佐々木徹県議は、福岡市東区選出、民主県政県議団所属の6期目です。
2003年に初当選し、2016年5月から2017年5月まで第78代福岡県議会副議長を務めました。
現在の議員の中でも、県議会の手続、会派間協議、本会議運営を深く知るベテランです。
その佐々木県議は2026年8月17日、藏内勇夫議長への議長職辞職勧告決議案について、本案の採決を中止する動議に賛成しました。
動議は49対35で可決され、本案は採決されませんでした。
佐々木県議が辞職勧告に賛成だったのか、反対だったのかは公式記録に残っていません。
1期目の議員でも説明責任はあります。しかし元副議長で6期目なら、議会手続の意味を知らなかったとは言えません。
採決を止めれば、議員別の本案への判断が記録されない。その効果を理解した上で賛成したと見るのが自然です。
民主県政県議団は賛成10人、反対10人に割れました。自民党県議団の党議拘束は、佐々木県議の一票を説明しません。
元副議長が、なぜ本案を採決させない側へ回ったのか。
今回の5人の中でも、とりわけ重い説明責任があります。
▼採決中止動議の賛成・反対議員一覧
福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧|49人と35人の全氏名
佐々木徹県議の基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 佐々木徹(ささき・とおる) |
| 選挙区 | 福岡市東区 |
| 会派 | 民主県政県議団 |
| 当選回数 | 6回 |
| 生年月日 | 1958年1月28日 |
| 年齢 | 68歳(2026年8月24日現在) |
| 常任委員会 | 建築都市委員会 |
| 特別委員会 | 空港・交通インフラ調査特別委員会 |
| 主な議会歴 | 第78代福岡県議会副議長 |
| 学歴 | 福岡大学商学部卒業 |
立憲民主党や会派の紹介によると、佐々木県議は西鉄旅行、テツコーポレーション会社役員、衆議院議員松本龍氏の秘書を経て、2003年に県議へ初当選しました。
交通・旅行業界、国会議員秘書、地方議員という経歴を持ちます。福岡県交通運輸労働組合協議会議員懇談会や連合福岡議員懇談会の会長も務めています。
現在の選挙区は福岡市東区です。進行表にあった「福岡市早良区」は誤りです。
2023年県議選は12,744票で6選
2023年の福岡市東区選挙区は定数5に7人が立候補しました。
佐々木県議は立憲民主党の現職として12,744票を得て当選。6期目に入りました。
東区は県内でも人口の多い選挙区です。福岡空港、博多港、都市高速、鉄道、九州大学箱崎キャンパス跡地、アイランドシティなど、県と市が重なる大型課題を抱えます。
佐々木県議が建築都市委員会と空港・交通インフラ調査特別委員会に所属することは、選挙区との関係が深い配置です。
12,744票は、議席を与えた数字であると同時に、重要な局面で自分の判断を示すよう求める負託でもあります。本案への賛否を残さないための一票は、その負託に応えたと言えるのかが問われます。
2003年初当選、2016年に第78代副議長
佐々木県議は2003年4月に初当選しました。
2016年5月20日、福岡県議会の第78代副議長に就任。2017年5月22日まで務めました。
副議長就任時、県議会広報は、佐々木県議が「二元代表制の一翼を担う県議会の公正かつ円滑な運営」に努める趣旨を表明したと伝えています。
副議長は、議長を補佐し、不在時には議事を取り仕切る立場です。本会議の秩序、手続、公平な発言機会、採決の成立を支えます。
その経験者が、本案を採決せず終わらせる動議へ賛成しました。
単に「会派の一人が賛成した」のではありません。議会運営の重みを最もよく知る層の議員が、県民に本案への判断を示さなかったのです。
佐々木県議は、副議長経験と今回の一票がどう両立するのかを説明しなければなりません。
20年以上にわたる質問記録
佐々木県議の質問は、初当選直後から公式記録に残っています。
| 時期 | 主な質問テーマ |
|---|---|
| 2003年6月 | 高校奨学金制度の充実 |
| 2005年6月 | スーパー中枢港湾、戦後60周年記念事業 |
| 2006年2月 | 生活保護世帯の高校就学費、女性が活躍できる職場環境 |
| 2006年12月 | 高校の未履修問題、高校奨学金 |
| 2007年12月 | 地球温暖化、臓器移植・骨髄移植 |
| 2023年6月 | 物価高騰、生成AI、カスハラ、福岡空港、外国人労働者、教育など |
この表は全質問を網羅したものではなく、県議会公式ページで確認できる代表例です。
初期には高校奨学金を繰り返し取り上げ、生活保護世帯の進学、女性の職場環境、港湾、環境、医療へ論点を広げています。
2023年6月の代表質問では、物価高騰、スポーツのジェンダー平等、カスタマーハラスメント、福岡空港、生成AI、新型コロナ、外国人労働者、豪雨、教育、世界水泳などを扱いました。
質問したこと自体を成果と断定することはできません。20年以上の活動を評価するには、質問後の制度、予算、事業の変化も確認する必要があります。
それでも長い在職期間に、多分野の問題を県政へ持ち込んだ記録はあります。
奨学金と教育機会を繰り返し質問
初当選直後の2003年、佐々木県議は県の高校奨学金制度の充実を質問しました。
2006年には生活保護制度の高校就学費を取り上げ、同年12月にも高校奨学金を質問しています。
家庭の所得によって教育機会が狭められないよう、制度の穴を議場で問う姿勢です。
