桐明和久県議は、八女市・八女郡選出、自民党県議団所属の4期目です。2022年6月21日から2023年4月29日まで、第72代福岡県議会議長を務めました。タイトルの「前議長」は、この元議長としての経歴を指します。
2026年8月17日、蔵内勇夫議長への議長職辞職勧告決議案の採決を中止する動議に賛成しました。動議は賛成49、反対35で可決し、本案そのものは採決されませんでした。桐明県議の本案への賛否も記録に残っていません。
議長就任時には、議会の公正で円滑な運営と、不断の議会改革を掲げています。知事と議会がそれぞれ県民の代表として役割を担う「二元代表制」に触れた説明でした。
公正な運営を掲げた元議長が、なぜ本案の公開採決を止める側に立ったのか。議会手続きを熟知する立場だけに、本人の判断理由を説明する政治責任は重いと筆者は考えます。
2026年9月5日更新
医療的ケアを担う家族の休息支援を質問
2026年3月6日の一般質問では、医療的ケア児・者の家族に対するレスパイト支援の拡充を取り上げています。家族が一時的に介護から離れ、休息できる支援をどう確保するかという課題です。 県議会録画一覧(質問日・題目)
制度があっても、受入施設や人員、利用できる時間によって使いやすさは変わります。受入枠の拡大や家族の負担軽減がどこまで進んだかは、質問歴とは別の検証になります。
▼採決中止動議の賛成・反対議員一覧
福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧|49人と35人の全氏名
桐明和久県議の基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 桐明和久(きりあけ・かずひさ) |
| 選挙区 | 八女市・八女郡 |
| 会派 | 自民党県議団 |
| 当選回数 | 4回 |
| 生年月日 | 1958年10月3日 |
| 年齢 | 67歳(2026年8月24日現在) |
| 常任委員会 | 農林水産委員会 |
| 特別委員会 | スポーツ立県調査特別委員会 |
| 主な役職 | 第72代福岡県議会議長、議会運営委員長など |
本人の公式プロフィールでは、八女市出身、福島高校、熊本工業大学土木工学科を卒業し、家業の建設会社に入り、のちに代表取締役を務めたと紹介されています。
青年会議所やPTAの役職も経験し、2011年に県議へ初当選しました。
土木、地域団体、教育活動を経て県政へ進んだ経歴です。
2019年は無投票、2023年は13,247票
桐明県議は2011年に10,037票で初当選しました。
2015年の八女市・八女郡選挙区は定数2に4人が立候補し、13,784票で当選。
2019年は定数2に候補2人で無投票当選しました。
2023年は定数2に3人が立候補し、桐明県議は13,247票、得票率45.1%で当選しました。投票率は44.55%でした。
| 選挙 | 状況 | 桐明県議の結果 |
|---|---|---|
| 2011年県議選 | 八女市選挙区 | 10,037票、初当選 |
| 2015年県議選 | 定数2・候補4 | 13,784票、当選 |
| 2019年県議選 | 定数2・候補2 | 無投票当選 |
| 2023年県議選 | 定数2・候補3 | 13,247票、当選 |
2023年は、前回の無投票から選挙戦へ戻りました。
有権者が候補者を比較し、桐明県議へ4期目を託した結果です。
任期中の重要採決を記録に残すことは、次の選挙で判断するための基本資料になります。
第72代議長として「公正かつ円滑な運営」を表明
桐明県議は2022年6月21日、第72代県議会議長に選出されました。
県議会だよりの就任あいさつでは、二元代表制の一翼を担う県議会の公正かつ円滑な運営に努め、議会改革にも不断の努力を続けると表明しています。
議長在任中、県議会では議員によるハラスメントを防止する条例も制定されました。
議会運営委員長なども経験しており、議案の提出、討論、採決が県民の代表機関にとって何を意味するかを熟知する立場です。
その本人が、辞職勧告決議案への賛否を明らかにする採決を止めたことは、過去の表明との整合性が問われます。
