後藤香織県議は、福岡市早良区選出の2期目です。一人会派「ふくおか政策の会」の代表を務めています。
2026年8月17日の臨時会では、採決中止動議に反対したと本人が公表しました。本案の辞職勧告決議案が採決されれば、賛成するつもりだったとも説明しています。
林泰輔県議が提出した動議は賛成49、反対35で可決され、蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案は採決されませんでした。本人が表明した賛成意向と、実際の本案への投票結果は区別する必要があります。
【2026年8月28日更新】蔵内勇夫氏は8月24日に辞職の意向を表明し、翌25日に福岡県議会議長と県議を辞職しました。8月17日に辞職勧告決議案が採決されなかった事実は変わりません。
採決中止を求めた林泰輔県議の説明と、それに対する政経プラスの反論は、林泰輔県議、「県民感情」で片づけるな 採決を止めた側が県民を向いていたのかで詳しく取り上げています。
後藤県議は、動議への投票行動と、本案に賛成する予定だった理由を公表しています。本人の説明から、その判断を確かめられます。
後藤県議の経歴と会派の変遷、採決中止に反対した理由を、本人発信と公的資料から整理します。
▼採決中止動議の賛成・反対議員一覧はこちら 福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧|49人と35人の全氏名
2026年9月5日更新
採決中止への反対理由と、若者の孤立防止の質問
本人サイトは、8月17日の採決中止への反対だけでなく、本案への考えや議会改革に関する説明を掲載しています。採決時の行動と、その後に本人が公表した理由を、それぞれの記録から確認できます。 本人の公表文
政策面では、2026年6月18日の公式質問表に若者の孤立防止と自立支援が掲載されています。議会改革への姿勢と、日常の生活政策に関する質問の両面を確認できます。 県議会・6月一般質問表
後藤香織県議の基本プロフィール
福岡県議会の公式プロフィールで確認できる情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 後藤香織(ごとう・かおり) |
| 選挙区 | 福岡市早良区 |
| 会派 | ふくおか政策の会 |
| 当選回数 | 2回 |
| 生年月日 | 1979年12月28日 |
| 所属 | 総務企画地域振興委員会、子育て支援・人財育成調査特別委員会 |
| 会派での役職 | ふくおか政策の会代表 |
「ふくおか政策の会」は後藤県議一人で構成される会派です。大きな会派の方針ではなく、一人の議員として賛否を決める立場にあります。
子育てと仕事の経験から政治へ、2019年に初当選
後藤県議は大分県日田市出身です。大分県立日田高校を卒業後、愛知教育大学教育学部で学びました。大学卒業後は短期大学の派遣職員、専門学校の正規職員として勤務しています。
本人の公式プロフィールでは、産休・育休後の復職、待機児童、給与の減少、子育てを理由にした職場での評価などを経験したと説明しています。仕事と子育てを両立する中で感じた制度上の壁が、政治を志す原点になりました。
2019年の福岡県議選で、福岡市早良区から立憲民主党公認で立候補。1万9597票を得て初当選しました。2023年も同党公認で立候補し、2万42票で再選しています。
県議会では、子育て支援、産後ケア、学校での性暴力防止、若者の孤立、住宅政策などを取り上げてきました。本人の経歴や議会質問を見ると、生活者と子育て世代の課題を軸に活動してきた議員です。
2025年に立憲民主党を離党、一人会派を結成
後藤県議は2025年、立憲民主党を離党して無所属になりました。同年5月30日付で民主県政クラブ県議団を離れ、一人会派「ふくおか政策の会」を結成しています。
本人は県政レポートで、政党所属ではなくなっても政治理念は変わらず、暮らし・現場・地域に根差した政策を議会で提言すると説明しました。
福岡県議会では、大きな会派を中心に議会運営の協議や調整が進められます。一人会派は、会派間の利害や党議拘束に縛られにくい一方、議会改革の検討組織に参加できないなど、情報や発言機会の面で不利になることがあります。
