5億1950万円を12会派へ|福岡県議会の政務活動費を全比較

5億1950万円を12会派へ―福岡県議会の政務活動費を全比較 地方自治・議会

福岡県議会の12会派に交付された令和7年度の政務活動費は、合計5億1,950万円でした。各会派の収支報告書を集計すると、支出は4億4,972万8,568円。交付額に対する支出率は86.57%です。

支出の最大項目は人件費の1億9,223万6,791円で、全体の42.75%。次が広聴・広報費の1億910万19円、24.26%でした。2項目だけで支出の約67%を占めます。

12枚の収支報告書を並べると、支出の中心が「調査」ではなく、人件費と広報費であることがはっきり見えます。

この記事では、福岡県議会が公表した令和7年度収支報告書を全会派分集計し、交付額、支出額、残余、使途の内訳を検証します。金額は2026年8月23日時点で公表されている公式資料に基づきます。

政務活動費は議員1人あたり月50万円

福岡県の政務活動費は、会派の所属議員1人につき月額50万円です。月の初日時点の所属議員数を基礎に会派へ交付されるため、会派の人数が多いほど交付額も大きくなります。

令和7年度の報告書に記載された交付額を合計すると5億1,950万円です。これは現在の議員数を単純に12か月掛けた数字ではありません。年度途中の会派結成や所属変更があるため、各月の所属状況が反映されています。

「ふくおか政策の会」と「日本維新の会福岡」の報告対象期間は2025年6月から2026年3月までの10か月、ほかの10会派は原則として2025年4月から2026年3月までです。利用率を比較するときは、この期間差も見る必要があります。

12会派の交付額・支出額・残余を全比較

会派 交付額 支出額 残余 支出率
自由民主党福岡県議団 2億4,600万円 2億2,409万9,043円 2,190万957円 91.1%
民主県政クラブ県議団 1億2,150万円 1億1,495万7,122円 654万2,878円 94.6%
公明党福岡県議団 6,000万円 3,958万1,212円 2,041万8,788円 66.0%
新政会福岡県議団 3,450万円 2,867万4,627円 582万5,373円 83.1%
無所属の会 1,300万円 749万9,454円 550万546円 57.7%
自由と繁栄の会 1,050万円 1,061万4,228円 ▲11万4,228円 101.1%
ふくおか政策の会 500万円 490万4,068円 9万5,932円 98.1%
緑友会 600万円 414万3,472円 185万6,528円 69.1%
桜和会 600万円 258万8,492円 341万1,508円 43.1%
至誠会 600万円 227万925円 372万9,075円 37.8%
日本維新の会福岡 500万円 501万661円 ▲1万661円 100.2%
豊築会 600万円 538万5,264円 61万4,736円 89.8%
合計 5億1,950万円 4億4,972万8,568円 6,977万1,432円 86.57%

残余がプラスの10会派を合計すると6,989万6,321円です。条例では、交付額から適正な支出を差し引いて残余が生じた場合、会派が知事へ返還すると定めています。

自由と繁栄の会は11万4,228円、日本維新の会福岡は1万661円、支出が交付額を上回っています。報告書の残余欄もマイナス表記です。これは「公費を上限以上に受け取った」という意味ではなく、報告された支出額が交付額を上回ったことを示します。

支出の42.75%が人件費、24.26%が広報費

経費区分 12会派合計 支出全体に占める割合
人件費 1億9,223万6,791円 42.75%
広聴・広報費 1億910万19円 24.26%
事務費 5,067万2,736円 11.27%
事務所費 4,704万4,224円 10.46%
調査研究費 3,586万4,492円 7.97%
資料購入費 598万3,792円 1.33%
研修費 322万1,223円 0.72%
会議費 274万2,927円 0.61%
資料作成費 163万9,655円 0.36%
要請・陳情等活動費 122万2,709円 0.27%

人件費と広聴・広報費の合計は3億133万6,810円です。県政調査を支えるスタッフや、県政報告を県民へ届ける広報は、議員活動に必要な経費です。しかし「人件費」「広報紙作成費」といった大分類だけでは、支出によってどの政策提案や県民への還元が生まれたのかまでは判断できません。

会派別では、自民党県議団の人件費が1億1,342万6,612円、民主県政クラブ県議団の広聴・広報費が4,489万9,401円でした。金額が大きいことだけで不適切とはいえません。問われるのは、人数や発行部数、成果物、政策提言との対応が県民から追えるかです。

約6977万円の残余をどう見るか

12会派の交付額と支出額の差は、差し引き6,977万1,432円です。最大の残余は自民党県議団の2,190万957円、次が公明党県議団の2,041万8,788円でした。

使い切らず返すこと自体は問題ではありません。年度末に不要な支出を増やすより、残余を返還する方が適切です。支出率が高い会派も、低い会派も、その数字だけで活動の良否は決まりません。

見るべきなのは、交付額に対して何を実施し、どの成果を議会質問や政策提案につなげたのかです。支出率だけを競わせれば「使い切ること」が目的になり、政務活動費本来の役割から外れます。

福岡県議会の公開制度と、残る課題

福岡県議会は、会派別の収支報告書をホームページで公開しています。領収書などの証拠書類は閲覧対象とされ、県議会は弁護士と公認会計士による専門的な確認を導入したと説明しています。全支出について活動の目的や概要を記載する政務活動報告書、県外・海外視察の報告書も提出・公表の対象です。

制度は整えられています。ただ、ウェブ上で一覧できる令和7年度の収支報告書は、10区分の合計額と短い備考が中心です。県民が5億円規模の支出を評価するには、領収書や活動報告、委託成果物までオンラインで検索できる形が望まれます。

今回公開された各会派の収支報告書は2ページで、提出書と費目別合計、短い備考が中心です。個々の支出先、支出日、活動内容までは、このPDFだけでは追えません。

議会図書室へ出向けば確認できることと、自宅から金額・支払先・成果物を検索できることは同じではありません。公開の次の段階は、資料を置くことではなく、県民が検証できる状態にすることです。

政経プラスの評価――月50万円より、成果の説明を

福岡県議会の政務活動費は、議員1人あたり月50万円です。議会が知事部局の予算や事業を調査し、政策を提案するには、スタッフ、事務所、資料、広報の費用がかかります。

だからこそ「適正な区分に計上した」で説明を終えてはいけません。人件費なら何人のスタッフがどんな調査を支えたのか。広報費なら何部発行し、どの県政課題を県民へ伝えたのか。調査委託なら成果物をどこで読めるのか。5億1,950万円の交付に対し、会派ごとの答えが必要です。

福岡県議会は12会派の収支報告書を公開しました。次に示すべきなのは、4億4,972万8,568円の支出が議会のチェック機能と政策提案をどう強くしたのかです。

よくある質問

福岡県議会の令和7年度政務活動費はいくらですか?

12会派の収支報告書に記載された交付額の合計は5億1,950万円です。支出額の合計は4億4,972万8,568円でした。

政務活動費は議員1人あたりいくらですか?

福岡県では、会派所属議員1人につき月額50万円です。月の初日時点の所属議員数を基礎に会派へ交付されます。

使わなかった政務活動費はどうなりますか?

適正な支出を差し引いて残余が生じた場合、会派は残額を知事へ返還します。令和7年度は、残余がプラスの10会派の合計が6,989万6,321円でした。

領収書はホームページで確認できますか?

今回の公式ページから確認できるのは、各会派の収支報告書です。県議会は領収書や政務活動報告書を閲覧に供していると説明していますが、個別支出の詳細は、今回掲載されたPDFだけでは確認できません。

一次資料

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