農業と八女茶に関わる活動
桐明県議は現在、農林水産委員会に所属しています。
県議会の公開資料では、福岡県茶生産組合連合会の会長として、八女茶を含む県産茶の振興に関わる活動も確認できます。
八女地域では、茶、果樹、施設園芸、担い手確保、豪雨災害からの復旧が重要な課題です。
2023年6月の代表質問では、園芸農業先端技術開発センター、流域治水、外来生物、地域公共交通などを取り上げました。
桐明県議は、八女地域の基幹産業と生活基盤を県政の課題として取り上げてきました。政策全体の成果や本人の寄与は、質問後の県の対応と事業の経過を基に評価します。
医療的ケア児・者の家族支援を質問
2026年2月定例会で、桐明県議は医療的ケア児・者の家族に対するレスパイト支援の拡充を質問しました。
2025年9月にはツール・ド・九州、2023年6月の代表質問では出産・子育て、生成AI、物価高、教員不足とカスタマーハラスメントなどを扱っています。
農業だけではなく、福祉、教育、交通、産業まで幅広い県政課題に関わってきました。
幅広い政策を判断する議員だからこそ、議会の最重要局面では判断を公開しなければなりません。
桐明和久県議は採決中止動議に賛成した
TNCテレビ西日本は、動議の採決で起立した議員を記者が議場で確認し、賛成49人の氏名を公表しました。桐明県議はその中に含まれています。
自民党県議団は採決中止動議への賛成に党議拘束をかけました。
採決に参加した38人中37人が賛成し、反対した自民党県議は江藤秀之県議だけでした。
桐明県議は、本案の採決を中止する動議に賛成しました。本案への賛否は、採決が行われなかったため記録に残っていません。
元議長の責任は一般議員より重い
自民党県議団は、蔵内議長から条件付きの辞意を引き出し、採決中止によって実利を得たとの趣旨を説明しています。
桐明県議本人が、この説明にどこまで賛同したのかは公開情報から分かりません。
しかし、桐明県議は元議長で、議会運営委員長も経験しています。
議会運営の経験者として、本案への反対と、採決中止の違いを説明できる立場です。
党議拘束がある場合も、元議長本人には判断理由を説明する責任があります。
議会の公正な運営を掲げた本人には、採決を止めることが公正さにどうつながるのか、具体的に説明する義務があります。
「議会改革」と採決中止は両立するのか
議会改革には、議員に不都合な判断も県民が確かめられる記録が必要です。
議案と討論を公開し、各議員の賛否を県民が確認できるようにすることが基本です。
蔵内議長の条件付き辞意を評価するなら、桐明県議は本会議でその理由を述べ、本案に反対票を投じることができました。
採決中止を選んだため、県民には本案への態度が分かりません。
筆者はこの判断が、元議長の掲げた「公正な運営」「不断の議会改革」と食い違うと評価します。
八女市と広川町の有権者には、会派方針と桐明県議本人の判断理由の説明が必要です。
TNC調査では79%が公開採決を求めた
TNCが8月19日に県内有権者1,020人を対象に実施した緊急世論調査では、緊急動議を「不適切な対応で納得できない」とした回答が75.0%でした。
「採決を行い各議員の賛否を明らかにすべきだった」は79.0%。「問題ない」は7.0%です。
2027年統一地方選の投票行動に影響するとした回答は計79.1%でした。
一回の調査を県民全員の総意とは扱えません。それでも、議会の公開性に対する県民の強い要求は読み取れます。
桐明和久県議に答えてほしい7つの質問
- 採決中止動議に賛成した具体的な理由は何ですか。
- 辞職勧告決議案が採決されていたら、賛成と反対のどちらへ投票する予定でしたか。
- 元議長として、本案への反対と採決中止の違いをどう考えますか。
- 議長就任時に掲げた「公正かつ円滑な運営」と今回の判断はどう両立しますか。
- 党議拘束の決定に異論はありませんでしたか。
- 議会運営の経験を持つベテランとして、採決実施を求めなかったのですか。
- 八女市・広川町の有権者へ、今回の一票をいつ、どの方法で説明しますか。
よくある質問
Q1. 桐明県議は蔵内議長の辞職に反対したのですか?