後藤県議は2026年7月、少数会派のため「第二次議会改革プロジェクトチーム」に参加できないと明かしました。そのうえで、大会派に属していないからこそ、会派間の利害に左右されず議会改革に取り組む責務があると述べています。
採決中止動議に反対したことを本人が公表
8月17日の臨時会では、吉松源昭県議らが提出した蔵内議長への辞職勧告決議案が議題になりました。吉松県議の提案理由説明後、林泰輔県議が採決中止動議を提出。動議は賛成49、反対35で可決され、辞職勧告決議案そのものは採決されませんでした。
後藤県議は公式サイトで、採決中止には反対の立場だったため、賛成者を数える起立採決で立たなかったと説明しています。
動議への反対は、後藤県議本人の発信で直接確認できます。
後藤県議は同じ臨時会で、金銭授受問題を外部専門家に調査させる議案には起立して賛成しました。つまり、「第三者調査を行うこと」と「議長への辞職勧告を採決すること」を両立させる立場を取ったことになります。
辞職勧告決議案には賛成する意向だった
後藤県議は、採決中止動議への反対に加え、本案が採決されれば賛成するつもりだったことも明らかにしています。
一方、決議文については、根拠が不十分な部分や感情的・評価的な表現があり、公式な決議としてより客観的に整理すべきだった、と指摘しています。この留保も含めて本人の判断です。
それでも賛成する意向だった理由として挙げたのが、混乱と政治不信を招いた議長としての責任です。
後藤県議は、疑惑の事実認定と、議長としての政治的責任を分けて説明しました。
事実認定には第三者の調査が必要。その一方、最終結論が出る前でも、混乱と政治不信を招いた議長の責任は問える、という考えです。
「議会改革」を掲げる議員として筋の通った投票行動
後藤県議は7月26日の発信で、海外活動の費用、県職員による質問原稿の作成、議長・副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑などに言及し、県議会への不信を重く受け止めると表明していました。
公費を使う海外活動は原則中止して必要性を厳しく検証すること、議会と行政の間に適切な緊張関係を取り戻すこと、必要に応じて第三者が疑惑を検証することも求めています。
その後の臨時会で、第三者調査に賛成し、採決中止には反対した。この投票行動は、直前まで発信していた議会改革の方針とつながっています。
後藤県議は、採決後に、反対した対象、決議文への留保、本案に賛成する予定だった理由を公表しました。筆者は、有権者が判断を確かめられるこの説明を評価します。
8月25日の辞職後も、調査と改革を検証する
蔵内議長は8月19日、第三者委員会の設置や政治倫理条例の制定に一定のめどが立った段階で、議長職を辞任する意向を表明しました。さらに8月24日には、翌25日の女性議員研究交流大会で全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うしたうえで、県議職を辞すると発表しました。
蔵内氏は8月25日に議長と県議を辞職しました。8月17日には各議員の本案への賛否を採決する機会が失われたため、その判断は投票記録には残っていません。
後藤県議の場合は、本人が賛成意向を公表したため、その政治判断を有権者が確認できます。
県議辞職の意向が示されても、第三者調査や政治倫理条例の検証は終わりません。今後は調査の対象範囲と公表方法、条例の実効性、採決中止動議に賛成した議員の説明まで確認する必要があります。後藤県議が掲げる「議会改革」も、反対票を示した時点で終わるものではありません。
よくある質問
Q1. 後藤香織県議はどこの選挙区ですか?
福岡市早良区選挙区です。2019年に初当選し、現在2期目。会派は一人会派の「ふくおか政策の会」で、後藤県議が代表を務めています。
Q2. 後藤県議は採決中止動議に賛成しましたか?
反対しました。本人が公式サイトで、採決中止に反対の立場だったため、賛成者を数える起立採決では立たなかったと説明しています。
Q3. 後藤県議は蔵内議長への辞職勧告決議案に賛成する予定でしたか?
本人は、採決されれば賛成するつもりだったと公表しています。ただし、決議文には根拠が十分でない部分や評価的な表現があり、より客観的に整理すべきだったとも指摘しています。
Q4. 後藤県議は現在も立憲民主党所属ですか?
