2027年春の統一地方選挙で行われる福岡県議会議員選挙(定数87)に向けて、各党の動きが早くも活発になっています。金銭授受疑惑や高額な海外視察をめぐる一連の問題で県議会への批判が高まるなか、現在は議席の少ない政党や議席を持たない政党が、相次いで大量擁立の方針を打ち出しました。
本記事では、2026年9月16日時点で報じられている各党の擁立方針を一覧にまとめます。自民党系の現職一人ひとりの前回得票については、noteの別記事で詳しく整理しています。ここでは「どの党が、何人を、どんな狙いで立てようとしているのか」に絞って紹介し、新しい発表があれば随時更新します。
各党の擁立方針一覧(9月16日時点)
報道をもとに、各党の方針を整理します。
- 日本維新の会:20人以上(現在の県議会の維新会派は1議席)
- 参政党:30人(県内の統一地方選全体では60人)
- 日本共産党:16人以上(現在は議席なし)
- 国民民主党:10人以上(現在の県議は2人)
- 自民党:現職38人の会派。党本部は8月に「公認証を出せる状況ではない」と通告したが、9月14日に段階的に公認する方針で一致
現在の県議会の会派構成は、9月9日現在で議員85人(欠員2)・15会派、最大会派の自民党県議団が38人です。
各党の狙い
日本維新の会:「議会を総入れ替え」
共同通信によると、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は8月29日、福岡市内で講演し、福岡県議選に20人以上の候補者を立てる考えを示しました。議員定数の3割削減などを公約に掲げ、「議会を総入れ替えする」と訴えています。
吉村氏は、大阪で進めてきた「身を切る改革」を引き合いに、議員定数や報酬の削減、海外視察の廃止を主張し、金銭授受疑惑の徹底検証も掲げました。
参政党:「問題のうみを出す」
FBS福岡放送によると、参政党の神谷宗幣代表は8月7日、福岡市で会見し、福岡県議選に30人の擁立を目指すと発表しました。金銭授受疑惑で名指しされている現職や、議長・副議長経験のある現職の選挙区などに候補者を立て、県議会の野党第1党を目指すとしています。
神谷氏は「新しい選択肢を福岡県議会につくって」「問題のうみを出す」と述べています。参政党は、県議選の30人を含め、県内の統一地方選全体で60人を擁立する方針です。
日本共産党:「議席を必ず奪還」
TNCテレビ西日本によると、共産党福岡県委員会は9月7日、16人以上の公認候補を立てる方針を発表しました。会見には、福岡市城南区や東区などから立候補を予定する新人3人が出席しています。
真島省三委員長代理は「日本共産党の議席を必ず奪還して当たり前の県議会に刷新していきたい」と述べました。共産党は、10月4日投開票の筑後市選挙区の補欠選挙にも候補を立てる方針です。
国民民主党:「本気で議席を取りに行く」
RKB毎日放送によると、国民民主党福岡県連は9月2日、福岡市早良区や北九州市小倉北区などで立候補を予定する新人6人を発表し、公認候補を10人以上立てる方針を示しました。県連代表の大田京子県議も、福岡市南区からの立候補を表明しています。
大田氏は「数は力、だからこそ本気で、次の統一自治体選挙は議席を取りに行く」と話しています(TNC)。国民民主党の県議は、8月の採決中止動議をめぐる対応の違いから、旧「民主県政県議団」を離れて独自の会派をつくりました。
自民党:公認は「段階的に」
最大会派の自民党は、厳しい立場に置かれています。朝日新聞によると、鈴木俊一幹事長は8月28日、県連幹部に「今のような事態では、県会議員に公認証を出せる状況ではない」と伝えました。
その後、9月14日の協議では、当選1、2回の議員や議長・副議長の経験がない議員について、県連の調査も踏まえて例年どおり11月ごろに1次公認を出す方針で一致しました。議長・副議長の経験者は、県連の調査や県議会の第三者委員会の調査の時期を踏まえて判断するとしています。県連会長は9月27日に国会議員から選ばれる予定です。
そのほかの政党
社民党福岡県連は9月3日、県議会に対し、金銭授受疑惑を調べる第三者委員会への積極的な対応などを求める申し入れを行いました(TNC)。立憲民主党や公明党などの擁立方針については、本記事執筆時点で具体的な人数を伝える報道は確認できていません。判明した時点で追記します。
県議選で注目したいポイント
1. 無投票の選挙区は減るか
前回2023年の県議選では、無投票で当選が決まった選挙区が少なくありませんでした。新しい政党の擁立が進めば、有権者が投票で選べる選挙区が増える可能性があります。定数1や2の選挙区で、現職と新顔の対決が生まれるかが最初の焦点です。
2. 「疑惑の選挙区」に誰が立つのか
参政党は、金銭授受疑惑で名指しされた現職や正副議長経験者の選挙区を狙う方針を示しています。一方、自民党はこうした現職の公認判断を先送りする方針です。対象となる選挙区で、自民党が公認を出すのか、出さないのか、ほかの候補が立つのかが大きな見どころになります。
3. 旧民主系の分裂が選挙にどう響くか
旧「民主県政県議団」は、8月の採決中止動議をめぐって賛成10人・反対10人に割れ、三つの会派に分かれました。同じ選挙区で旧民主系どうしが競合するのか、候補を調整するのかも注目されます。
4. 公約が「改革」の中身まで踏み込むか
各党とも「県議会の刷新」を掲げていますが、定数削減、報酬の見直し、海外視察の廃止、政治倫理条例、採決方法の透明化など、何をどこまで実現するのかは党によって違います。数の目標だけでなく、具体的な公約を比べることが大切です。
まとめ
- 2027年春の福岡県議選(定数87)に向け、維新が20人以上、参政党が30人、共産党が16人以上、国民民主党が10人以上の擁立方針を示している
- 自民党は、党本部が8月に公認に否定的な姿勢を示したが、9月14日に当選1、2回や正副議長経験のない議員から11月ごろに順次公認する方針で一致した
- 無投票選挙区の減少、疑惑で名指しされた現職の選挙区の構図、旧民主系の候補調整が焦点になる
新たな擁立発表や候補者の確定に合わせて、この記事を更新していきます。
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自民党系の現職一人ひとりの前回得票と無投票当選の状況は、noteで詳しくまとめています。
公認なしで勝てるのか|福岡の自民系県議38人+離脱1人、前回得票と無投票を全点検
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主な確認資料
- FBS福岡放送「参政党・神谷代表『問題のうみを出す』来春の福岡県議選 30人の擁立を目指す」(2026年8月7日)
- 共同通信「維新、福岡県議選20人擁立へ 吉村氏『議会を総入れ替え』」(2026年8月29日)
- RKB毎日放送「国民民主党が福岡県議選に10人以上擁立へ 新人6人発表」(2026年9月3日)
- TNCテレビ西日本「揺れる福岡県議会 自民以外の各党動きが活発に」(2026年9月3日)
- TNCテレビ西日本「来春の福岡県議選 共産党が16人以上の擁立目指すと発表」(2026年9月7日)
- 朝日新聞「福岡県議選、若手は順次公認へ 金銭疑惑受け自民県連と党本部が方針」(2026年9月14日)