断定できません。辞職勧告決議案そのものは採決されていません。確認できるのは、採決中止動議への賛成です。
Q2. 桐明県議は県議会議長を務めたのですか?
はい。2022年6月21日から2023年4月29日まで、第72代福岡県議会議長を務めました。
Q3. この記事は違法行為を指摘していますか?
いいえ。議会手続きとして行われた投票行動を、元議長としての政治的説明責任から評価しています。
公正な運営を掲げた元議長に問われる説明責任
- 桐明和久県議は八女市・八女郡選出、自民党県議団所属の4期目
- 建設会社、青年会議所、PTA活動などを経て2011年に県議初当選
- 2019年は無投票、2023年は13,247票で当選
- 第72代福岡県議会議長、議会運営委員長などを経験
- 農業、地域交通、流域治水、医療的ケア児・者家族支援などを質問
- 2026年8月17日の採決中止動議に賛成した
農業振興や福祉、地域交通に関する活動は確認できます。
その実績と、公開採決を止めた一票は別に評価しなければなりません。
公正な議会運営を掲げた元議長として、桐明県議は今回の判断を八女地域の有権者へ自分の言葉で説明すべきです。
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- 福岡県議会・金銭授受疑惑/採決中止 検証アーカイブ
- 福岡県議会・採決中止動議の賛否一覧
- 林泰輔県議とは何者か
- 江藤秀之県議とは|自民で唯一、採決中止動議に反対
- 栗原悠次県議とは|採決中止動議に反対した八女の県議
確認資料・参考リンク
- 福岡県議会|桐明和久議員プロフィール
- 福岡県議会|歴代議長一覧
- 福岡県議会だより第44号|第72代議長就任あいさつ
- 福岡県議会中継|桐明和久議員の質問一覧
- 桐明和久公式サイト|プロフィール
- 選挙ドットコム|2023年県議選・八女市・八女郡
- 選挙ドットコム|2019年県議選・八女市・八女郡
- TNCテレビ西日本|採決中止動議に賛成した49人
- TNC/FNN|採決中止の舞台裏と党議拘束
- TNCテレビ西日本|県内有権者1,020人への緊急世論調査
- 福岡県議会|令和8年8月臨時会の採決結果
追記(2026年9月16日現在)
福岡県議会では、2026年9月9日の9月定例会開会日に大島道人議員(自民党県議団)が議長に選出されました。大島議長は、金銭授受疑惑に関する第三者委員会への議会の協力と調査結果の公表、9月定例会中の政治倫理条例の制定、議員報酬・定数・選挙区の見直し、議長在任中の海外活動を実施しないこと、議会と執行部の関係の見直し、ワンヘルス施策の議論という6項目を「議長としての約束」として示しています。
福岡県は9月14日、「改革の地図」を公開し、海外活動、県議会と執行部の関係、部課長会による政治資金パーティー券購入補助、ワンヘルス、講師謝金、議員連盟への補助金を改革項目として整理しました。議長の約束と県の改革ロードマップは、今後、制度化・調査開始・結果公表まで進んだかを確認するための基準になります。
9月16日報道によると、県議会側の第三者委員会は、弁護士13人で9月17日に設置する予定でした。以下は9月16日時点の情報です。この時点で筆者が確認できたのは設置予定までで、設置完了、調査開始、委員名簿、報告書の公表時期は未確認でした。
出典:福岡県議会「議長としての6つの約束」/福岡県「改革の地図」/福岡県議会「令和8年9月定例会の代表質問表」/福岡県議会「令和8年8月臨時会の採決結果」/第三者委員会に関する9月16日報道(元記事は確認時点で閲覧できませんでした)


