栗原悠次県議とは|農学博士の茶農家、一人会派で採決中止動議に反対

2026年8月17日の福岡県議会で、藏内勇夫議長への辞職勧告決議案は採決されませんでした。林泰輔県議が提出した採決中止動議が、賛成49、反対35で可決されたためです。

この動議に反対した35人の中に、栗原悠次県議がいます。

栗原県議は八女市・八女郡選出の2期目。八女市矢部村出身の茶農家で、農業経済学の博士号を持ち、日本茶インストラクターとしても活動してきました。現在は、一人会派となった「緑友会」の会長を務めています。

農業と中山間地域の課題を県議会で取り上げてきた栗原県議が、なぜ採決中止に反対したのか。確認できる経歴と投票行動、その一方で残る説明の空白を整理します。

▼採決中止動議の賛成・反対議員一覧はこちら
福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧|49人と35人の全氏名

栗原悠次県議の基本プロフィール

福岡県議会の公式プロフィールで確認できる情報は次のとおりです。

項目 内容
氏名 栗原悠次(くりはら・ゆうじ)
選挙区 八女市・八女郡
会派 緑友会
当選回数 2回
生年月日 1977年3月10日
所属 厚生環境委員会、スポーツ立県調査特別委員会
会派での役職 緑友会会長

福岡県議会の議員名簿では、緑友会の所属議員は栗原県議一人です。肩書きは会長ですが、複数の議員を率いる現在の会派代表ではなく、一人会派の代表という位置づけです。

また、栗原県議は議会運営委員会にも所属しています。議会の日程や本会議の進め方などを協議する委員会に加わる議員として、採決の意味や議事運営を判断する立場にあります。

農学博士で茶農家、日本茶インストラクター

栗原県議は、八女市矢部村の茶農家に生まれました。福岡県立八女農業高校を卒業後、東京農業大学に進学。東京農業大学大学院農学研究科を修了し、農業経済学の博士号を取得しています。

本人の公式プロフィールによると、日本茶インストラクターの資格も持ち、実家の製茶業に従事してきました。栗原製茶の紹介ページでは、玉露の栽培や製造に携わり、安全でおいしい茶づくりに取り組んできたことが紹介されています。

2012年には、第58回JA全国青年大会の「JA青年の主張」で全中会長賞・最優秀賞を受賞しました。八女茶の価値を海外へ伝え、輸出につなげた経験を発表したものです。八女市の広報紙も、市長への受賞報告を掲載しています。

八女市商工会青年部長、八女青年会議所副理事長、JAふくおか八女青年部委員長なども経験しました。栗原県議の政治的な基盤は、農業団体だけでなく、商工、観光、消防団を含む地域活動にあります。

2021年の補欠選挙で初当選、2023年に再選

栗原県議は2021年4月、八女市・八女郡選挙区の県議補欠選挙に福岡県農政連の候補として立候補しました。候補者が一人だったため、投票を行わずに初当選しています。

2023年の県議選では、同じ八女市・八女郡選挙区から福岡県農政連の現職候補として立候補しました。八女市の公式開票結果では7075票を獲得。広川町分を含む選挙区全体について、選挙情報サイトは9314票と集計しており、2期目の当選を果たしました。

現在、福岡県議会公式サイトが示すのは政党ではなく、議会内の会派「緑友会」です。福岡県農政連は2021年、2023年の選挙時に栗原県議を擁立した政治団体であり、県議会内の会派名とは別です。

政党、政治団体、会派は同じではありません。本記事では、選挙時の党派は選挙資料、現在の会派は県議会公式名簿に基づいて区別します。

複数会派だった緑友会を一人で引き継いだ

緑友会は以前、複数の県議が所属する会派でした。2021年の県議会だよりには、栗原県議以外の緑友会所属議員も掲載されています。

しかし、2023年の県議選後に会派の構成が大きく変わりました。報道によると、再選した所属議員の多くが自民党県議団へ移り、一部は新政会を結成。栗原県議が一人で緑友会を引き継ぎました。

現在の県議会公式ページでも、緑友会の所属議員は栗原県議一人と確認できます。

県議会内では、栗原県議が緑友会唯一の所属議員です。今回の採決中止動議への反対も、一人会派の代表として自分の名前で示した判断になります。その分、判断理由を説明する主体も明確です。

