福岡県議会の政務活動費5億1950万円|12会派を全比較

福岡県議会が公表した令和7年度の政務活動費収支報告書を、12会派分すべて集計しました。

政務活動費として記載された収入は合計5億1,950万円。支出は4億4,972万8,568円でした。

何に多く使われたのか。

費目別では人件費が1億9,223万6,791円で最も多く、広聴・広報費が1億910万19円で続きます。この2費目だけで支出全体の67%です。

各会派の収支報告書は公開されました。ただ、個々の支出先、支出日、活動内容までは、このPDFだけでは追えません。

5億円を超える公費です。会派別の総額を載せるだけでなく、県民が支出の中身をオンラインで確認できる状態にするべきです。

福岡県議会の公費支出については、海外視察費の全体像、住民監査請求、報告書が公式一覧で未掲載となっている6件も検証しています。

12会派への交付総額は5億1,950万円

福岡県議会の政務活動費は、会派に交付されます。条例上の基準額は、所属議員1人につき月額50万円です。

「議員個人が毎月50万円を自由に受け取る」という制度ではありません。会派や所属議員が行う調査研究、研修、広報、要請・陳情、会議、事務所運営、人件費などに充て、実績額が交付額を下回れば残額を返す仕組みです。

令和7年度の12会派分を合計すると、次のようになります。

  • 政務活動費収入:5億1,950万円
  • 支出合計:4億4,972万8,568円
  • 収入と支出の差:6,977万1,432円

プラスの「残余」を合計すると6,989万6,321円です。

自由と繁栄の会は11万4,228円、日本維新の会福岡は1万661円、支出が政務活動費収入を上回っています。2会派の超過額を合計すると12万4,889円です。

このマイナス表示だけで、不適切な支出があったとは判断できません。収支報告書上、支出が政務活動費収入を超えたという意味です。

会派別の支出額と使用率

会派の規模が違うため、支出額だけで活動量を比較することはできません。交付額に対して何%を支出したかも併記します。

会派 政務活動費収入 支出合計 残余 使用率
自由民主党福岡県議団 246,000,000円 224,099,043円 21,900,957円 91.1%
民主県政クラブ県議団 121,500,000円 114,957,122円 6,542,878円 94.6%
公明党福岡県議団 60,000,000円 39,581,212円 20,418,788円 66.0%
新政会福岡県議団 34,500,000円 28,674,627円 5,825,373円 83.1%
無所属の会 13,000,000円 7,499,454円 5,500,546円 57.7%
自由と繁栄の会 10,500,000円 10,614,228円 -114,228円 101.1%
ふくおか政策の会 5,000,000円 4,904,068円 95,932円 98.1%
緑友会 6,000,000円 4,143,472円 1,856,528円 69.1%
桜和会 6,000,000円 2,588,492円 3,411,508円 43.1%
至誠会 6,000,000円 2,270,925円 3,729,075円 37.8%
日本維新の会福岡 5,000,000円 5,010,661円 -10,661円 100.2%
豊築会 6,000,000円 5,385,264円 614,736円 89.8%

ふくおか政策の会と日本維新の会福岡は、報告対象が令和7年6月から令和8年3月までの10カ月です。ほかの会派の多くは12カ月分なので、収入額を単純比較するときは期間の違いに注意が必要です。

交付額の範囲内で使用率が最も高いのは、ふくおか政策の会の98.1%です。民主県政クラブ県議団が94.6%、自由民主党福岡県議団が91.1%で続きます。

最も低いのは至誠会の37.8%です。桜和会は43.1%、無所属の会は57.7%でした。

使用率が高ければよい、低ければ悪いという話ではありません。必要な活動に使ったか、支出に見合う成果を示せるかが判断基準です。

人件費と広聴・広報費で支出全体の67%

12会派の費目別支出を合計すると、次の順になりました。

費目 12会派の合計 支出全体に占める割合
人件費 192,236,791円 42.7%
広聴・広報費 109,100,019円 24.3%
事務費 50,672,736円 11.3%
事務所費 47,044,224円 10.5%
調査研究費 35,864,492円 8.0%
資料購入費 5,983,792円 1.3%
研修費 3,221,223円 0.7%
会議費 2,742,927円 0.6%
資料作成費 1,639,655円 0.4%
要請・陳情等活動費 1,222,709円 0.3%

人件費と広聴・広報費の合計は3億133万6,810円です。

自由民主党福岡県議団は、人件費に1億1,342万6,612円を支出しています。民主県政クラブ県議団は、広聴・広報費が4,489万9,401円でした。

これらの金額が高いことだけで、支出の適否は判断できません。広報紙の発行部数、配布方法、職員の人数、勤務内容、調査への具体的な貢献が分からなければ、費用対効果を評価できないからです。

気になったのは、収支報告書の備考欄です。

「広報誌、報告書等作成費」「給与、手当、賃金等」といった大まかな説明にとどまり、誰に、いつ、何の業務で、いくら支払ったのかは記載されていません。

収支報告書の公開だけでは支出の中身を追えない

福岡県議会は、領収書や政務活動報告書を閲覧に供し、弁護士と公認会計士の専門委員が確認していると説明しています。

今回ホームページに掲載された12会派のPDFは、各会派2ページです。1ページ目は提出書、2ページ目は費目別の合計額と短い備考です。

総額を比べるには使えます。

しかし、広聴・広報費1億910万19円、人件費1億9,223万6,791円の具体的な支出内容を、議会棟へ出向けない県民がホームページ上で検証することはできません。

必要なのは、収支報告書を掲載して終わることではありません。

領収書、支出先、日付、活動目的、成果物を、個人情報などを除いたうえでオンライン公開する。広報紙や調査報告書があるなら、その成果物にも同じページから移動できるようにする。

5億1,950万円の交付額を示すなら、その先の一件ごとの支出も追える設計にするべきです。

よくある質問

福岡県議会の政務活動費はいくらですか

令和7年度に12会派の収支報告書へ記載された政務活動費収入は、合計5億1,950万円です。支出合計は4億4,972万8,568円でした。

議員1人に毎月50万円が支給されるのですか

政務活動費は会派に交付されます。所属議員1人につき月額50万円が基準ですが、議員個人が自由に使える定額手当ではありません。実際の政務活動に要した経費へ充て、残額は返還する仕組みです。

支出が交付額を上回る会派があるのは問題ですか

収支報告書では、自由と繁栄の会と日本維新の会福岡の2会派で支出が政務活動費収入を上回っています。この表示だけで違法・不適切とは判断できません。超過分の負担方法や個別支出の適否は、収支報告書だけでは確認できません。

領収書はホームページで確認できますか

今回の公式ページから確認できるのは、各会派の収支報告書です。県議会は領収書や政務活動報告書を閲覧に供していると説明していますが、個別支出の詳細は、今回掲載されたPDFだけでは確認できません。

まとめ

  • 令和7年度の政務活動費収入は12会派合計で5億1,950万円
  • 支出合計は4億4,972万8,568円
  • 人件費と広聴・広報費で支出全体の67%
  • 2会派では支出が政務活動費収入を合計12万4,889円上回った
  • 公式PDFは費目別合計までで、個別の支出先や活動内容は確認できない

政務活動費は、議会が行政を調査し、政策を提案するための公費です。

だからこそ、「何費にいくら使ったか」で終わらせず、何を調べ、何を県政へ反映させたのかまで公開する必要があります。

参考資料

政経プラスチャンネル

福岡県議会や公金の使われ方を、一次資料と会見記録から検証しています。

政経プラスチャンネル

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