奨学金制度では、対象、審査、給付・貸与条件、手続、財源を明確にする必要があります。行政の裁量や事情だけで結論を曖昧にしては、支援を受ける側は納得できません。
議会の判断も同じです。
県民に大きな影響を持つ本案について、誰がどちらへ投票したかを示さないまま終わらせた。制度の透明性を求めてきた佐々木県議自身が、政治判断では透明性を後退させました。
福岡空港、港湾、交通インフラ
佐々木県議は2005年にスーパー中枢港湾を質問し、2023年の代表質問では福岡空港の利便性を取り上げました。
現在は空港・交通インフラ調査特別委員会に所属しています。
福岡市東区は、港湾、物流、鉄道、道路、空港アクセスの影響を強く受ける地域です。旅行会社勤務や交通関係団体との活動も含め、佐々木県議の経歴と政策分野はつながっています。
大型インフラは巨額の公費を使い、長期にわたり住民生活を左右します。議会には、計画の根拠、費用、契約、効果、環境負荷を公開の場で審査する責任があります。
その審査を担うベテランが、議会自身の問題では本案採決を止めた。この落差は小さくありません。
2023年代表質問は物価、生成AI、カスハラまで
2023年6月、佐々木県議は民主県政県議団を代表して幅広い県政課題を質問しました。
物価高騰への対応、スポーツのジェンダー平等、カスタマーハラスメント、生成AI、外国人労働者、豪雨対策、教育などです。
代表質問は個人質問よりも会派の政策を強く背負います。執行部へ説明を求め、県政の方向性を公の場で確かめる役割があります。
2026年8月の採決では、同じ会派が10対10に分かれました。
佐々木県議は会派を代表して行政へ説明を求めた経験がありながら、自分の採決中止への賛成理由を公に説明していません。
行政へ答弁を迫るだけでなく、自分の一票にも答弁する。それが代表質問を担った議員の責任です。
民主県政県議団は10対10、党議拘束では説明できない
TNCテレビ西日本は、動議採決時に起立した議員を記者が議場で確認し、佐々木県議を賛成49人の一人として公表しました。
民主県政県議団20人は、賛成10人、反対10人に分かれました。
自民党県議団は動議賛成に党議拘束をかけましたが、佐々木県議の所属会派は割れています。
同じ会派の新井富美子、岩元一儀、大田京子、大橋克己、嘉村薫、中嶋玲子、原田博史、室屋美香、守谷正人、渡辺美穂の各県議は、採決中止動議に反対しました。
佐々木県議には選択肢がありました。
6期の経験、副議長の経験を使って採決を守ることもできたはずです。実際には採決中止を選び、最大会派が求めた投票回避を成立させる一票になりました。
TNC調査で評価されたのは動議に反対した側
TNCが2026年8月19日に実施し、県内有権者1,020人が回答した緊急世論調査では、採決中止動議を「不適切な対応で納得できない」とした回答が75.0%でした。
「採決を行い各議員の賛否を明らかにすべきだった」は79.0%。「問題ない」は7.0%です。
民主県政県議団については、動議に反対した10人を評価する回答が60.4%、賛成した10人を評価する回答は11.4%でした。
この結果は、佐々木県議個人の支持率を示すものではありません。会派内で分かれた二つの判断に対する有権者の評価です。
2027年の統一地方選への影響を尋ねた質問では、「非常に影響する」「ある程度影響する」の合計が79.1%でした。
佐々木県議が7期目を目指すなら、副議長経験を経歴に掲げるだけでなく、その経験を今回なぜ採決中止に使ったのかを答える必要があります。
佐々木徹県議に答えてほしい7つの質問
- 元副議長として、採決中止動議に賛成した具体的な理由は何ですか。
- 辞職勧告決議案が採決されていたら、賛成と反対のどちらへ投票する予定でしたか。
- 採決を止めれば本案への議員別判断が残らないことを、どう評価しましたか。
- 同じ会派の10人が動議に反対した中で、賛成を選んだ理由は何ですか。
- 副議長就任時に掲げた「公正かつ円滑な運営」と今回の投票はどう両立しますか。
- 20年以上の質問活動で、制度や予算へ反映された成果を一覧で公表しますか。
- 採決中止動議の議員別賛否を県議会公式サイトで公開することに賛成しますか。
よくある質問
Q1. 佐々木県議は藏内議長の辞職に反対したのですか?
断定できません。辞職勧告決議案は採決されていません。確認できるのは、採決中止動議への賛成です。
Q2. 佐々木県議は副議長を務めましたか?
はい。2016年5月20日から2017年5月22日まで、第78代福岡県議会副議長を務めました。
Q3. 佐々木県議の選挙区はどこですか?
福岡市東区です。早良区ではありません。2023年県議選では12,744票で6選しました。
まとめ
- 佐々木徹県議は福岡市東区選出、民主県政県議団所属の6期目
- 2003年初当選、2016年に第78代福岡県議会副議長へ就任
- 建築都市委員、空港・交通インフラ調査特別委員
- 奨学金、港湾、福岡空港、物価、生成AI、教育などを質問
- 2026年8月17日の採決中止動議に賛成
- 会派は賛成10人、反対10人に分かれた
佐々木県議は、議会運営を知らない新人ではありません。
副議長を経験し、20年以上県議会に在籍してきた人物です。
そのベテランが採決を止めた以上、「よく分からず賛成した」という説明は通りません。何を守るために県民から本案への判断を見えなくしたのか、自分の言葉で答えるべきです。
長い経歴は免責ではありません。経験が長いほど、今回の一票に対する責任は重くなります。