県議会では八女茶、農業、過疎地域を継続的に質問

栗原県議の議会質問は、農業と中山間地域の課題に軸足があります。

県議会中継で確認できる主な質問には、次のテーマがあります。

  • コロナ禍における八女地域の農産物振興
  • 八女地域の豪雨災害への対応
  • 過疎地域の集落機能維持と交通対策
  • 農業高校の役割と人材育成
  • 地球温暖化に対応した農業生産と農産物輸出
  • 抹茶の価格高騰下における八女茶の振興
  • 八女電照菊をはじめとする花き振興

ほかにも、不登校児童生徒の支援、鳥獣被害、久留米絣、俳句・短歌の教育的価値などを取り上げています。

栗原県議は、茶農家と農業経済研究の経験を県議会の政策論議へ持ち込んできた議員です。農業や過疎の問題を抽象論ではなく、生産者と地域の実情から質問している点が特徴です。

採決中止動議に反対した35人の一人

8月17日の臨時会では、吉松源昭県議らが提出した藏内議長への辞職勧告決議案が議題となりました。提案理由の説明後、林泰輔県議が採決中止動議を提出。動議は賛成49、反対35で可決され、辞職勧告決議案そのものの採決は行われませんでした。

FNN・テレビ西日本は、記者が議場で起立を確認した賛成49人の氏名を報じています。栗原県議は、その49人に含まれていません。

当サイトは、報道された賛成者一覧、福岡県議会の全議員名簿、採決に参加しなかった藏内議長と板橋聡副議長を照合し、栗原県議を反対35人の一人として整理しています。報道された反対人数とも一致します。

ただし、福岡県議会が議員別の記名投票表を公表したわけではありません。栗原県議本人が反対したと明記した公式発信も、2026年8月23日までに確認した公式サイトと主要報道では見つかっていません。本記事の賛否判定は、報道された起立者名簿と公式名簿の照合に基づきます。

反対票は評価できるが、理由の説明は確認できない

栗原県議が反対したのは、藏内議長への辞職勧告決議案ではありません。決議案の採決を中止する動議です。

確認できるのは、辞職勧告決議案をこの時点で採決する機会を残す側に立ったことです。決議案そのものが採決されなかったため、栗原県議が最終的に賛成する予定だったのか、反対する予定だったのかは議会記録から分かりません。

採決そのものを止めなかった判断は評価できます。議員ごとの政治判断を公開の場で示し、記録に残す道を閉ざさなかったからです。

その一方で、栗原県議がなぜ採決中止に反対したのか、辞職勧告決議案をどう評価していたのかについて、本人の詳しい説明は確認できません。

栗原県議の公式サイトは「先生と呼ばれない、身近な県議」を掲げています。身近な県議を名乗るなら、議場で示した判断を有権者に説明するところまでが役割です。

なぜ採決中止に反対したのか。第三者調査と議長の政治的責任をどう整理しているのか。藏内議長が辞意を表明した現在、その辞職時期と議会改革をどう考えるのか。反対票を評価して終わらせず、本人の説明を求める必要があります。

よくある質問

Q1. 栗原悠次県議はどこの選挙区ですか?

八女市・八女郡選挙区です。2021年の補欠選挙で初当選し、2023年に再選。現在2期目です。

Q2. 栗原県議はどの会派に所属していますか?

緑友会です。現在の緑友会は栗原県議一人で構成され、栗原県議が会長を務めています。

Q3. 栗原県議は採決中止動議に賛成しましたか?

当サイトの照合では反対35人の一人です。FNN・テレビ西日本が報じた賛成49人の一覧には含まれておらず、公式議員名簿などと照合して反対側に整理しました。県議会の公式記名投票表ではない点には注意が必要です。

Q4. 栗原県議は藏内議長への辞職勧告決議案に賛成する予定でしたか?

決議案そのものは採決されておらず、本人の賛否は確認できません。確認できるのは、採決を中止する動議には反対したという点です。

まとめ

  • 栗原悠次県議は八女市・八女郡選出、当選2回
  • 八女市矢部村出身の茶農家で、農業経済学の博士号と日本茶インストラクター資格を持つ
  • 2021年の補欠選挙と2023年県議選では福岡県農政連の候補だった
  • 現在は一人会派「緑友会」の会長
  • 林泰輔県議の採決中止動議に反対した35人の一人として整理される
  • 辞職勧告決議案そのものへの賛否と、反対理由の詳しい本人説明は確認できない

栗原県議は、農業と中山間地域の現場を議会へ届けてきました。今回も採決を止める側には回らず、県民が議員の判断を確認する機会を残そうとしました。

次に必要なのは、その判断の理由です。「身近な県議」という言葉を、議場外での説明でも示してほしいと思います。

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確認資料・参考リンク

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