現在は無所属です。2025年に立憲民主党を離党し、民主県政クラブ県議団からも離脱して、一人会派「ふくおか政策の会」を結成しました。
一票の理由を公表し、調査と条例の検証へつなげる
- 後藤香織県議は福岡市早良区選出、当選2回
- 2019年と2023年は立憲民主党公認で当選し、2025年に離党して無所属になった
- 現在は一人会派「ふくおか政策の会」の代表
- 2026年8月17日の採決中止動議に反対したことを本人が公表した
- 辞職勧告決議案が採決されれば賛成する意向だった
- 第三者調査と議長の政治的責任を、別の問題として両立させる立場を取った
- 8月24日、蔵内議長は翌25日の公務後に県議職を辞する意向を公表した
後藤県議の投票行動は、7月から公表していた議会改革の主張と一致しています。評価できるのは、反対したという結果とともに、採決後に自分の判断を具体的に説明したことです。
議員の一票は、理由が語られて初めて有権者の判断材料になります。後藤県議には、この説明を第三者調査と政治倫理条例の検証まで続けてもらいたいと思います。
投票行動への評価と、本人の海外活動を検証する論点は、noteの続報(全文無料)にまとめています。
関連記事
- 福岡県議会・金銭授受疑惑/採決中止 検証アーカイブ
- 福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧|49人と35人の全氏名
- 吉松源昭県議とは|金銭授受疑惑の告発と採決中止反対
- 中村明彦県議とは|11期・元副議長が採決中止動議に反対
- 江藤秀之県議とは|自民で唯一、採決中止動議に反対した理由
確認資料・参考リンク
- 福岡県議会|令和8年8月臨時会の採決結果
- 福岡県議会|2026年8月25日 辞職に際して(議長コメント)
- 福岡県議会|後藤香織議員プロフィール
- 福岡県議会|ふくおか政策の会の所属議員一覧
- 後藤香織県議公式サイト|プロフィール
- 後藤香織県議公式サイト|福岡県議会をめぐる一連の問題について
- 後藤香織県議・県政奮闘記25号|離党・一人会派結成の報告
- 福岡市選挙管理委員会|2023年福岡県議選・早良区開票結果
- 福岡市選挙管理委員会|2019年統一地方選挙結果
- 福岡TNCニュース|採決中止動議に賛成した49人
- RKB毎日放送|蔵内議長が議長辞職の意向を表明
- 福岡TNCニュース|蔵内議長が8月25日の公務後に県議辞職すると表明
- テレビ朝日|蔵内議長が県議辞職の意向を表明
追記(2026年9月16日現在)
福岡県議会では、2026年9月9日の9月定例会開会日に大島道人議員(自民党県議団)が議長に選出されました。大島議長は、金銭授受疑惑に関する第三者委員会への議会の協力と調査結果の公表、9月定例会中の政治倫理条例の制定、議員報酬・定数・選挙区の見直し、議長在任中の海外活動を実施しないこと、議会と執行部の関係の見直し、ワンヘルス施策の議論という6項目を「議長としての約束」として示しています。
福岡県は9月14日、「改革の地図」を公開し、海外活動、県議会と執行部の関係、部課長会による政治資金パーティー券購入補助、ワンヘルス、講師謝金、議員連盟への補助金を改革項目として整理しました。議長の約束と県の改革ロードマップは、今後、制度化・調査開始・結果公表まで進んだかを確認するための基準になります。
9月16日報道によると、県議会側の第三者委員会は、弁護士13人で9月17日に設置する予定でした。以下は9月16日時点の確認です。この時点で筆者が確認できたのは設置予定までで、設置完了、調査開始、委員名簿、報告書の公表時期は未確認でした。
出典:福岡県議会「議長としての6つの約束」/福岡県「改革の地図」/福岡県議会「令和8年9月定例会の代表質問表」/福岡県議会「令和8年8月臨時会の採決結果」/第三者委員会に関する9月16日報道(元記事は確認時点で閲覧できませんでした)


