるものは、いずれも0円と記載されています。
明細は通し番号513まで、「その他の寄附」は2,876万7,000円
2024年分の個人寄付の明細には、通し番号513まで記載があります。総額から「その他の寄附」を差し引いた明細部分の額は3,289万8,000円で、「その他の寄附」2,876万7,000円を加えると、個人寄付の総額6,166万5,000円になります。
513は明細の通し番号で、小計の行も含まれます。同じ氏名による複数回の寄付も記載されており、513を寄付の件数や寄付者の実人数として扱うことはできません。
また、報告書には氏名や住所などの個人情報が掲載されていますが、本記事では総額と構造を検証するために必要な範囲にとどめ、個々の寄付者情報は転載しません。
支出1,391万円、翌年への繰越は5,205万円
2024年の支出総額は1,391万2,301円でした。主な内訳は次の通りです。
- 経常経費(人件費や事務所費など日常の運営費):361万5,782円
- 組織活動費:328万1,519円
- 宣伝事業費:71万5,000円
- 寄付・交付金:630万円
報告書上の「選挙関係費」は0円です。個人寄付6,166万5,000円は後援会の収入であり、知事選の選挙運動に使った金額を示すものではありません。
前年からの繰越を含む収入総額から支出を差し引くと、翌年への繰越額は5,204万9,878円です。今後の収支報告書では、この繰越金の使い道も確認する必要があります。
個人の寄付は、同じ相手に年150万円が原則
政治資金規正法(政治団体の資金集めと報告を定める法律)では、個人が政党・政治資金団体以外の同一の相手にできる政治活動に関する寄付は、年間150万円までとされています。また、政党・政治資金団体以外に対する個人寄付の総額は、年間1,000万円までです。遺贈(遺言によって財産を贈ること)など、法律が定める例外はあります。
2024年分の明細には、同じ氏名による寄付の小計が150万円となる例も確認できます。年間総額の上限を調べるには、その人の他の政治団体への寄付も合わせる必要があります。後援会一団体の報告書から、他団体への寄付までは把握できません。
今回照合したのは、収支の総括欄、明細末尾、支出の集計欄などです。寄付の実際の条件や他団体への寄付まで調べたものではなく、全件の適法性を認定したものではありません。
寄付と支出の集計は公表。政策への影響は別の調査が必要
一次資料から確認できるのは、次の点です。
- 2024年の個人寄付は6,166万5,000円
- 前年の30万5,000円から約202倍になった
- 2024年の本年収入の約95.4%を個人寄付が占めた
- 支出総額は1,391万2,301円、翌年への繰越額は5,204万9,878円
- この報告書における選挙関係費は0円
公表資料から分かるのは、上記の寄付・収入・支出の集計です。政策判断への影響、知事選を目的とした寄付の額、寄付者の実人数は、この集計だけでは分かりません。
斎藤県政を議論する際も、公表された金額と、寄付の条件・使い道を分けて検証します。
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2026年10月25日に、2023年・2024年の報告書の表紙、総括欄、2024年の寄付明細の一部と末尾、支出の集計欄を再確認しました。各年の収支と比率・増減額を計算し直しています。全寄付者や全取引の実態を調査したものではありません。
一次資料
- 兵庫県「令和6年分政治資金収支報告書について」
- さいとう元彦後援会・2024年分政治資金収支報告書(PDF)
- さいとう元彦後援会・2023年分政治資金収支報告書(PDF)
- e-Gov法令検索「政治資金規正法」(2024年12月2日時点)


